3月31日、介護保険事業所の指導指針・監査指針が改定された。新指針は、オンラインでの指導の実施や、サービスごとに確認項目や確認文書を限定するなど行政と事業所双方に効率化をめざすとともに、行政はマニュアルに基づく指導を徹底し、より良いサービスをめざして事業所との共通認識を得られるよう助言する。その一方で、不正事案には厳しく対処する内容になった。指導の根拠を明確にする点も明記された。
指導形態には、事業所指定権限をもつ都道府県知事または市町村長が年1回以上全事業所を対象に実施する集団指導と、介護サービスの実施状況や最低基準、報酬請求について、少なくとも指定期間内に1回以上(居住系、地域密着型、施設サービスは3年1回以上が望ましい)、原則実地で行う運営指導がある。
今回、指導の実施回数を明記したほか、集団指導でのオンライン会議システムの活動などを可能とした。
これまで指導監査の対象だった住宅改修は、指導対象から外れる。監査指導は都道府県や市町村の指定事業が対象となるため。同様の理由から介護予防・日常生活支援総合事業も対象外となる。指定取消はできないが、一般的な行政指導が行われる。
従前の実地指導は、事業所において原則実地で行うのは変わりはないが、オンライン実施も可能となったことから、「運営指導」に名称が変更された。
運営指導の対象は、①介護サービスの実施状況指導②最低基準等運営体制指導③報酬請求指導の3つで、このうち報酬請求指導は必ずしも現地で行う必要がないとしてオンライン実施を可能とした。
新指針では、指導にあたって重要と考えられる標準的な「確認項目」と「確認文書」を明示して、各事業所に自己点検の励行を求める。指導時に、行政も確認項目以外の項目や確認文書以外の文書は、特段の事業がない限り事業所に確認や提出を求めないとした。
確認事項と確認文書は、「介護保険施設等運営指導マニュアル」(介護保険最新情報Vol.1062)に、サービスごとに、自己点検・要件シートとともに明記されている。
集団指導は、知事等から各事業所へ文書により、日時、場所、出席者、指導内容等が、原則2カ月前までに通知される。運営指導の実施は、知事等が原則1カ月前までに通知する。
ただし、高齢者虐待が疑われる等の理由により、あらかじめ通知したのでは日常のサービス提供状況が確認できないと認められる場合には、指導開始時に文書で通知する。運営指導は、関係者から関係書類等を基に説明を求めて面談で行う。情報セキュリティの確保を前提にオンラインでの実施も可能。
運営指導の留意点として、▽提出する資料は1部とし自治体がすでに保管している文書は再提出を求めない▽ディスプレイ上の内容確認ができれば別途印刷物の提出は不要▽利用者等の記録の確認は原則3人以内、ただし居宅介護支援についてはケアマネ1人当たり原則1~2人の記録を確認する▽事務受託法人等の活用――などを示した。
運営指導実施中に以下の状況を確認した場合は、運営指導を中止して、直ちに監査を行い、事実関係の調査及び確認を行う。
①著しく人員・施設・運営基準に従っていない(疑いがある場合含む、以下同じ)
②介護報酬の不正がある
③不正の手段で指定等を受けた
④高齢者虐待等により利用者等の生命または身体の安全に危害を及ぼしている
新指針では、指導は規定のマニュアルに基づいて行う。より良いケア等を促す助言や、適正な事業運営に効果的な取組の事業所を積極的評価、具体的な状況や理由を聴取する。根拠規定やその趣旨・目的等について懇切丁寧な説明を行う。
実情に詳しい従業者の出席の是認など、指導に関わる留意点も示された。
<シルバー産業新聞 2022年5月10日号>
介護求人ナビは全国で40,000件以上の介護・福祉の求人情報を掲載した、介護業界最大級の求人サイトです。訪問介護やデイサービス、グループホーム、有料老人ホーム、特別養護老人ホームなど高齢者介護の施設や、児童福祉や障害者支援に関わる施設・事業所の求人情報を多数掲載中。介護職、ヘルパー、ケアマネジャー、サービス提供責任者、ドライバーなど職種だけでなく、施設種類での検索や給与検索、土日休み・週休2日制・日勤のみ・夜勤専従・残業なしなど、こだわり条件での求人検索の機能も充実しているので、あなたにぴったりの介護求人が効率よく見つけられます。ブランク可な求人や未経験可の求人、研修制度ありの求人も掲載しているので、初めての転職でも安心!転職・就職・再就職・復職・アルバイト探しに、介護求人ナビをぜひご活用ください。
介護求人ナビに掲載している求人情報
新着求人
一覧を見る