医療従事者・介護従事者・高齢者などの優先接種に続き、職域接種での新型コロナワクチン接種が始まっています。
厚生労働省から高齢者施設向けに、ワクチン接種のミスを防止するよう、改めて通知がありました。
国に報告されたミス事例と対策を示し、注意を促しています。
新型コロナワクチン接種で一番多いミスは?
6月16日までに報告されている新型コロナワクチンの接種ミスは、139件です。
◆新型コロナワクチン接種のミス報告件数 トップ3
1位 接種間隔の間違い(31件)
2位 血液感染を起こし得る間違い(23件)
3位 不必要な接種(13件)・接種量の間違い(13件)
(参考:厚生労働省 事務連絡「新型コロナ予防接種の間違いの防止について(その2)」)
ワクチン接種のミス事例と対策
新型コロナワクチンの接種時に多いミスについて、事例と原因・背景が公表されています。
介護施設・高齢者施設の従事者だけでなく、関係の方に参考になる事例と対策です。ぜひ参考にしてください。
■ミス事例1「使用済みの注射器を再度使用してしまった」
使用済みの注射器を、未使用と間違えて接種に使用してしまったケース。
<原因>
・事故防止のため使用済み注射器にキャップを再装着したことで、使用前・使用後の注射器の見た目が区別しづらい。
・使用済み注射器と未使用注射器を入れるそれぞれのトレイが区別しづらい。
・使用後の注射器を誤って「未使用」の注射器用トレイに置いた。
・「使用済み注射器を1本ずつ廃棄」のルールが守られなかった。
・接種希望者の混雑などにより、担当者の配置などが一時的に変更になった。 など
<対策>
・開封時に外したキャップは、使用後に再装着しない。
・接種担当者の近くに廃棄容器を設置。接種後、すみやかに廃棄する。 など
■ミス事例2「希釈間違い」
使用後の注射器に誤って希釈用の生理食塩水を注入し、生理食塩水のみを接種してしまったケース。
<原因>
・開封後の「希釈前のワクチン」と「希釈後のワクチン」の見た目が区別できない。
・ワクチンの希釈・充填までの一連の作業が、途中で中断された。
・希釈済みで使用前の注射器と、使用後の注射器が、同じ作業台で扱われていた。 など
<対策>
・接種前に希釈が必要なワクチンは、必要な物品(ワクチン、希釈用生理食塩水など)を1セットにして準備する。
・希釈作業を専従とする。 など
(参考:介護保険最新情報vol.996「高齢者施設における新型コロナ予防接種の間違いの防止について」)