毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。
今週は、「定年後の再就職先」という話題について紹介します。
定年後でも介護業界に就職可能?
厚生労働省の発表によれば、2016年の日本人の平均寿命は、男性が80.98歳(前年度は80.75歳)、女性が87.14歳(同86.99歳)で、ともに過去最高を更新。
60歳に定年を迎えたとして、そこからまだ20年以上人生が続く計算となる。
もちろんのんびりと人生を過ごすのもステキだが、まだまだ働きたい人、働かなくては生活がままならない人も多いはず。未経験であっても、定年後に介護業界へ就職することは可能なのだろうか?
都内の訪問介護事業所で働くイトウさんはこう語る。
「定年後の再就職ですか? ウチは大歓迎です。定年まで社会で働いてきた人の経験と知識は得難いもの。長い社会人生活でさまざまな問題に対応してきた方なら、介護業界でも立派にやっていけると思います。
利用者としても、年齢が近いスタッフは心を許しやすく、話が盛り上がるようです」
少子高齢化の日本で、元気な中高齢者が、手助けを求めている高齢者の世話をするというのは道理に叶った話し。
芸能界でいえば、60歳を超えているのは、かたせ梨乃、大竹しのぶ、名取裕子、東国原英夫などだ。
テレビで活躍する彼ら・彼女らの顔を思い浮かべれば、「60歳なんてまだまだこれから」と勇気づけられるが、再就職にあたっては、やはり注意点があるようだ。
人生経験が豊富でも、介護職としては新人
イトウさんはいう。
「まず、学歴や職歴を自慢するようなことはご法度です。雇う側としては、その人の知識や経験には期待しますが、現場ではあくまでも新人ですから、“一から学ぶ”という謙虚な姿勢が必要です。
それから、介護業界は“タテ社会”というか“体育会的”というか、『先輩は絶対』という傾向が多いようです。
ウチの事業所では、後から入ってきたスタッフでも、自分より年上だったら敬語を使うようキツく指導していますが、そういった指導をしていない事業者もあります。
介護業界に限りませんが、自分の子どもぐらいの年齢の先輩に、タメ口で命令されたり、怒られたりという場面も考えられます」
弊サイト『介護求人ナビ』では多くの求人を紹介しているが、募集条件に「年齢不問」を掲げている施設・事業所は少なくない。やる気さえあれば、定年者を受け入れる体制は確保されているようだ。
>>中高齢者歓迎の求人を探すならこちら<<
●こちらの記事も参考に
→介護業界への転職にかかった期間は?〜20代から60代まで年代別に質問
公開日:2017/9/4
最終更新日:2019/10/29