介護業界で転職を考えている人にとって、事業者が求める人材の傾向や採用担当者が見るポイントは、ぜひ知っておきたいこと。
そこで今回は、東京、神奈川を中心に有料老人ホームの運営をはじめとする介護事業を積極的に展開している株式会社フィルケアの総務部課長・住吉正幸さんにお話を伺いました。
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介護のスキルを学ぶ基礎研修の様子。全体のスキルアップをめざし、今後は月1回のペースで実施していく予定とのこと。
○●○ インフォメーション ○●○
株式会社フィルケア
有料老人ホームの運営/有料老人ホームの企画、設計、施工、経営
神奈川県横浜市緑区中山町219 ル・チードビル5階
TEL:045-937-1205
フィルケア 公式サイト
ビジネスマナーを身につけるための社外研修も
株式会社フィルケアが人材育成のために取り組んでいることの一つに、研修制度があります。会社の理念を理解してもらうことを目的とした入社時研修のほか、介護技術の基礎研修が定期的に行われています。特にフィルケアらしさが出ているのは、社外研修でしょう。社外研修は介護にとらわれず、挨拶や言葉遣いをはじめ、ビジネスマナーや基本のビジネススキルを学ぶための講習です。全職員を対象に、それぞれのステージに合わせ、年2回ほどの割合で受講してもらっているとのこと。
社外研修という形でビジネスマナーの習得に力を入れている理由はなんでしょうか?
「介護という仕事は接客業だからです。ご利用者様の中には、企業のトップだった方や学校の先生をされていた方もいらっしゃいます。一般的に、社会で高いステータスを得ていた方たちは、基本的なビジネスマナーに敏感です。そうした方たちも含め、利用するすべての方に気持ちよく過ごしていただくためには、スタッフ側も最低限のビジネスマナーを身につけて対応すべきではないでしょうか。そのために弊社では、介護の技術を学ぶだけでなく、ビジネススキルを学ぶ外部研修にも力を入れているのです」(住吉さん)
現場を支える職員たちこそがまさに会社の宝
フィルケアでは、各期ごとにキックオフ・ミーティングを開き、各期の決意表明や年度ごとのMVPの表彰などを行っています。そうした場に、管理者だけでなく、現場の中核を担う職員をできるだけ多く参加させようという取り組みをしているそうです。
「会社の目標や方針は、施設長さえ知っていればいいというものではありません。会社がめざす方向性を、現場のリーダーや主任、あるいは会社のこれからを支える中堅の介護スタッフたちにも共有してもらいたいのです。年度初めには、各施設長に今後一年間の活躍が期待される職員を推薦してもらい、彼らにも参加してもらっています。会社の一員としての一体感が生まれ、職員のモチベーションや働く原動力につながればいいと思っています」(住吉さん)
人事評価のひとつとして、表彰という形にも一工夫しているそうですね。
「弊社には『ありがとうカード』という制度があります。人に何かしてもらって感謝したときなどに書くもので、内容は些細なことでも構わないんです。そして、その『ありがとうカード』を最も多くもらった人と、最も多く書いた人たちを表彰しています。最も多くもらった人というのは、それだけ人に感謝される仕事をしていた人。そして最も多く書いた人というのは、“人に支えてもらっている”ことを自覚できている人です。いわば、気づける人。自分についてだけでなく、ご利用者様に対しても気づきが多い人だと思います。そういう人にもスポットを当て、表彰できるシステムを作っているのです」(住吉さん)
さまざまな視点から現場で頑張っている人を評価し、大切にしようという会社の思いが職員に伝わることで、全体のモチベーションUPにつながっているのだと感じました。
さて、次回はいよいよ本題に迫っていきます。フィルケアが求める人物像や採用のプロセスなど、採用をテーマに、引き続き住吉正幸さんにお話を伺います。
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