介護老人保健施設(老健)とは、一般的にはリハビリや医療ケアなどを受けながら、在宅復帰をめざす施設のこと。医師や看護師が常駐していることもあり、病院みたいなものというイメージがある方もいるかもしれません。
そこで今回は、老健という施設の特徴にやりがいを感じ転職したけど、なにか違うと感じている先輩の失敗談を、介護求人ナビ編集部からのアドバイス付きでご紹介。せっかくの転職を失敗に終わらせないためにも、ぜひ参考にしてください!
老健では看護師が偉いの? 雑用係のような扱いにストレスです
33歳/女性/マリコ
特別養護老人ホームから、介護老人保健施設に転職しました。今の職場では、看護師は排泄や入浴、食事介助などは一切せず、すべて介護士が行います。仕事内容については納得しています。でも、上から目線の看護師が多い気がして、正直、すごいストレスです。私だって介護福祉士という国家資格を持っているし、介護士=雑用係的な扱いを受けるのは心外。ここの施設だけの問題? それとも老健ではよくあることですか?
《アドバイス》
老健で働く介護士の中には、同じような悩みを持っている方が多いかもしれません。
というのも、老健は介護施設の一種ではありますが、病院と介護施設の中間のような役割が特徴。常勤の医師もいますし、看護師も多く配置されています。そのため、介護士が主役の介護施設とは、少し勝手が違うところがあります。
病院は病気を治療する場であり、どうしても医師や看護師にスポットが当たりがちです。また、病院には看護師をサポートする役割の「看護助手」がいます。看護助手は必ずしも資格が必要ではありません。主な業務は、診察の介助から患者の食事や入浴、排泄の補助、体位変換など。つまり、介護施設で介護士が行っている内容と重なる部分があるのです。
そのため、病院での勤務経験しかない看護師の場合、仕事の表面だけをとらえて、介護士を看護助手のようなものだと考え、自分のサポート役と見てしまう場合があるのかもしれません。
また法人や施設によっても、看護師と介護士の仕事の住み分け方、とらえ方が異なります。そうした運営方針が、スタッフの態度に影響している可能性もあります。
介護の仕事では、さまざまな専門職が連携する必要があります。介護職員、医師、看護師、リハビリ専門職…それぞれ専門の役割があり、対等な立場です。それぞれの得意分野を尊重しながら、カバーし合うことが大切。他職種の連携がうまくできていなければ、質の高い介護は実現できないでしょう。
理由がどうあれ、介護士と看護師が気まずい関係では、良い介護が提供できるはずがありません。話し合いの機会を持ち、介護士の得意分野について伝えてみてはいかがですか。お互いの理解が進めば、気持ちよく仕事ができる環境になるはずです。
また、老健は施設の特徴から、仕事上、医療に触れる機会が多くなります。そうした医療分野の知識を得ようと老健に転職する介護士もいます。
看護師と同レベルの知識までは必要ありませんが、ある程度の医療知識が身につけば、看護師の仕事内容や強みが把握でき、どの部分で看護師に頼り、介護士がどこを強みにすれば良いかもわかってくるでしょう。
また、そうしたあなたの豊富な知識や取組姿勢を見て、看護師の態度も変化するかもしれません。
あなたの支援を必要としている人が目の前にいるのです。人間関係の悩みはできるだけ早く解消し、介護に集中できる環境を作っていきたいですね。
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