介護業界で転職を考えている人にとって、採用側が求める人材の傾向や、採用で重視するポイントは、ぜひ事前に知っておきたいところ。そこで今回は、埼玉県で特別養護老人ホームを中心とした老人介護事業を展開している社会福祉法人 光彩会を取材。「特別養護老人ホーム みちみち伊奈中央」の施設長・吉成さんにお話を伺いました。
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社会福祉法人 光彩会
特別養護老人ホーム/デイサービスセンター/ショートステイ/訪問介護/居宅介護支援事業
埼玉県越谷市船渡2046
TEL:048-979-5381
社会福祉法人 光彩会 特別養護老人ホームみちみち 公式サイト
アットホームな雰囲気のなかで本音を引き出したい
今回は採用をテーマにお話を聞きします。まずは社会福祉法人 光彩会の採用プロセスについて。
施設長・吉成さんに、特別養護老人ホーム『みちみち伊奈中央』の実例を元にお話を伺いました。
「書類だけで選考するということはありません。履歴書に書かれた経歴だけではわからない部分があるので、必ず面接でお会いする、というのが基本プロセスです。面接の際は、できるだけ、施設長と事務長、介護主任の3名でお会いするようにしています。応募してきた方にとっても、現場のトップである主任からいろいろ話を聞けたほうが、安心だと思うからです」
面接から採用までは、通常、一週間以内で判断するとのこと。ときには、すぐにでも働きたいという希望を受けて、じゃあ、明日から…という場合もあり、応募者の都合も含めて臨機応変に対応しているそうです。
吉成さんは、面接官として、いつもどのような面接を心がけているのでしょうか?
「肩の力を抜いてもらえるような面接をこころがけています。面接というのは、私たち法人側が応募者のことを知るだけでなく、応募者に法人のこと、施設のこと、一緒に働く介護主任のことを知ってもらう場でもあると思うんです。施設の雰囲気もぜひ感じてほしいので、かしこまらずに、あえて普段どおりのアットホームな雰囲気で行っています。そんな雰囲気なので、面接なのに、お子さんの話や相談事にまで話が発展してしまうことも(笑)。そうした世間話のなかから、できるだけ本音を引き出すのが面接官の腕の見せどころです」
技術や資格より、介護職が好きという気持ちを重視
面接で重視するポイントは何でしょうか?
「人間性や人柄ですね。もちろん技術や資格は大事ですし、介護福祉士という国家資格を持っているほうが望ましいのは確かです。でも一番大切なのは、介護の仕事に対する思い。介護の仕事が好き、という気持ちですね」
では、「この方はちょっと採用は難しい」と判断されるケースは?
「介護という仕事への思いがある人でなければ、採用しません。ただ働きたい、正社員になりたい、という思いだけでは、介護の仕事は務まらないと思います」
『みちみち伊奈中央』には、認知症の方もたくさん入居しています。そこではどういう人材が求められるのでしょうか。
「先日は、1日に何度も何度もトイレに行った入居者の方がいらっしゃいました。スタッフは、毎回、笑顔でつきそいます。「いい加減にしてよ」「さっき行ったじゃない」と言ってしまう人では務まりません。入居者様に対していかにやさしい気持ちを持てるかどうかなんです。人生の最後を迎える場所として、『ここを選んで良かった』と思っていただきたい、そういう気持ちで接することができる人を採用したいと思います」
実際の面接では、求める人材かどうかをどのように判断しているのですか。
「面接の際、介護主任が案内してユニットを見学してもらいます。見学を終えた感想や質問から、介護への思いや真剣さがわかります。また経験者なら、今までどのような気持ちで介護職をやってきたのか、というのが感じ取れますね」
「どういう答えや質問をすれば合格、ということではないんですよ」と吉成さん。
「介護職は観察力がとても大事です。だから、『良かったです』というひと言で終わりにせず、自分なりに感じたこと、見て気づいたことを、しっかりこちらに伝えていただきたいと思っています」
さて次週は最終回。光彩会ではどんな人材が活躍しているのかという点からお聞きします。
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