毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。今週は、
「東京五輪が楽しみな高齢者」という話題を紹介します。
100歳以上の高齢者は7万人以上!
1963年にはわずか153人しかいなかった100歳以上のお年寄りは、その後およそ50年間で激増し、2012年には統計上5万人を突破。
2019年の「老人の日」には、37,006人の高齢者が新たに100歳になったとして「百歳高齢者表彰」の表彰を受け、現在100歳以上の高齢者は7万人を超えている。
寿命が伸びたことは、手放しで喜ぶべきことだが、親が100歳を迎えようという年齢になれば、子供側にはそれなりの備えが必要となりそうなもの。しかし関東地方に住むAさんは、施設に入居した母親のもとを久々に訪れた際、そんな備えや覚悟を粉々に打ち砕かれたという。
自力で歩行は困難だけど、頭も体も元気いっぱい!
Aさんの母親は、大正生まれの今年99歳。90代半ばまでは買い物にも自分で行っていたが、ここ1~2年で足腰が“歳相応”に弱り、歩行器を使わないと自力で歩くことができなくなったため、Aさんは母親を介護施設に預けることにした。
しかし、頭がハッキリしていて会話には何ら問題が無い上に、歯や内臓などにも特に問題のないAさんの母親。先日久々に施設に出向いた際、Aさんは母親から外出をねだられ、2人で和食のお店へ行くと、母は昼の定食をペロリと平らげた挙句、「少し足りないけど……このぐらいにしとくわね」と言ったという。
大正生まれの高齢者。元気の秘訣は?
Aさんが聞き出した所によると、母親は施設暮しにいち早く馴染むために、書道や手芸、歌唱、俳句など、施設のあらゆるレクリエーションに参加しており、それが良い刺激となって、以前よりも体調が良いのだそう。
しかも、もともと夜型だった母は、施設が定める消灯・起床時間に合わせて生活することで、食欲も増しているのだという。
オリンピックが楽しみで長生き?!
そして特にAさんが驚いたのは、母親と東京五輪の話題になった時のこと。
新型コロナウイルスの影響で開催が1年延期となった東京五輪。東京五輪開催時には、母親の年齢は100歳を超えているため、Aさんは「その頃には母は……」という“邪念”が頭をよぎったのだが、母親はあっさりと「延期になるなんて残念だわ。来年が楽しみね~」と言ったのだとか。
「母は本気でオリンピックを見る気だ」と思ったAさんはその夜、兄弟に「うちの母は当分心配なさそうよ」と連絡したそうだ。
公開日:2014/5/26
最終更新日:2020/8/2