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2013年05月22日

落としちゃいけないものを持って運ぶのは大変ですか? 後編 | 「介護求人ナビ 介護転職お役立ち情報」

profile-1今回は「かかと」と「手」と「目線」。この3つのポイントに注目!
<協力 身体技法研究家 甲野陽紀氏/文・構成 佐藤大成>


こんにちは、身体技法研究家の甲野陽紀です。前回試してみた「膝を前に出さないしゃがみ込み」動作を、今回はTaneエディターと一緒にやってみましょう。

写真1 動作の中で注目したいポイントが3つあります。まずは「かかと」。しゃがみ込む動作というと、ふつうは相撲の力士がとる蹲踞(そんきょ)の姿勢のようになって、「かかとが浮いて」くるのですが、今回は逆に「浮かないようにやってみてください」とTaneエディターにお願いしたところ……

さて、どうなったでしょうか?  膝はさほど前に出ているように見えないのですが、お尻がすっと落ちてきましたね (写真a,b)。いい感じです。「かかとを浮かないように」と意識するだけで、こんなふうに膝の出方も変わってくるのです。



















写真2
さらに“援軍”があればもっといい感じになるかも、ということで、今度は「手」にも“作戦”に加わってもらうことにしましょう。手を前方に伸ばすようにしながら、しゃがみ込んでいくと……いちだんと膝の出が小さくなりました! (写真c)。

最後の注目ポイントは目線です。目線が下に向くと、上体が腰から折れるような形になって「つながりの感覚」が弱くなってしまいます。そこで、目線の意識を前方へと向けながらしゃがみ込んでみます(写真d)……こんどは体が適度に起きて、見た目にも安定感が出てきましたね。
















写真3

 感じがつかめたところで、「茶碗をのせたお盆を持った状況」での再挑戦です。 Taneエディター、前回は触れられただけでもグラリときたので、ちょっと緊張していたようですが……ご覧のとおり!(写真e~g)。もう、横からの力に戸惑うこともありませんね。

 この「膝を前に出さないしゃがみ込み」動作の要点は、膝を前に出さない動き方を心がけることによって、カラダ全体のつながり感をより強く引き出すということ。ですから、深くしゃがみ込むことにこだわらず、先に挙げた3つのポイントを意識しながら、みなさんの出来る範囲で、試してみてください。なるほど、こんな感じか!というポイントがきっと見えてくるはずです。


◆ Profile ◆
甲野陽紀(こうの•はるのり)
プロフィール
身体技法研究家。東京•多摩市生まれ。高校卒業後、「古武術介護」の提案者としても知られる武術研究家の父、甲野善紀氏の補佐役として各地の講習会などに同 行する中で、ささいな動きの違いから感覚がさまざまに変わっていくカラダの不思議さ、奥深さを改めて実感し、特定の方法やジャンルによらない独自の視点か らの身体技法の研究を始める。見る、触れる、曲げる、といった、わたしたちが日々、何気なく行っている動作からカラダを見つめ直すことで新しい感覚が生ま れていく“発見の体験”は、多くの方の共感を呼び、全国各地の講習会、講演会などで活躍中。スポーツや武術、音楽、医療、介護、運動嫌いの方のための身体 講座まで、講座のテーマは幅広く開かれており、ファン層も多彩。都内では、朝日カルチャーセンター新宿•湘南、よみうりカルチャー自由が丘などで定期的に 講習会を開催している。日々のくわしい活動はオフィシャルウエブサイトへ。
http://hkhp.p2.bindsite.jp/index.html

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