40代で今後のキャリアを考えたとき「スキルがなくても転職できるのか」不安に思う方もいるでしょう。
資格や経験がない場合、特におすすめなのが介護職です。本記事では、介護職を目指すメリットや注意点、転職を成功させるコツをご紹介!40代女性の転職体験談も必見です。
目次
■40代女性の転職は厳しい?
■40代女性・スキルなしでも挑戦できる仕事
・事務職
・接客業
・介護職
■40代女性・スキルなしの転職は介護職がおすすめ
・未経験や無資格から始められる
・シフトの融通が利きやすい
・長く働き続けられる
・働きながら資格取得が目指せる
・身内の介護にも活かせる
■40代女性が介護職に転職する際の注意点
・身体的に負担がかかりやすい
・年下の上司が珍しくない
■40代女性が介護職への転職を成功させるコツ
・介護職に関する情報収集をする
・未経験や資格なしOKの職場を選ぶ
・転職サポートサービスを利用する
■【転職体験談】40代女性・受付職から未経験で介護職へ!
■介護職はスキルなしからでも活躍できます
総務省の「労働力調査」によると、2023年の全国の転職者数は計328万人。
そのうち、40代女性の転職者数が著しく少ないということはなく、一概に他の年代と比べて「転職が厳しい」とは言えないでしょう。
以下は、男女・年齢別の転職者数です。
■転職者数(総数328万人)
年齢 | 15~24 | 25~34 | 35~44 | 45~54 | 55~64 | 65以上 |
女性 | 32万人 | 44万人 | 33万人 | 37万人 | 23万人 | 9万人 |
男性 | 26万人 | 38万人 | 27万人 | 20万人 | 27万人 | 13万人 |
計 | 58万人 | 82万人 | 59万人 | 57万人 | 50万人 | 22万人 |
男女合わせて見た場合、もっとも転職者が多い年齢は25~34歳で、その後64歳までは緩やかに減少傾向。
65歳以上になると、ピーク時の4分の1程度まで減っていることがわかります。
女性の場合は15~54歳までは30~40万人台で推移し、55歳以降で減少幅が大きくなり、65歳以上になると10万人を下回るという結果でした。
このデータからわかるとおり、40代女性の転職者数は、若年層(15~34歳)と比べてもあまり変わりありません。
そのため「40代での転職は厳しい」と、諦めてしまう必要はないでしょう。
ただし、転職では「これまでに培ってきたキャリア」が評価されるのも事実です。
資格のような目に見えるかたちでのスキルがない場合は、改めて自分の強みや仕事に活かせる能力を見直す必要があります。
そのうえで自分の力を発揮できる業界や、働きながらスキルを身に付けられる職種を選ぶとよいでしょう。
40代の女性がスキルなしから転職するなら、以下のような職種がおすすめです。
上記は、比較的採用の幅が広く「未経験者歓迎」の求人も見つけやすい職種です。
ここでは、40代女性がスキルなしから挑戦するのにおすすめの仕事を紹介します。
【主な仕事内容】
データ入力、書類の作成、電話・来客対応、備品管理
【勤務先】
企業、介護施設、病院、学校など
事務職といっても、一般事務、介護事務、医療事務、学校事務など、種類はさまざまです。
仕事内容は勤務先によっても異なりますが、主にデスクワークや顧客対応などを行います。
そのため、責任を持って細かな作業を遂行できる人、パソコンスキルがある人、接遇マナーが身に付いている人などは活躍しやすいです。
募集している職場の幅が広く、「未経験者歓迎」の求人も多いため、自分の強みを活かせる業界・仕事内容から選ぶとよいでしょう。
【主な仕事内容】
レジの会計、商品説明、受付業務、クレーム・問い合わせ対応
【勤務先】
飲食店、百貨店、ホテル、スーパーなど
接客業は、飲食店のホールスタッフやデパート店員、ホテルのフロントスタッフなど、多様な活躍の場があります。
人と接する仕事のため、コミュニケーションスキルに自信がある人や、お客さんのニーズをキャッチする観察力のある人に向いているでしょう。
厚生労働省の資料によると、2024年7月の「接客・給仕職業従事者」の有効求人倍率は2.89倍。
求職者よりも求人数のほうが多く、比較的採用されやすい職業だと言えます。
【主な仕事内容】
利用者さんの日常生活の支援(身体介護・生活援助)、レクリエーション
【勤務先】
介護施設、訪問介護事業所など
介護職は、介護を必要とする高齢者の生活をサポートする仕事です。
日本の高齢化率は年々上昇しており、2023年10月1日時点で29.1%を記録。(令和6年版高齢社会白書より)
