介護業界は離職率が高いと言われていますが、実際はどのくらいの人が退職したいと考え、どのくらいが退職の意思を固めているのでしょうか?
そこで今回は、介護の職種別に、退職予定があるか尋ねた調査結果をご紹介します。
施設介護職員やヘルパーは、4割が「退職を考えたことがある」
※介護求人ナビ調べ アンケートモニター(20歳以上の男女、1030名)に対し、WEB上で調査〈クリックで拡大〉
現在、働いている介護施設を退職する予定があるか、施設介護職員、訪問ヘルパー、ケアマネジャー、サービス提供責任者、生活相談員・支援相談員などに尋ねました。
施設介護職員で最も多かったのは、「退職予定はない」(38.3%)で、約4割が現在の仕事や職場に満足しており、退職の意思がないことがわかりました。
しかし、「少し退職を考えることがある」(31.7%)、「退職を検討中」(12.1%)を合わせると、43.8%が退職を考えたことがあるという結果になりました。
「退職を決めているが職場には言っていない」(4.1%)、「退職を決め、職場には報告済」(2.5%)と、6.6%の人はすでに退職を決意しています。
生活相談員・支援相談員も同様の傾向があるようです。
40.8%が「退職予定はない」と回答していますが、「少し退職を考えることがある」(32.4%)、「退職を検討中」(7.0%)を合わせた39.4%が退職を考えたことがあると答えています。
また、「退職を決めているが職場には言っていない」「退職を決め、職場には報告済」を合わせた11.2%は、退職が決まっていると回答しました。
では、
訪問ヘルパーはどうでしょうか。
最も多かったのは「退職予定はない」(42.7%)でしたが、「少し退職を考えることがある」(28.2%)、「退職を検討中」(8.7%)という回答も約4割を占めています。
訪問ヘルパーは「わからない」(16.5%)という回答も多いのが特徴で、利用者との相性やヘルパーへの待遇面改善などにより、状況が変わってくるのではないでしょうか。
ケアマネ・サ責は「退職予定がない」が半数を占める
ケアマネジャーは52.4%が「退職予定はない」と回答しており、約半数が比較的現状に満足していることがうかがえます。
作業量も多く、精神的にもハードな仕事が多いことから、ケアマネジャーであれば一度はそのように考える人もいるかもしれません。
「退職を決めているが職場には言っていない」「退職を決め、職場には報告済」と、退職の意思を固めている人は6.4%でした。
「少し退職を考えたことがある」は22.2%、「退職を検討中」は11.1%で、3割が退職を考えたことがあると回答。
サービス提供責任者もケアマネジャーと同様に「退職予定はない」の割合が50.0%と高くなっています。
「少し退職を考えたことがある」は22.2%、「退職を検討中」は11.1%でした。
サービス提供責任者は、「退職を決め、職場にも報告済」(11.1%)の割合が高く、調査対象となった介護職の中で唯一10%を超えました。
責任ある仕事だけに、なかなか後任が見つからず、辞めたいのに辞められない人が多いことなどが考えられます。
どの職種も約半数の人が「退職予定はない」と答え、ある程度、仕事内容や職場に満足していることが分かります。
退職することをすでに決めている人が多い職種は、生活相談員・支援相談員と、サービス提供責任者という結果になりました。
また、そのほかの職種でも、3~4割が退職を考えたことがあると回答しています。
待遇や給与に満足できなかったり、仕事がきつい・思っていた仕事とギャップがあるなどの理由があるのかもしれません。
●職場別のアンケート結果はこちら
→退職を考えたことはある?~特養、有料老人ホームなど介護の職場別に質問
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