◆デイサービス(送迎ドライバー・生活相談員)→デイサービス(生活相談員)
K・Eさん(女性・35歳)
●デイサービス(送迎ドライバー・生活相談員)(勤務期間:2年半/時給1000円)
●デイサービス(生活相談員)(勤務期間:2年/時給1500円)
介護業界以外でのその他経験:雑貨販売会社、個人営業の販売促進専門員
保有資格:社会福祉主事任用資格
家族構成:夫、長男
*K・Eさんの「転職 成功・失敗 体験談」…
1回目、2回目、
3回目、
4回目(最終回)はこちら
【介護現場の楽しさを実感】週1・時短のパート勤務からフルタイムパートへ
子育てしながらの時短勤務でもデイの仕事が楽しい!
デイサービスのドライバーの仕事は楽しくて、「小さい子どもがいるのに働かせてもらえて、仕事を楽しませてもらえてありがたい」という気持ちで働き続けていました。
このデイサービスの周辺は交通の便がよく、普段から自家用車を運転している人はあまり多くなかったので、私のように運転が苦にならない人は珍しかったようです。
それで、運転ができる人がなかなか見つからなくて、ドライバーだけでもできる人を探していた、ということでした。
子どもは保育所には預けずに働き始めたので、子どもの面倒をみるのは母に助けてもらいました。
母は訪問介護の登録ヘルパーなので、時間を調整して、私が仕事をすることを応援してくれました。
週1日から始めたドライバーの仕事は、半年も経たないうちに週3日の勤務になっていました。
デイサービスのドライバーとして働き始めて2年目には、近所の小さな保育所に、一時保育で子どもを預けることにしました。
私の住んでいる自治体では、未就学児の子どもを持つ親には子育て応援券というクーポンが配られ、そのクーポン券で近隣の保育所の一時保育を利用することができたんです。
母の協力と一時保育に助けられながら、2年目からは週4日働くことになりました。
午前中は一時保育に子どもを預けて、午後からは早めに仕事を切り上げた母に面倒をみてもらったり、その反対だったり、なんとかやりくりしながら、仕事を続けていました。
それも、仕事が楽しかったからです。
管理者の方も2年目からは時給を1000円に上げてくれました。
「社会福祉主事任用資格」を活かしてドライバーと生活相談員を兼務
さらに、息子が幼稚園に通うようになって手が離れる時間が長くなり、もっと長い時間仕事ができるようになるなと思っていたところで、管理者の方から「もう少し長い時間働いてくれない?そういえば履歴書をもらっていなかったから一度提出してね」と打診されました。
そのとき、私の学歴を見た管理者の方に「社会福祉主事任用資格を持っているんじゃない?」と指摘されたのです。
自分が「社会福祉主事任用資格」を持っているという自覚はまったくなく、びっくりしたのですが、よく調べてみると、大学で履修した科目の中に、履修を修了すれば「社会福祉主事任用資格」を得られる科目が含まれていたのです。
「この資格があれば、生活相談員にもなれるのよ。ドライバーだけでなく、デイサービスの中の仕事も手伝ってほしいわ」と言われました。
そして、ついにドライバー兼生活相談員として、13時まで半日の時短勤務ですが、週に5日の常勤スタッフとして働くことになりました。
さらに翌年には、幼稚園の放課後預かりの枠があいたので、子どもを預けて8時半から17時半まで勤務することに。
ついに、自分も「介護の現場で働くようになった」と感じるようになりました。
【上司への不満】次第に自分に対する扱いが変わってくる
勤務時間が増えてから評価が厳しく
週1日のパートから始めてフルタイムの常勤職員へ。
自分でも驚くほど介護の仕事にのめりこんでいきました。
ずっとこの仕事に携わりたいと思う私の気持ちを受け止めるように、管理者の方も私に対して期待し、仕事を増やしてくれました。
躊躇しながら始めた仕事でしたが、やってよかったとしみじみ思っていました。
しかし、フルタイムの職員になってから、管理者の方の態度がだんだん変わってきたんです。
管理者の方が変わったというより、今までパート勤務・時短勤務では見えていなかったところが見えてきたのかもしれません。
