今回から新しく、連載が始まります。題して「私が転職した理由」。介護業界で転職をした人の理由やいきさつ、心情などを、できるだけリアルにお伝えします。ご自身の転職にもぜひ参考にしてください。
そのトップバッターは、特養に勤めていたN・Tさん。恵まれたスタートを切ったのに、異動して上司が変わってから、状況がガラリと変わってしまいました。彼女の葛藤とその後にとった行動を、4回に分けてお伝えします。
*N・Tさんの「私が転職した理由」…1回目、2回目、3回目、4回目(最終回)はこちら
N・Tさん(30歳)の転職経験
介護の専門学校を卒業
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東京の特別養護老人ホームに入社し6年間勤務
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退職して半年間、オーストラリアへ。現地でボランティアの介護スタッフを経験
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帰国後、新たな気持ちで特養のケアマネ兼相談員になる
奨学金をもらって勉強し、東京の特養へ
北陸の地方都市に生まれ育った私は、小さい頃は学校の先生になるのが夢でした。でも、勉強は苦手で、教員試験に合格する自身がなくて(苦笑)。
高校生になったとき、教員は無理でも、「人の世話をして喜んでもらえる仕事がしたい」と考えて、介護業界に進むことにしました。地元の専門学校に通うと、2年間で卒業するときに介護福祉士の資格が取得できるのも、魅力でした。
私が学校に通っていた当時も、介護職は人手不足。学校には、当時、全国の社会福祉法人などから引き合いが来ていて、「ウチに来てくれれば奨学金を出す」と言うぐらい、売り手市場でした。
母親に、「こんな地方都市にくすぶっていないで、東京の仕事場を探しなさい」と言われていたこともあって、東京の自治体が運営する特別養護老人ホームに勤務することにし、2年間を終えて、上京したんです。
不安? なかったですね。1カ月の研修の後、5月にオープンする特養だったので、全員がスターティングメンバー。経験の深い先輩は1人だけで、ほかは全員若手。看護師さんも親切でいろいろなことを教わり、すごく勉強になる毎日でした。
勤務する特養から電車で3駅ぐらいのところの寮に住んでいたので、勤務が終わればだれかの部屋で飲んだりしゃべったりして、寂しさを感じることもなく、東京での生活を満喫していました。
異動してから、上司とギクシャクし始めた
3年後には同じ自治体が新たな特養を作ったので、そちらに異動。今度も実務経験が浅い人が多く、私の経験が一番長いぐらいでした。主任も異業種から来た人だったので、私は副主任となり、さまざまな業務を引き受け、新人教育もしました。
その2年後にはケアマネジャーの資格も取り、キャリアの点でも順調、「仕事って楽しいなぁ」という感覚だったんですよ。けれど、ちょうどその頃、フロアの異動がありました。
新しく上司になった女性は、入社当時の特養でも一緒だった方。一緒に仕事をしたことはないけれど、顔見知りだし、主任、副主任の関係も、うまくいくだろうと思ったんです。けれど、そうでもなかった…。
挨拶程度のお付き合いのときと、実際に仕事をしてみるのとでは、印象が大きく違いました。なにかこう、その上司の”介護に対する思いや理念”に、どうにも違和感があったんです。
次回は、ソリが合わない上司との間に何があったのか。リアルな状況をお伝えします。
*N・Tさんの「私が転職した理由」…1回目、
2回目、
3回目、
4回目(最終回)はこちら
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