それに伴い介護を必要とする人も増え、介護職は需要の高い仕事だと言えます。
また、介護職は年齢や経験に関わらず挑戦しやすい職業で、40代で活躍している方も多いです。
「令和5年度介護労働実態調査」によると、介護職員の平均年齢は46.7歳、訪問介護員は50.5歳となっています。
同調査の結果を参考に、介護職員・訪問介護員の年代別の割合を以下にまとめました。
介護職員 | 訪問介護員 | |
20歳未満 | 0.2% | 0.2% |
20代 | 8.7% | 5.9% |
30代 | 20.3% | 13.9% |
40代 | 28.2% | 25.2% |
50代 | 25.0% | 28.4% |
60代 | 14.1% | 20% |
70歳以上 | 2.5% | 5.7% |
■介護職員の年代別割合
※四捨五入の関係で合計が100にはならない
介護職員のうち最も多い年代は40代で、全体の28.2%を占めています。
40代で介護職に転職した場合、同年代の職員と一緒に働ける可能性が高いでしょう。
■訪問介護員の年代別割合
※四捨五入の関係で合計が100にはならない
訪問介護員は50代が最も多く28.4%、次いで40代が25.2%となっています。
40~60代で活躍する職員が多く、年齢を重ねても長くキャリアを積める仕事だと言えるでしょう。
40代女性がスキルなしから転職するなら、介護職が特におすすめです。
介護職を目指すメリットとしては、以下が挙げられます。
介護職は現在人手不足であり、未経験・無資格でも採用されやすい傾向にあります。
厚生労働省の資料によると、2022年度の介護職員数は約215万人で、2026年度には+25万人、2040年度には+57万人の上積みが必要となっています。
そのため、介護業界では人材の確保・育成が急務であり、未経験・無資格から働き始める人も少なくありません。
直接介護に携わったことがなくても、コミュニケーション能力や家事スキルなど、これまでに培ってきた力が活かせるのも特長です。
そのため、資格や経験がなくてもスタートしやすい仕事だと言えるでしょう。
▼無資格・未経験から転職を目指す方は、こちらの記事もチェック!
介護職は「時短勤務」や「週1日のみ」など、柔軟な働き方の選択肢があります。
例えば、デイサービスや訪問介護であれば、宿泊サービスや夜間対応のある事業所を除き、夜勤なし・日中のみのシフトで働くことが可能です。
特別養護老人ホームや有料老人ホームなど入居型の施設でも、「日勤のみ」や「夜勤専従」など自分の働きやすい時間帯で仕事を探すことができます。
少ない日数から挑戦し、慣れてきたら勤務日数を増やすというのも一つの方法です。
自分のライフスタイルに合う求人に応募するとよいでしょう。
介護職は将来性のある仕事であり、スキルを高めながら長期的に働き続けることができます。
厚生労働省の「介護保険事業状況報告」によると、2024年6月末時点の要介護(要支援)認定者数は715.5万人。
前年同月末と比べて、介護(介護予防)サービスを必要とする人が14.4万人増加しています。
2024年6月末 | 2023年6月末 | |
要介護・要支援 認定者数 |
715.5万人 | 701.1万人 |
第1号被保険者数 | 3,591万人 | 3,587万人 |
超高齢社会の日本において、介護サービスの担い手である介護職への需要は今後も高まる見込みです。
介護職は採用時に無資格であっても、働きながら資格取得を目指せます。
以下のような資格を取ると、キャリアアップにつながるためおすすめです。
・介護職員初任者研修
・介護福祉士実務者研修
・介護福祉士
・介護支援専門員(ケアマネジャー)
取得した資格に応じて「資格手当」が支給される職場が多いため、給料アップも見込めます。
「資格取得支援制度」のある事業所なら、費用やシフトの面などでバックアップしてもらえて、働きながら資格を取得しやすくなるでしょう。
年齢を重ねるにつれ、両親をはじめとする身近な人の介護について考える機会も増えるでしょう。
介護職に転職するメリットとして、仕事で培った知識や技術が身内の介護にも活かせるという点があります。
介護現場で働くと、高齢者の心身状態の変化に気づき、臨機応変に対応するスキルを身に付けることが可能です。
また、資格取得を通して専門知識を磨けば、より深くケアの仕方や介護サービスの利用方法について検討することができるでしょう。
