毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。
今週は、
「長生きする人の条件」という話題を紹介します。
健康で長生きしたい!でもどうやって??
人が追い求める幸せには、一人ひとりに色々な価値観があるだろうが、
「健康で長生きできること」が最上の幸せ、と言う人は多いだろう。
愛知県のある介護付き有料老人ホームで働くナガイさんは、施設に務めて20年近く経つベテラン介護士。
長年、介護の現場で働く彼女は、「長生き」について気付いたことがあると言う。
高級老人ホームに住む高齢者を見てみると…
「私が働いている老人ホームは、入居時費用が最低でも1000万円以上、月額の利用料が最低でも20万円以上という、いわゆる“高級老人ホーム”。
入居者は元・大学教授、会社経営者、有名企業の役員、大地主や、そのご家族ばかりです。
我が家は典型的な庶民で、それまでの人生で“お金持ち”と触れ合う機会がなかったので、入所当時は接し方がよく分からず、勝手に『お金持ち=プライドが高いイヤな人』という偏見を持っていました」
経済的に成功していることは、僻みの対象にはなっても、非難の対象にはならないはず。映画や小説では、お金持ちが悪役として描かれることは多く、ナガイさんも漠然と“付き合いにくい人たち”と思っていたという。
入居者さんの高級な花瓶を割っちゃった!どうしよう…
高級老人ホームに入居している高齢者に対しても、『付き合いにくいかも』と考えていたナガイさんだが、それはまさに偏見だった。
「やっぱり経済的に余裕があると、心理的な余裕に繋がるものなんですね。
同僚が以前、入居者さんが部屋に飾っていた花瓶を割ってしまったことがありました。いかにも高そうな花瓶で、スタッフは泣きそうになりながら謝りましたが、その方は、
『ケガはなかったかい?』『○○さんがケガさえしていなければ、花瓶なんてどうでもいいよ』と言い、花瓶を割った同僚は感激して号泣していました」
紹介料もなしに、良い医者を紹介してくれた!
「私も、入居者さんとの雑談の中で『母が腰痛で困っている』という話をしたら、『腰痛はきちんと治さないと大変だから』と、良いお医者さんを紹介してくれ、母がその病院に行くと、『○○さんの紹介だから』と、料金も受け取ってもらえず……。
『社会的に成功する方というのは、こういうことが出来る人なんだ』と感心するとともに、その差を痛感させられました」
そう語るナガイさん。経済的に余裕があれば、健康維持にお金をかけられ、優れた医療も受けられるので、長生きする可能性は必然的に高くなるのかもしれない。
長生きする人にはある特徴が!
一方で、ナガイさんは20年近くの介護士としてのキャリアから、「長生きする人の共通点」が漠然と見えてきたという。
「ウチの施設は居室が約30部屋、定員が約40人ですが、100歳以上の方が5人いて、最高齢は104歳です。最高齢の方は女性ですが、介助があれば歩けますし、認知症でもありません。
私の印象だと、
長生きする人はいつもニコニコしていますね。いつもニコニコと朗らかでいるから長生きができるのか、健康で長生きしているからニコニコしていられるのかは分かりませんが、あまり細かいことにこだわらず、社交的で、良い意味でマイペースな人が長生きしている印象があります。
もとからの性格もあると思いますが、生活がきゅうきゅうしていないことは、無関係ではないような気がします。
私は今からお金持ちになるのは無理そうですが、ニコニコするぐらいなら出来そうなので、実践していこうと思っています」
笑顔は一番簡単な健康法!
日本には“泣いて暮らすも一生、笑って暮らすも一生”という言葉があるが、笑って暮らすと長生きできるのなら、こんな素敵なことはないはず。科学的根拠は一切ない説ではあるが、ナガイさんは家族や友人にもこの“健康法”を勧めており、「確かに長生きできそうだね」と、賛同を得られているそうだ。