介護を必要としている人と、介護サービスなどを結びつける重要な役割を担うケアマネジャー。試験や研修をクリアして、念願のケアマネ職に就いたけど、想像と違う状況に戸惑う人も…。
そこで今回は、ケアマネとして転職した先輩の失敗談を、介護求人ナビ編集部からのアドバイス付きでご紹介。せっかくの転職を失敗に終わらせないためにも、ぜひ参考にしてください!
《事例1》介護職からケアマネになったのに、給与がダウンだなんて…!
35歳/男性/マサノリ
以前は、老人ホームで夜勤ありの介護職をしていました。できれば夜勤がない仕事がしたいと思ったのと、キャリアアップと給与アップにも期待して、ケアマネジャーの資格を取得。そして施設のケアマネジャーに転職しました。しかし実際に働いてみると、以前より給与がダウンしてしまったんです。えっ、どうして?って感じ。ケアマネの仕事にやりがいは感じているけれど、給与は完全に期待はずれ。この転職、失敗だったかな。
《アドバイス》
基本給が高いからといっても、実際にもらえる給与額が多いとは限りません。夜勤が多い介護職だった前職では、基本給に夜勤手当もついていたはず。その結果、実際の手取りが多かったのではないでしょうか。
転職する際、待遇面を確認するときには、基本給だけで判断するのではなく、手当てなどを含めた給与額から『年収』を計算してみることが大切なのです。
収入アップを期待してケアマネにキャリアアップしたのに、期待が外れてがっかり…という気持ちは理解できます。しかし、まだ転職したばかり。毎月の給与が予想より少なかったからといって、すぐに転職が失敗だったと考えるのは早すぎます。もう少し長いスパンで考えてみましょう。
たとえば、賞与(ボーナス)です。賞与は基本給の○ヵ月分という形で計算されるので、基本給が高い現在のほうが多く支給される可能性があります。あるいは、残業代はどうでしょうか。今後は繁忙期などに残業が増えることも考えられます。そうすると最終的には、シフト制で残業が少なかった前職の老人ホームでの介護職時代より、収入が上回ってくるかもしれません。
そうしたトータルでの年収をふまえて、現在の職場で続けるか、他の転職先を検討するのかを検討してみることをオススメします。
また、収入以外の判断ポイントも忘れてはいけません。今後ケアマネという仕事で活躍するために、どう経験を積んでいくかという将来性も考慮して検討するべきでしょう。
《事例2》20代でケアマネを取得。しかし、いきなり壁にぶつかりツライ…
29歳/女性/まり子
新卒で介護の道へ。老人ホームの介護職として実務経験を積み、昨年、ケアマネ試験に合格。20代のうちに、念願の居宅介護事業所のケアマネに転職できました。ところが転職してみると、私以外のケアマネは40代か50代。もちろん、介護経験も人生経験も豊富な人ばかり。なんだか圧倒されてしまいます。業務も今の自分には難しく、すぐに壁にぶつかりました。「早くケアマネになろう」とあせって転職したことを後悔しています。
《アドバイス》
居宅のケアマネは、ケアプランの策定や各利用者のモニタリングなど、さまざまなことを自分で決めなければいけません。スケジュール管理も自分で行います。さらに利用者や家族に寄り添い、その思いを汲みとることが大切な仕事。したがって、人生経験や人としての引き出しがたくさんあったほうがプラスになるでしょう。そうした人生経験は、資格の勉強をしたからといって身につけられるものではありません。
あなたはケアマネとしてはまだ新人。前職の介護職とは仕事内容も立場も違いますし、戸惑うのも当然です。
しかし、あなたの周りには介護経験や人生経験が豊富な先輩ケアマネがいるとのこと。それは大きなメリットです。自分の経験値の少なさに自信を失っているようですが、逆に、その若さを活かしてみてはいかがですか。先輩の胸を借りるつもりで、積極的に学ぶ姿勢を見せれば、その頑張りに先輩たちも応えてくれるはずです。
あるいは、介護職として働き慣れた老人ホームのケアマネに転職するという選択肢もあります。今までの介護職としての実務経験を活かせる部分が多いでしょう。ただその際も、あなたを指導してくれる人がいないと不安があるかもしれません。できれば、ケアマネが2人以上いる規模の大きな老人ホームや、ホーム長がケアマネ経験者という環境を選ぶと良いでしょう。
また、資格はあっても、まだケアマネとして仕事をしていく準備ができていないと感じたならば、いったん方向転換をするのもアリです。もういちど介護職として働き、ケアマネになるための経験を積むのもよいと思います。もし居宅のケアマネにこだわるのなら、訪問介護のヘルパーとして働いてみるのもオススメです。訪問介護の流れもつかめますし、居宅ケアマネの仕事や、居宅のケアプラン内容をヘルパーの立場で見て、学ぶこともできます。
社会の高齢化がどんどん進み、今後も居宅ケアマネのニーズは高まることが予想されます。一方で、ケアマネ試験はルールが変更になり、ケアマネを目指す人にとってハードルはどんどん高くなってきています。より高いスキルを持ったケアマネが必要とされている、ということでしょう。(
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せっかくケアマネをめざして頑張ってきたわけですし、この機会に、自分はケアマネとしてどう活躍したいのかを考えてみましょう。そうすれば、これからどう行動していけば良いかが見えてくるかもしれません。
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