仕事で悩んだ時やトラブルが起きた時、頼りになるのが上司。
でも、その上司が信頼できない人だった場合、より大きなストレスを抱え込んでしまうことも…。また、その上司がトラブルの原因になってしまうこともあるようです。
ここでは、上司との関係に悩む先輩の転職失敗談を、介護求人ナビ編集部からのアドバイス付きでご紹介。せっかくの転職を失敗に終わらせないためにも、ぜひ参考にしてください!
〈事例1〉上司に叱られるのは私ばかり…。もしかして私、上司に嫌われているの?
21歳/女性/ヒサコ
訪問介護から介護施設に転職。施設の仕事は楽しいのですが、上司との人間関係で悩んでいます。
他のスタッフと同じことをしていても、注意されるのは私だけ。怒られてばかりの毎日にまいっています。しかも、上司が悩みの原因なので相談する相手もいません。
私が上司に嫌われているのでしょうか?ツラくて、また転職したくなっています。
《アドバイス》
まず、どうしてあなただけが注意されるのか、客観的に考えてみましょう。
あなたが他の人と同じことをしていると思っていても、実は大切なポイントを見落としているのかもしれません。
また、上司は転職したばかりのあなたを、心配して見ているのかもしれません。実は他のスタッフも、あなたの見えないところで注意されている可能性もあります。
原因が分からないまま転職しても、次の職場で同じことが起きるかもしれません。あなた自身、このまま逃げてしまうのは納得がいかないのではないでしょうか。
周囲のスタッフ何人かに、「なぜ私だけが注意されるんだろう?」と、聞いてみてはいかがでしょうか。
第三者の視点から見れば、あなたが気づかなかったことが見えてくるはずです。
その上で、上司の態度は正当ではない・いじめを受けていると感じた場合は、パワーハラスメント(パワハラ)を受けている可能性もあります。
上司のさらに上の上司や、人事担当、職場のパワーハラスメントに関する相談機関に連絡してみましょう。
→ 職場のパワーハラスメント(パワハラ)に関連する相談機関一覧<厚生労働省>
なお、周囲の人に相談する時も、専門の相談機関に相談する時も、あなた自身が感情的にならないことが重要です。「どんな時、どういったことを言われたか」を、具体的に伝えましょう。
〈事例2〉忙しいからと何も教えてくれない上司にイライラ。関係もギクシャクしています
36歳/女性/ミカサ
生活援助が中心の登録ヘルパーを3年していました。施設に転職し、研修なしのまま一人で現場に入ることになりましたが、身体介護には慣れていないし、認知症の利用者さんへのケアも自信がなくて…。
分からないことも多く、上司に質問しても「だいたいでいいから」など、あやふやな返事ばかり。それでもしつこく質問していたら、関係がギクシャクしてしまって…。
このままじゃ不安だし、もし事故が起きたらと思うと怖いです。
《アドバイス》
「OJT(On the Job Training)」や「習うより慣れろ」という言葉をよく聞きますね。知識として教わるよりも、自分で体験した方が習得が早いもの。
人手不足という理由に限らず、他の業界でも、入社後、すぐに“独り立ち”させるケースは少なくありません。
特に介護業界は慢性的な人手不足の問題もあります。介護職経験者を採用する場合、即戦力として期待する事業者も多いようです。
とは言え、リスクのある独り立ちは禁物。ミスが利用者の危険につながることもあります。
あなたが大きな不安を感じながら仕事を続けることは問題です。
「○○の知識がないので不安を感じている」「利用者のケアに悪影響が出る可能性がある」ことを、上司にはっきりと伝えましょう。上司は、あなたにどれくらいのスキルがあるのか、何に不安を感じているのかをわかっていない可能性があります。
経験者の「経験の程度」はさまざま、「習得のスピード」もさまざまです。
上司は、あなたに必要以上に期待しすぎてしまっているのかもしれませんね。