介護の仕事では同僚の介護職以外に、ケアマネジャーや医療職とも関わるため、多職種の視点や意見を知れる点も、介護職に転職するメリットの一つだと言えます。
40代女性が介護職に転職するにあたっては複数のメリットがある一方、注意すべき点もあります。
転職後に後悔しないよう、あらかじめ注意点も押さえておきましょう。
介護の仕事では、ベッドから車椅子への移乗介助や入浴介助など、利用者さんの身体を支える場面があり、足腰に負担を感じることもあります。
また夜勤や長時間の立ち仕事は、基礎体力がなければ、疲労が溜まってしまうでしょう。
身体的負担が心配な方は、まずは週数回のパート勤務など、無理なく働ける雇用形態からスタートするのがおすすめです。
また、正しい身体の使い方(ボディメカニクス)を身に付けることで、身体的負担の軽減につながります。
我流で介助方法を覚えてしまう前に、資格講座などの研修や、先輩からのOJTを通して学ぶとよいでしょう。
介護の現場には、勤続年数の長い20代・30代も多くいます。
40代で転職した場合、介護職に限らず、管理職・施設長が自分よりも年下というケースも珍しくありません。
そのため、自分より若い上司に指示を受けて働くこともあるでしょう。
ただし実年齢が下であっても、介護業界で経験を積んできた相手からは学べることも多いはずです。
お互いに敬意をもって仕事ができるように心がけましょう。
介護職への転職を成功させるには、以下のような手段で、自分に合った職場を見つけることが大切です。
ここでは、40代女性が介護職への転職を成功させるコツを紹介します。
介護業界自体が未経験の方は、事前に介護の仕事について情報収集をしておきましょう。
例えば、一口に介護職と言っても、訪問介護や入居型の施設など、働く場所はさまざまです。
職場によって仕事内容も異なるため、あらかじめサービス形態ごとの特徴や給料事情などを把握しておくと、転職後のギャップを減らせます。
自分にとって働きやすい環境を探すためには、職場見学に行くなど、複数の職場を比較してみるのも有効です。
スキルなしから転職するなら、募集要項に「未経験歓迎」「無資格OK」といった記載がある職場を選ぶのがおすすめです。
未経験・無資格者を歓迎している職場では、人材育成のノウハウや指導環境が整っている場合が多いです。
資格の有無によってできる業務は変わってきますが、入職後に現場経験を積みながらスキルを身に付け、資格取得を目指すとよいでしょう。
転職を成功させるためには、自分のキャリアを洗い出し、活かせる強みや職業への適性を客観的に整理する必要があります。
「自分一人で考えるのは難しい」「転職の経験がなく進め方がわからない」といった場合は、プロのアドバイザーに相談できる、転職サポートサービスを活用するのも一つです。
こういったサービスを利用すると、第三者の視点でキャリアを見直すことができ、自分に合う職場を見つけやすくなります。
また、履歴書の作成や面接準備など、具体的な転職ノウハウも相談できるでしょう。
介護業界で転職をお考えの方へ
専門のアドバイザーに相談してみませんか?
実際に40代・スキルなしから介護職に転職した女性の体験談を紹介します。
「未経験から介護の仕事に挑戦したい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
下記に、インタビュー記事の内容を抜粋してまとめました。
■Mさん(40代前半・女性)
前職ではデパートの受付をしていましたが、40代になって自分の年齢を意識するように。介護職なら国家資格も取得でき、需要もあって長く続けられるだろうと思い、転職を決めました。
内定をもらった後は、初任者研修を受講しながら、週2回のパート勤務からスタート。
資格取得後は正社員になり、先輩のOJTに支えられながら、前職で身につけた接遇マナーを活かして働いています。
介護職に転職してみて、肉体的な疲労はありますが、日々成長している実感があり、充実しています。
今後の目標は介護福祉士やケアマネジャーの資格を取り、利用者さんの人生に寄り添えるような人になることです。
介護職は、スキルや経験のない状態からでも転職しやすく、40代女性が活躍できる職種です。将来性があり、働きながら資格取得もできるため、長期的なキャリア形成も目指せます。
介護職の求人は多様なため、自分に合った働き方や職場を選んで転職を成功させましょう。
「未経験OK」「シフト応相談」など
希望条件からお仕事を探してみませんか?
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