辞めてしまいそうなスタッフにはとても気を遣うけれど、辞めないと思ったら、急にあたりがきつくなる。
ちょっとしたことでも注意をするし、陰で悪口を言っているのも聞こえてきました。
私に対しても、「来てくれてありがたいわ」と言っていたのはドライバーだけをしていた頃で、デイサービスの中で働くようになると、あれこれ細かく注文をつけられるようになりました。
また、子どもが急に病気になって休むときなどには、私には「いいのよ、子どもが熱を出すのはあたりまえだもの」と言いながら、陰で「本当に困るのよね、子持ちは」と言っているというのもわかってきました。
突然の管理者の理不尽な怒りに触れて
ある日、管理者の方に指示されたことがうまく消化できないことがありました。
その日は利用者さんが多い日でちょっとしたトラブルもあり、利用者さんの安全を考えると、指示されたことよりトラブル解決が優先だと、誰もが思うような内容でした。
トラブルを処理し、ほっと一息ついて、指示されたことに取り組もうと思ったところ、「何やってるの!まだやってないの、ぐずぐずしないでよ!」と管理者から口汚く、利用者さんの前で怒られたのです。
びっくりしました。
感情に任せて利用者さんの前で怒りを爆発させるなんて…。
尊敬できない上司と働くのはつらかったです。
管理者の方は元々母の知り合いでしたし、住まいの近くのデイサービスで働いていたので、仲たがいはしたくありませんでした。
でも、徐々に表れる管理者の本心やつじつまの合わない行動に、嫌気がさす一方で。
おずおずと母に伝えると、母もまた同じように感じることがあるということでした。
「あなたは大丈夫かしら、と少し心配していたけれど、先入観を与えるのもどうかと思って、黙っていたの」と。
そして、「辞めたいなら私のことは考えずに辞めていいのよ」と言われました。
【給与体系】いつまでたっても時給1000円
入職して2年以上たっても、時給は900円から1000円に上がったまま、変わりありませんでした。
常勤パートになったのだから、年契約にしてくれるとか、いろいろあるんじゃないかと思ったのですが、雇用条件の変更や改善への提案はまったく聞き入れてもらえない状態。
時給1000円で8時間、月に22日勤務で計算すると、手取り月収は14万円くらいでしたが、それが微妙なのです。
夫の扶養の範囲内で働いたほうが、健康保険や年金などが引かれず、自由があると感じてしまいます。
お金はたくさんもらえたらありがたい。
でも、私にとっては、家庭も大事です。
家族との楽しい時間を犠牲にしてまで、尊敬できない上司のもとで働きたくないな、という気持ちが芽生えてきました。
【転職のきっかけ】デイを辞めた先輩職員との再会、そして……
別のデイサービスを紹介された
もやもやとしながら勤務していると、あるとき、退職した人も交えた、デイサービスの職員同士の飲み会がありました。
母が子どもの面倒をみてくれるというので、参加してみたら、近くのデイサービスに転職した以前の先輩が話しかけてくれました。
「大丈夫? 管理者のあの人、常勤になると急に態度が変わるでしょう?」と。
やっぱりみな同じことを感じていたんだな、と思いました。
そして、その先輩が辞めたきっかけも、私がいま感じていることと同じだったのだと知りました。
そして、唐突に言われたのです。
「今、私がいるデイサービスで、ドライバーができるスタッフを募集しているよ。
こことは、180度違うデイサービスなの。
すごく新鮮な気持ちで働けるから、あなたも来てみない?」
自分の気持ちが大きく揺らぎ、そしてもう後戻りできないことを感じていました。
<三輪 泉(ライター・社会福祉士)>
次回は、現在勤務しているデイサービスでの仕事内容や前職との違いをお伝えします。
次回「介護の本質は「自立支援」だと実感できるデイサービス~転職体験Kさん3」は、5月29日に公開予定です。
*K・Eさんの「転職 成功・失敗 体験談」…
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