介護業界で転職を考えている人にとって、事業者が求める人材の傾向や採用担当者が見るポイントは、ぜひ知っておきたいこと。
そこで今回は、東京、神奈川を中心に有料老人ホームの運営をはじめとする介護事業を積極的に展開している株式会社フィルケアの総務部課長・住吉正幸さんにお話を伺いました。
*この記事の1回目、2回目、3回目、4回目(最終回)はこちら
「子どもが将来なりたい職業として介護職が上位ランキングされるようにしたい。そのためにも、やりがいをもっと伝えていかなくては」と、住吉さんは熱く語ってくださいました。
○●○ インフォメーション ○●○
株式会社フィルケア
有料老人ホームの運営/有料老人ホームの企画、設計、施工、経営
神奈川県横浜市緑区中山町219 ル・チードビル5階
TEL:045-937-1205
フィルケア 公式サイト
人と接するのが苦手でも、スキルは後からついてくる
今回はズバリ、採用基準がテーマ。まず、株式会社フィルケアではどんな人材を求めているのかを住吉さんに聞きました。
「第一に“人と接するのが好きな人”ですね。人と接するのが苦になる人は、介護の仕事は難しいでしょう。でも、“人と接するのが苦手”でも構わないんです。《嫌い》と《苦手》では違いますから。私たちはけっして“話が上手な人”がほしいわけではありません。たどたどしい話し方でも、一生懸命コミュニケーションをとろうという思いはちゃんとご利用者様に伝わるものです。それに、最初は話すのが苦手だった人も、ご利用者様と接しているうちにどんどんスキルは上がってきます」(住吉さん)
コミュニケーションのスキルは後からついてくる。「大事なのは誠実に対応することだ」と住吉さんは言います。
「結局、ご利用者様に嘘をつかない人、ということだと思います。不器用でも誠実に答えを返したり、ちゃんと受け止めたり、真正面から人と向き合うことができる人であれば、コミュニケーションスキルは問いません。」(住吉さん)
さらに、フィルケアで活躍するにはどういうタイプの人が向いているのか伺いました。
「弊社は、ざっくばらんで自由闊達に意見が言える社風だと言いましたが、見方を変えれば、変化を厭わない会社でもある。そのためか、弊社で活躍している人材を見ると、変化に対して柔軟な方が多い気がしますね。かといって、変化を好む人間ばかり集まってしまうのも困る(笑)。冷静に状況を見る人、変わることの怖さを知っている人がいることも重要だと考えています。これからも、時代に合わせて変化が求められることがあるでしょう。そのときに一緒に考えてくれる人材がとても大切なのです。そういう人にぜひ働いてもらいたいと思っています」(住吉さん)
書類より面接。目の前にいる本人が履歴書だから
フィルケアでは、応募から採用までのプロセスは「基本的に面接のみ」という方針をとっています。
「履歴書は提出していただきますが、書類選考という形は行っていません。書類よりも、面接の場でお会いしたご本人を重視させていただきたいからです。“ご本人こそが履歴書”ですから。私自身、前職で施設長を務めていたときに何度も採用面接をする機会がありましたが、正直なところ、実際にお会いしてみないと人物像はわからないというのが実感でした」(住吉さん)
応募すると、希望の施設や拠点で面談の日程を調整し、施設長による面接、採用・不採用の判定という流れになります。採用までのスケジュールで特に留意している点は、「お待たせしないこと」だと住吉さんは言います。応募者へのレスポンスは、基本的に一両日中には返すようにしているとのこと。早ければ一週間ほどで内定の運びとなるそう。求職者にとって採用までのスピード感はうれしいはずです。
「求職者の立場で考えると、レスポンスが返ってこないのは不安だと思います。ですから一日も早くレスポンスはお返ししたい。求職者のみなさんは、ご縁があればこれから一緒に働いていただく方たち。採用のプロセスは、一緒に働くパートナーとして最初の信頼関係を作るきっかけだと思っています。一方的にこちらが選ぶわけではありません。選び、選ばれという関係だと考えています」(住吉さん)
住吉さんは「面接は、未来のパートナーに会社の理念を知ってもらう機会でもある」と言います。では、面接を受ける側は、どのようなことをアピールすれば良いのでしょうか。
次回は最終回ということで、「採用で重視しているポイント」から「採用したいと思う人、採用したくないと思う人」まで、ぐいっと核心に迫っていきたいと思います。
*この記事の
1回目、2回目、3回目、4回目(最終回)はこちら
●○● 介護業界で転職する時の 基本ノウハウ ●○●
介護求人ナビの求人数は業界最大級! エリア・職種・事業所の種類など、さまざまな条件で検索できます