◆デイサービス(正社員) → 介護老人保健施設(派遣→正職員)
I・Uさん(女性・41歳)
●デイサービス(勤務期間:1年10カ月/年収:約300万円)
●介護老人保健施設(勤務期間:1年/年収:約420万円)
介護の仕事歴(上記以外):介護付き有料老人ホーム(正社員/2年6カ月)
保有資格:ヘルパー2級(現介護職員初任者研修)、介護福祉士
家族構成:両親、長男(中学2年生)、長女(中学3年生)
*W・Rさんの「転職 成功・失敗 体験談」…
1回目、2回目、
3回目、
4回目(最終回)はこちら
【介護老人保健施設での人間関係】驚くほど「いやな人がいない」
デイサービス時代は人間関係にとても悩みました。
同僚と合わなくてストレスを抱え、残業続きの毎日に悩まされていました。
だからこそ、人間関係が希薄で、さっと帰れる派遣職員として働こうと思ったのです。
でも、転職後の介護老人保健施設(老健)では、とても人間関係がよかった。
老人ホームでは、介護職が看護師に気を遣うことがとても多いのですが、ここの看護師さんはとてもやさしいのです。
なんでもていねいに教えてくれるので、わからないことを臆せず聞くことができます。
フロアの介護職の人たちも、心に余裕があるというか、利用者さんにも同僚にもいつもにこやかに接しています。
介護職同士、専門職同士がいい形で連携できるので、利用者さんの健康面、精神面での問題が持ち上がったときも安心です。
多職種が集まる会議もすぐに開くことができて、問題を先延ばしにすることがあまりありません。
本当に珍しいほどにいい人間関係だと思っています。
【介護老人保健施設での勤務条件】希望通りの働き方ができた
そもそも派遣の働き方を選んだのは、年子の子どもがふたりとも思春期だったので、家での時間を大事にしたかったからです。
ですがその後、同じ老健で派遣から正職員になっても、基本的な勤務条件は変わりませんでした。
基本的に土日が休み。ほかの職員の都合がどうしてもつかないときだけ、1~2カ月に一度、土曜日に出て、平日に休みます。
夜勤も生じませんし、残業もなし、という条件です。
うちの老健は夜勤明けの残業が多く、朝9時半に明けても2時間程度残業する人が多いんです。ですが、私は夜勤自体がないのでそれも関係ありません。
【介護老人保健施設での給与】デイの頃よりも、年収は100万円も上がった!
健康保険、厚生年金がついています。安心材料です。
正職員になってからは、前職のデイサービスのように、確定申告をして自分で所得税を払うなどということはなく、通常の会社員のように所得税も住民税も計算して差し引かれて、手間がありません。
給料の支払いは、派遣時代は派遣会社から、正職員になってからは、法人からの直接の支払いに変わりました。
正職員になってからは、年2回のボーナスがつくようになりました。年間4、5カ月分ぐらいです。子どもの受験や進学で何かと物入りなので、助かりますね。
年収でいうと、恐らく420万円程度になると思います。介護福祉士の資格を持っていたことで基本給もいいのだと思いますが、前職のデイサービスの頃よりも100万円程度アップする予定です。
【介護老人保健施設でのキャリアアップ】いまは昇進よりも家庭が優先
私はキャリアアップよりも、今は「早く帰れること」を優先しているので、リーダー職になることもなく、一般の介護職として勤務していこうと思っています。
介護福祉士資格を持っているので、もしキャリアアップを望むのであれば、フロアリーダーくらいにはなれると思います。現場は人手不足なので、長く勤務するつもりなら昇進は早く、ライバルはそれほど多くありません。
腰を据える覚悟で、周囲の人たちと調和しながら前向きに働けば、恐らくキャリアアップも順調でしょう。
【介護老人保健施設での研修体制】研修は必須だけど、残業とはみなされない
うちの老健は、研修も熱心に開催します。私も正職員になったので、受講必須です。
研修受講を残業とみなしてくれるところもありますが、うちの場合は、処遇には反映されません。それがちょっと不満です。
でも、社内に研修制度がないところでは、自腹で外部の研修を受けている人もいると聞きます。
そういう人よりは条件がいいですし、研修を受けることで確実に知識が広がり、利用者さんにも貢献できるのでありがたいです。
研修制度が充実しているところは、介護の質も高いといえるでしょう。
【介護福祉士の資格の必要性】取得するべきだと感じた
介護福祉士資格は、前職のデイサービスを辞める頃に取得しました。
忙しく働いていたときだったので大変でしたが、取得してよかったです。
派遣で働くなら、取得していない人と比べると時給が200~300円程度上がると、派遣会社の人から聞きました。
また施設側からすると、介護福祉士の割合が高い職場だと介護報酬が加算になるので、歓迎されます。
逆に、訪問介護事業所などは、サービス担当責任者が介護福祉士資格を持っていない場合は減算になってしまうこともあります。
介護職で働くなら、「必ず取りましょう」と言いたいくらい、介護福祉士の資格は重要だと思っています。
研修時間が多く、試験もあって大変だと感じると思いますが、勉強をすればますますスキルや知識も豊富になるので、おすすめです。
次回は、実際の仕事について語っていただきます。
<三輪 泉(ライター・社会福祉士)>
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●先輩たちの職場選びの失敗事例に学ぼう
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●○● 介護業界で転職する時の 基本ノウハウ ●○●
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