できないことをはっきりと伝えて、あやふやにしないことも、仕事をする上でとても大切ですよね。正しく伝えることで、教育担当をつけてもらったり、追加で研修を受けるなどの対応をしてもらえるかもしれません。
もしきちんと状況を伝えても状況が変わらないのなら、上司は介護スタッフや利用者を大切にしていないということにもなります。転職を考えることも一つの方法かもしれません。
もし転職先を探す時は、入職時の研修はもちろん、入職後の教育体制についても確認することをおすすめします。
新人スタッフが安心して現場に入れるよう、入職後も定期的に研修を行ったり、研修期間を設けている事業者もあります。また、指導担当のスタッフと相談しながら独り立ちの時期を決めるというルールを導入している職場もあります。
指導体制・教育制度が充実しているか、という視点で職場を選んでみてはいかがでしょうか。
そしてもう一つ、面接では自分のスキルや経験を正しく伝えることも重要です。自分をよく見せようと大げさに言ったり、できないことをできると伝えてしまうのは、言うまでもなく厳禁。
実際に仕事をはじめてから、周囲の期待と自分の実力のギャップに苦しむことになります。
また大げさに言わないまでも詳細を伝えないことで、勘違いをさせてしまう場合もあります。
たとえば今回のケースでは、面接官が「経験3年の介護職ならこれくらいできるのが普通だから…」など、と思い込んでしまったのかもしれません。
自分の経験やスキルが人からどう見えるか、他の人と比較し意識してみるといいでしょう。
〈事例3〉利用者さんの前でも、かまわず怒鳴り散らす上司。もうストレスが限界!
30歳/男性/しょうた
未経験から老人ホームの介護職に転職しました。慣れないながらも、一生懸命に仕事をしているのですが、上司に怒られることが多くて…。
上司は利用者さんの前でも、おかまいなしで僕を怒鳴ります。注意したいなら、普通に言ってくれればいいのに。
ひんぱんに怒鳴られることがストレスになっています。
《アドバイス》
未経験者のあなたに注意することも上司の役割の一つですが、「怒鳴る」というのは問題があります。
特に利用者の前でスタッフを怒鳴るのは、あってはならないこと。利用者を不愉快にさせるだけでなく、不安を与えてしまいます。また「私のせいでスタッフが怒られている」と感じてしまうかもしれません。
上司に対し、周囲のスタッフから「利用者が怖がっているので、やめた方がいい」とやんわり伝えてもらうか、あなた本人が上司に直接言ってみてはいかがでしょうか。
それらが難しい場合は、さらにその上の上司に報告した方がいいでしょう。
一方で、どういった時に怒鳴られたのか、あなた自身が振り返ることも重要です。
例えば、あなたが気づかないうちに、危険なケアをしていたなら、上司の対応も当然です。一刻も早くあなたの行動を止めるためなら、大声を出すこともやむを得なかったでしょう。
正当な理由もなく、日常的に怒鳴っている上司で、かつ変わる兆しもないのであれば、別の対策が必要です。
まず、他のスタッフも怒鳴られていないか、どんな時に怒鳴るのか、まわりに聞いてみましょう。
その上で上司に問題があると感じた場合は、上司のさらに上の上司や、人事担当、パワーハラスメントの相談機関に連絡することをおすすめします。
上司とのトラブルは、相談できる相手が見つかりにくいことも難しさの一つです。特に、上司=経営者だと、逃げ場がないのが現実とも言えます。
しかし上司が、あなたと同じように従業員の立場であれば、上司にもさらに上司がいます。その立場から見ると視点も変わってきます。「両者の言い分を聞いた上で指導する」、「より向いた職場に異動を促す」などの、対応策もあるでしょう。
自分だけで抱え込まず、周囲にも相談しながら解決方法を考えてみましょう。
そして、考えるだけ考え、やるだけのことをやった上で状況が変わらないのであれば、あなた自信も新しい一歩を踏み出すために、すっきりと転職することをおすすめします。
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