キープリスト

一覧を見る

キープリストに登録されている求人はありません。

2020年10月14日

厚労省 インカム導入評価など検討 人員基準緩和には慎重論多く

介護報酬改定「人材確保」「人員基準」「現場革新」が話題に
介護報酬改定「人材確保」「人員基準」「現場革新」が話題に

 厚労省が横断的なテーマに掲げたのは「介護人材の確保・介護現場の革新」と「制度の安定性・持続可能性の確保」の2つ。
 「介護人材の確保」では、今後さらに生産年齢人口の減少が進み、介護人材の確保が困難になる中、新規人材の流入と離職防止、業務効率化をはかる観点が重要だとした。
 具体的には、▽人員配置基準等▽介護職員の処遇改善▽サービス提供体制強化加算等▽ハラスメント対策▽介護現場の革新▽文書に係る負担軽減――について現状と課題・論点を整理し、広く意見を求めた。

《現場革新》機器拡大で夜勤 加算の活用を模索

介護職員1人1日あたりの見守り時間の変化
介護職員1人1日あたりの見守り時間の変化
 介護現場の革新では、生産性向上を喫緊の課題とし「介護助手や介護ロボット、ICT等のテクノロジーの活用で介護サービスの質の向上、業務効率化を推進することが重要」と明記。18年改定で見守り機器の導入による夜勤職員配置加算の人員緩和を認めたことを踏まえ、インカムなど対象機器の拡大や、特養(地域密着型含む)と短期入所生活介護のみとしている対象事業所の拡大等について検討を促した。

 その場で同省は、介護現場革新会議が昨年度行ったパイロット事業の成果を報告。三重県で3施設が実施した「インカムの活用」では▽ハンズフリーで作業しながら連絡ができる▽一度に複数の職員とコミュニケーションできチームケアが効率化▽使い方が簡単で比較的安価なため導入のハードルが低い――などにより、利用者の見守りに割ける時間が3割増えた。

 業務効率化の取り組みそのものは概ね賛同を得られたが、「効率化で捻出した時間を専門職のケアに充てるという視点を忘れてはならない。人を減らすことが目的ではない」(石田路子・高齢社会をよくする女性の会理事)など、安易な人員基準緩和を行わないよう釘を刺す発言もみられた。

 また、機器・ICTの導入は介護報酬で評価するよりも、地域医療介護総合確保基金などの既存制度をより活用し、初期費用の支援をはかることも指摘された。

《人員基準等》育児・介護休業時の常勤扱い、医療と整合へ

育休・介護休暇中も常勤扱いに
育休・介護休暇中も常勤扱いに
 診療報酬では、常勤の者が育児や介護で休業を取得する場合、代わりに同等の資質を有する複数非常勤職員を常勤換算することで人員基準を満たすことが可能。さらに、育児・介護休業法に基づく短時間勤務制度を利用する場合、週30時間以上の勤務で常勤が認められ、常勤換算上「1」でカウントできる。委員からは、介護報酬でも同様の対応を行い離職防止に努めるべきとの意見が相次いだ。

 また、現行の人員基準については自治体で解釈が分かれる、いわゆる「ローカルルール」が発生している現状も同省は報告。例えば、各サービスの管理者は常勤・専従を基本としつつ「管理上支障がない場合、同一事業所の他職務、または同一敷地内にある他事業所等の兼務」を可能とするが、「兼務を2つまでとし、2ユニット管理者は介護業務を兼務できない」と制限を設ける自治体がある。「報酬返還等の多大なロスも出ている」(小泉立志委員・全国老人福祉施設協議会理事)など、解釈の明確化等を国が示すよう指摘がなされた。

《処遇改善》加算算定9割超 「基本報酬化」要望も

処遇改善加算はどうなる?
処遇改善加算はどうなる?
 介護職員の月平均賃金は19年度で28.8万円。5年前より3.2万円アップしているが、全産業平均(37.3万円)とは8.5万円の開きがある。

 介護職員処遇改善加算は、今年3月時点で91.7%の事業所がⅠ~Ⅲを算定。昨年10月に創設された特定介護職員等処遇改善加算はⅠ・Ⅱあわせて59.4%の事業所が算定しており、徐々にその割合を伸ばしている。

 一方、18年改定で「今後廃止予定」とされた処遇改善加算Ⅳ・Ⅴは0.7%で減少。同省は「Ⅰ~Ⅲへの移行が進んでいる」とし、委員からも次期改定時の廃止が妥当だとする意見で落ち着いた。

 ただ、同時に処遇改善加算そのものの継続に疑問を呈する声も複数。「書類業務の簡素化も必要。基本報酬への組み込みをそろそろ検討しなければならない」(今井準幸・民間介護事業推進委員会代表委員)と、業務負担の観点からも基本報酬化への提案がなされた。
<シルバー産業新聞 10月10日号>






介護業界ニュース

厚労省 インカム導入評価など検討 人員基準緩和には慎重論多く

感染対策「かかり増し費用助成」申請本格化 拡大期前に「概算払い」も

「介護が“やりがい搾取”にならないように」 審議会で厚労省にクギ

菅新総裁、全世代型社会保障改革を踏襲 介護政策の方向性も維持へ

厚労省 施設内感染時「速やかなPCR検査を」要介護者へ出張検査体制も

東京都、高齢者のインフル予防接種を無料に 補正予算案を決定

売れ筋で見る介護食トレンド やわらか食

デイ利用自粛で 「コロナフレイル」 身体機能・認知機能ともに低下

介護職の慰労金、未届けホームは対象外 厚労省 Q&A第2版公表

東京都医師会、介護施設に“PCRカー”を派遣 迅速検査へmobileチーム創設
 

この記事をシェアする

介護求人ナビ

介護求人ナビは全国で40,000件以上の介護・福祉の求人情報を掲載した、介護業界最大級の求人サイトです。訪問介護やデイサービス、グループホーム、有料老人ホーム、特別養護老人ホームなど高齢者介護の施設や、児童福祉や障害者支援に関わる施設・事業所の求人情報を多数掲載中。介護職、ヘルパー、ケアマネジャー、サービス提供責任者、ドライバーなど職種だけでなく、施設種類での検索や給与検索、土日休み・週休2日制・日勤のみ・夜勤専従・残業なしなど、こだわり条件での求人検索の機能も充実しているので、あなたにぴったりの介護求人が効率よく見つけられます。ブランク可な求人や未経験可の求人、研修制度ありの求人も掲載しているので、初めての転職でも安心!転職・就職・再就職・復職・アルバイト探しに、介護求人ナビをぜひご活用ください。

関連記事