■書名:マンガでわかる 拘縮を予防・改善する介護技術
■著者:田中 義行
■マンガ:梅熊 大介
■出版社:中央法規出版
■発行年月:2020年1月
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つらさを理解し適切なケアを実践するために、わかりやすさを追求した一冊
「もし自分が何らかの理由で全身に拘縮が起こったら」「拘縮のつらさを他の人に訴えられることができなくなったら」
拘縮がある人の介護にあたる人は、このような想像をしてしまうこともあるだろう。
理学療法士ならではの拘縮ケアで知られる著者の田中さんだが、今回は、
拘縮がある人のつらさに気づいてもらいたいという強い思いから、より具体的に表現できるマンガを全編に採用したのだという。
<本書は拘縮を予防・改善するケアの技術に関して詳しく解説をしますが、まずは拘縮に関する知識を得ること、さらに拘縮のある人の感じている「つらさ」を介助する側が少しでも体感し、実感できるように工夫をしてあります。拘縮のある人の、訴えたいけれど訴えられない、「声に出せない声」を介助する側が聴くことができる(気づける)ようになるという構成になっています。この気づきがなくては、せっかくの技術も十分に活かすことができません。>
マンガで読めることで、拘縮がある人のつらさについても、またケアの技術についても、イメージがしやすいのはまちがいない。内容によっては文章での説明が必要になるが、こちらもわかりやすい言葉で、写真やイラストを効果的に使いながらまとめられているので、だれもが理解しやすいはずだ。
拘縮についての知識や技術は、次の5章にまとめられている。
第1章 拘縮の知識と基本の介助
第2章 筋性拘縮のケア―ポジショニングの方法―
第3章 神経性拘縮のケア―生活上の留意点―
第4章 疾患に応じたケア―拘縮を予防・改善する―
第5章 利用者・介護者双方の安全のために
各章ではそれぞれ、マンガで全体像をつかんだ後に、必要な知識とケアの技術を学べるように構成されている。
たとえば第1章では、
痛みを与えない関節の動かし方として、『肩関節の動かし方』と『指の開かせ方』が学べる。
『指の開かせ方』については、見開き2ページを使ってていねいに解説。イラストも豊富だ。
まずは、指の握りこみを緩めるための、肩甲骨を外側にするポジショニング。そして指を開くためには、次の6ステップに分けている。
1.両手でやさしく支える。
2.人差し指を入れて、親指を少し出す。
3.隙間に、自分の親指を深く入れると、4本の指が少しずつ開いてくる。
4.親指の付け根を、3本の指で外側へ開くように押す。何度かやさしく押すと、親指が出てくる。
5.もう一度3本の指で親指の付け根をやさしく押しながらゆっくり開くと、親指があったところに隙間ができる。
6.4本の指を同時にゆっくりと開くと、無理なく指が開いた状態となる。
拘縮がある人のケアに苦手意識のある人でも、一つずつステップを踏んでいけばできると感じられるのではないだろうか。
拘縮の基礎知識から専門的な知識までを網羅しながら、すぐに現場で活かせる実践的な1冊。
拘縮のつらさへの気づきもあるにちがいない。
著者プロフィール(引用)
田中 義行(たなか・よしゆき)さん
理学療法士。株式会社大起エンゼルヘルプ所属。上川病院勤務、江戸川医療専門学校(現東京リハビリテーション専門学校)講師、介護老人保健施設 港南あおぞら勤務を経て、現職に至る。認知症患者の身体拘束廃止活動を原点とし、現在は、障害者の身体構造・生理にかなったわかりやすい介護技術、拘縮を防ぐ介護技術を全国の研修会、講演会で伝えている。
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