毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。今週は、「安いと言われる介護職の給与。他の仕事と比べて本当に安い?」という話題について紹介します。
ホームヘルパーの平均給料はいくらなの?
仕事を選ぶ際、誰もが必ず考えることは「いくらもらえるのか」ということ。介護業界はしばしば給料の安さが指摘されるが、本当に給料は低いのだろうか? ホームヘルパーを例に検証してみよう。
厚生労働省は毎年、「賃金構造基本統計調査」を行っている。これは、各産業に従事する全国の労働者の賃金構造を把握し、国の雇用・労働に係わる政策を検討する際の資料として用いられるもの。その最新のデータ(2015年度分)が2月に公開された(※)。
これによると、短時間労働者つまり、アルバイトやパートのホームヘルパーの平均年齢(男女計)は55.2歳で、平均勤続年数は5.6年。
男女別では、男性の平均年齢が50.8歳、平均勤続年数が4.4年なのに対し、女性の平均年齢は55.5歳、平均勤続年数は5.7年となっている。
そして気になる給与だが、ホームヘルパーは時給1385円(男性が1440円、女性が1381円)。
これに「1日あたりの所定内実労働時間数」の3.6時間、さらに「実労働日数」の16.5時間を掛けあわせた8万2269円が、短時間で働くホームヘルパーの平均的な月の給与という計算になる。
時給はそんなに低くはない?
ホームヘルパーの「1385円」という“時給”は、他の職業と比べてどのぐらいのレベルなのか?
同調査では100以上の職業について調査を行っているが、ホームヘルパーと概ね同程度の職業は、「営業用大型貨物自動車運転者」(1381円)、「測量技術者」(1299円)、「プログラマー」(1398円)、「准看護師」(1386円)、「社会保険労務士」(1341円)、「理容・美容師」(1323円)など。
一方、パートやアルバイトに多い職業である「スーパー店チェッカー」は912円。「給仕従事者」は952円だ。
それぞれ仕事の内容、その職業に就くまでの時間や費用、責任の重さなども異なるため、一概には比較できない。しかし、「ホームヘルパーって、言うほど給料悪くないじゃない」と思った人は多いのではないだろうか?
また、ホームヘルパーの平均年齢の高さ(55.2歳)は、年齢が高くなってからの就業が可能なことも表している。
これはあくまで全国の平均。地域や法人によっても給料は異なるため、もっと条件の悪いところもあるだろう。
しかし、巷の“風評”に騙されることなく、こういった数字を調べてみると、転職の可能性も広がりそうだ。
※「短時間労働者の職種別1時間当たり所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計、企業規模計)」
●このページでは常勤の給与も紹介 →
時間で考えると、介護職の給与は低くない?
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