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2014年12月10日

地域密着型サービス・施設長 野間康彰さん 4 ~介護業界・注目の人 | 「介護求人ナビ 介護転職お役立ち情報」

高齢者もその他の人たちも暮らしやすい「地域」をつくることを目標にし、活動をする野間さん。最終回の今回は、高齢者の方の可能性について熱く語っていただきます。また、そのための環境づくりにも尽力し、地域、社会とのつながりを築きます。野間さんのバイタリティに、みなさんも大いに刺激を受けてください!



○●○ プロフィール ○●○

4prof野間康彰(のま・やすあき)さん/高齢者地域密着型サービス施設ゆらり大和施設長

1972年生まれ。高校卒業後、働きながら予備校に通うが進学を断念、以後5年間はフリーター的な生活を送る。23歳のときに訪問介護の仕事を始め、介護の世界に。その後、介護福祉士などの資格を取得し、いくつかの施設立ち上げや運営に関わり、神奈川県大和市の現施設「ゆらり大和」(認知症のグループホームと小規模多機能型居宅介護事業所)の管理者から施設長に。認知症当事者と走るリレーマラソン「RUN伴」の町田市から御殿場にかけての100kmを昨年、今年と2年間、主体となって担当し、支えた。

高齢者地域密着型サービス施設ゆらり大和ホームページ


お年寄りにも社会貢献ができる

ゆらり祭り&東北物産展の様子。地域の人も参加したり、お手伝いしたり、大いに賑わった。
ゆらり祭り&東北物産展の様子。地域の人も参加したり、お手伝いしたり、大いに賑わった。

――野間さんは、利用者が社会との関わりを持てるような環境づくりも実践していらっしゃるそうですね。具体的にはどのようなことですか?

お年寄りは、若い人たちに重くのしかかるものではなく、輝ける存在であってほしいと思います。高齢者の方々ご自身が、社会に存在の意義があり、社会貢献もできる存在であると、世の中からも認識される存在であってほしい。そして、実際にそうした力も持っていると思っています。

「RUN伴(らんとも)」のときには、リレーマラソンのハチマキを作ったり、応援のための横断幕を作ったりするのをお願いしています。若い頃から裁縫が得意な方はたくさんいらっしゃいます。認知症だからできない、ということではありません。

また、「ゆらり」では東北の物産展を開催し、売上を東北に寄付していますが、そのお店で販売をしてもらったり。みなさんの可能性は限りなくあります。

――職員がお世話をし、そのお世話を高齢者が受ける、という関係だけではないのですね。

介護を「受ける人」になってしまったら、受身の生活です。それはいやだな、と思いませんか?生活していれば、役割が生まれるはずです。役割があれば、受身ではない。できれば私は、この施設で「食」をテーマに地域と、社会とつながっていきたいと思っています。

うちの施設の目の前が畑なのですが、この畑の一部を借りて、野菜を作ることも考えています。野菜を育てたり収穫したり、調理することも、利用者さんにお願いしたいと思っています。「食」を通じて役割を持ち、社会とつながっていけたら、と考えているんです。
できたら、うちで農園カフェを開きたいと思っています。

――それはいったいどんなカフェですか?

自分たちで育てた野菜を収穫し、料理し、提供する。利用者様には、カフェで働いてもらってもいい。調理でもお店番でもいいと思います。店で使う食器を陶芸で作ってもらうというのもありますね。
人が集まれる場所をつくりたいんです。運営するスタッフは、職員じゃなくてもいい。近所の方でもいいわけです。気持ちのある方が集まって、利用者様もスタッフも近所の方も、食を通じてつながり、集まれればいいな、と思います。

「これからは介護職が何万人も必要」とか言いますが、だれもが人のことを考えて行動する社会になれれば、そんなことを考えなくていいですよね。

たとえば、大雪が降ったときは大変だったのですが、隣のアパートの若い人たちが率先してうちの前の雪かきもしてくださったんですよね。うれしいですよね。そこで、バザーのチケットをお礼にさしあげて、来ていただく。こんなことから、親しい関係が生まれて、住みやすい地域になっていくと思います。地域づくりとは、そんな交流の積み重ねだと思うのです。


食を通じて地域や世界とつながっていく

イベント開催時、「ゆらり大和」の事務所で遊ぶ地域の子どもたち。垣根を感じさせない親しい関係がつくられている。
イベント開催時、「ゆらり大和」の事務所で遊ぶ地域の子どもたち。垣根を感じさせない親しい関係がつくられている。

――食べることを通じると、たくさんの人とつながれますね。

「TABLE FOR TWO」という社会貢献活動があるんです。そこが提供するレシピで、利用者さんが調理をし、食べる。すると、発展途上国で給食事業を行う手助けができます。活動に参加することで、利用者様が社会貢献事業も行うことができる。また、農園カフェで配食サービスを行ってもいい。地域の人たちと「食」を通じてつながり、世界とつながっていける拠点になれればうれしいですね。

――それには、仲間も大切ですね。

はい。でもそれも、前述したように、職員だけじゃなくていい。ご近所の方でも、学生さんでも。

街で認知症かな、と思うような人を見かけることがありますよね。そういうときに声をかけられますか? なかなかかけられない人が多いですよね。でもこの間、大学生の方が声をかけているところに遭遇しました。遅い時間だったので、警察に知らせたほうがいいだろうと、携帯電話で連絡をしたそうですが、警察が来るまでの間、その大学生は、認知症のおばあちゃんの手を取って待っていたんですよね。

介護職でなくても、こんな行動を出来る人がいる。日本も捨てたものではないと思いました。

――野間さんとお話していると、高齢者のいる社会は、可能性に満ちているように感じます。

はい、可能性は無限にあります。そして、ここまで支えてくれたお年寄りへの恩返しがあるので、この仕事をやめられないんです。

“ひとりひとりがいて、この国が成り立ち、互いに支え合って生きていく” そんな社会を、つくろうよ! と呼びかけるのが、自分の使命だと思っています。

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