離職率が高いといわれる介護職。介護施設や訪問介護など、転職先として検討しているところはどの程度の定着率なのか気になりませんか?
そこで、特別養護老人ホームや介護付き有料老人ホーム、訪問介護などに勤務している人を対象に、退職の予定を尋ねました。今回は、職場別の結果をご紹介します。
特別養護老人ホームは半分が「退職予定なし」
※ 介護求人ナビ調べ アンケートモニター(20歳以上の男女、1030名)に対し、WEB上で調査
介護業界の転職経験者に、
「現在の職場の退職予定」について尋ねました。
特別養護老人ホームで最も多かったのは「退職予定はない」(51.4%)でした。半数以上は退職を検討することなく、今の職場に満足していることがわかります。
しかし、「少し退職を考えることがある」(27.5%)、「退職を検討中」(8.5%)を合わせると4割弱で、条件のよい職場が見つかるなどの状況次第により、退職する可能性があることがわかりました。
一方、「退職を決めているが職場には言っていない」と「退職を決め、職場にも報告済」を合わせた、退職を決めている人の割合は、2.8%に留まっています。
介護付き有料老人ホームの場合は、40.8%が「退職予定はない」と回答しています。
特養と比べると、「退職を検討中」と回答した割合が19.7%と高く、「少し退職を考えることがある」(19.7%)と合わせると、約4割の人が退職を考えていることがわかりました。
退職を決めている人は9.8%で全体の約1割。特養よりも約3倍、多くなっています。
訪問介護も「退職予定はない」(46.8%)が最も多い回答となっています。
「退職予定はない」と回答した割合は、他の職場と比べると若干高く、職場に対する満足度はおおむね高めであることがわかりました。
「少し退職を考えることがある」(24.3%)、「わからない」(11.7%)、「退職を検討中」(10.8%)と続いています。
グループホームは約6割が「退職を検討したことがある」
デイサービス・デイケアは、どうなっているのでしょうか。この職場で特徴的なのは、「わからない」(16.1%)という回答が、他の職場よりも多いことです。
最も多い回答は「退職予定はない」(42.3%)ですが、状況によっては「わからない」と回答した人が退職を検討するようになる可能性もあります。
退職を決めているという回答も8.1%で、他の職場よりも若干高めとなっています。
続いて
グループホームを見てみましょう。グループホームが他の職場と最も違う点は、「少し退職を考えることがある」(41.3%)という回答が多いことです。
「退職を検討中」(22.2%)を合わせると、約6割の人が退職を考えた経験があることがわかりました。
「退職予定はない」という回答は23.8%と他の職場よりも低く、現状に満足していない人が多いことがうかがえます。
退職を決めている人が多いのは「住宅型有料・サ高住・シニアマンション」
「退職予定はない」という回答が最も多かった職場は
居宅介護支援事業所でした。59.3%とおよそ6割が現状に満足しているようです。
一方、退職を決めているという回答が多かったのは
住宅型有料・サ高住・シニアマンションでした(10.5%)。「退職を決め、職場にも報告済」という割合は7.0%と、他の職場よりも突出して多くなっています。
この3つはそれぞれ職場の種類が違うので一概には言えませんが、職場に報告済だけれども、後任が見つからないため退職できない、などの理由があるかもしれません。
今回のアンケートでは、グループホームを除き、「退職予定はない」と回答した人が多い結果となりました。しかし、「少し退職を考えることがある」「退職を検討中」という、潜在層も3~6割程度見られ、スタッフの定着はいずれの職場でも課題であることがわかりました。
●職種別のアンケート結果はこちら
→退職予定はありますか?~施設職員、訪問ヘルパーなど介護の職種別に質問
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