「契約社員の求人があったけど、正社員とは何が違うの?」「長く働きたいけど、契約社員として転職して大丈夫?」
転職活動中に、こんな疑問を感じた方は必見!
『契約社員』の働き方やメリット・デメリット、正社員との違いなど、転職する時に確認しておきたいポイントを詳しく解説します。
様々な働き方を見比べて、あなたに合った転職先を探すヒントにしてみてください!
契約社員とは?
契約社員とは、雇用期間が定められている働き方。「有期労働契約」を結んで働いている従業員のことです。
労働基準法によると、原則として有期労働契約期間は
最長3年と定められていますが、
1年ごとに契約を見直したり、契約を終了したりする企業もあります。
なお、企業との契約が終了した時点で更新が提示されない場合、退職扱いとなります。
また、2013年には労働契約法が改正され、
契約期間が通算5年を超えると、労働者側からの申し込みによって契約期間に定めがない「無期労働契約」に転換することができるようになりました。急な雇い止めに対する不安を取り除き、契約社員でも安心して働けるルールが整備されています。
契約社員のメリットとデメリット
契約社員での働き方には、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。それぞれ3つのポイントを解説します。
<契約社員のメリット>
・ 専門性の高い分野で働ける
・ 自由な時間を作りやすい
・ 正社員と比べ責任が軽い
契約社員で働くメリットは、
自身のスキルを活かすことができる点です。より専門的な業務を任されることが多いため、これまでの経験を発揮しやすくなります。
また、契約条件にもよりますが、
残業が少ないことが多いため、子供の面倒をみたり、趣味や副業を行ったりする時間を作ることができます。
さらに、正社員と比較し、責任範囲も限られているため、ストレスを抱えることなく業務に集中することも可能です。
<契約社員のデメリット>
・ 社会的信用が得にくい
・ 給与やボーナスが低い
・ 雇用期間が定められている
契約社員は雇用期間が限定されていることから、正社員と比べ、住宅や車などの
長期ローンを組みにくい場合がある点に注意が必要です。
また、多くの企業では、契約社員の給与は年棒制を採用しており、
ボーナスや退職金などが支給されない可能性があります。
雇用期間が定められているため、
更新時期が近くなってきたら新しい仕事を探すなどの事前の対策が必要となってきます。
契約社員と正社員の違い
契約社員と正社員には、明確な違いがあります。労働条件や給与制度などの項目に対して、契約社員と正社員の違いを説明します。
◆雇用期間
契約社員は、
雇用期間が定められている「有期雇用契約」で、最長3年までしか契約できません。
一方、
正社員は、
雇用期間が定められていない「無期雇用契約」で、特別な事情がない限り、解雇されることはないという点に違いがあります。
◆給与
基本的には契約社員も正社員も、
同じ職務の場合は基本給に差はありません。また、給与は月ごとに支払われます。ただし、契約社員には年俸制や時給制を適用している企業もあります。
◆ボーナス
ボーナスの支給は、
企業によって異なります。
契約社員に対しても、正社員同様にボーナスを支給している企業もあれば、契約社員には支給をしていなかったり、正社員よりもボーナス額を低めにしていたりすることもあります。
◆昇給
正社員は、企業に在籍している年数や社会人経験を考慮し、
昇給する制度があります。一方で、
契約社員は雇用契約時に年収が決められていることが多く、
基本的に契約期間中は昇給はありません。
◆休日
契約社員も正社員も、
所属する企業の休日や休暇に従って休むことができます。雇用条件に限らず、法律で定められた105日以上の休日を取得する義務があるほか、有給休暇についても就業日から半年以上勤続すると、10日間付与されます。
◆夜勤
仕事内容に応じて、
夜勤が必要になる場合があります。ただし、契約社員では労働時間が定められているため、基本的に定められた時間以外での勤務はありません。
◆転勤・配置換え
契約社員は雇用条件に基づき、就業する場所が定められているため、
原則として転勤や配置転換の対象外となります。
一方、
正社員は全国や世界展開している企業であれば、
転勤の可能性や職種の転換が行われます。
◆社会保険
社会保険は、契約社員・正社員などの雇用形態に限らず、
一定条件を満たす際には必ず加入しなければなりません。たとえば健康保険では、1週間の労働時間及び月の労働日数が、正社員の4分の3以上の場合、契約社員でも加入が必要です。
◆退職金
法律的には、企業は退職金を支払う義務がなく、
企業ごとに退職金制度についての有無が設定されています。一般的に、退職金制度を採用している企業では正社員のみに退職金が支払われ、契約社員には支払われないケースが多いです。
◆育児休暇・介護休暇
正社員だけでなく、契約社員も
育児休暇や介護休暇を取得することができます。ただし、企業によって条件が異なるため、いずれの雇用条件でも制度を確かめる必要があります。
契約社員とパート・アルバイトの違い
契約社員と正社員の違いについて解説しましたが、
パートやアルバイトといった働き方とはどのような違いがあるのでしょうか。
まず、
契約社員は契約時に給料が決められているため、
安定した収入を得ることができます。また、企業によってはボーナスの支給もあることから、正社員にも劣らない金額の収入が保証されるのがメリットです。
一方、
パート・アルバイトは時給や日給であるため、
シフトの状況によっては収入が安定しません。契約社員や正社員のようにボーナスが支給されることもなく、高収入を得るのが難しい点に気をつけなければなりません。
ただし、
働き方の自由度はパート・アルバイトが勝ります。パート・アルバイトはシフト制が一般的で、仕事をしたいときにシフトを希望し、旅行や家族の事情がある場合には、休みにすることができます。契約社員は、正社員同様にフルタイムでの就業となるため、休みたいときには有給休暇の取得が必要です。
契約社員と派遣社員の違い
契約社員と派遣社員は、契約期間が定まった働き方という点では同じですが、
「雇用主が就業先であるか、そうでないか」に違いがあります。
契約社員の雇用主は、
就業先の企業である一方、
派遣社員の雇用主は、
派遣元の企業です。
派遣社員になるためには、まず派遣会社に登録し、自身のスキルや希望収入、就業地などを相談したあとに、派遣会社から条件に適した企業を紹介してもらいます。そして派遣先企業での受け入れが決まると、派遣会社と雇用契約を結び、実際に仕事が始まるといった流れになります。
また、契約社員は就業先の企業から直接給与を受け取り、社会保険に加入しますが、派遣社員は給与も社会保険も就業先企業ではなく、派遣企業から出ます。
派遣社員のメリットは、派遣会社を通して仕事を斡旋してくれるため、
効率的に仕事を探せる点です。また、派遣期間が終了したあとも、希望に応じてほかの仕事の案内や将来的なキャリアの相談に乗ってくれる派遣会社もあります。
ただし、派遣社員は企業の経営状況に左右されやすく、突出したスキルや専門性がないと派遣切りに遭う可能性があります。また、派遣社員の場合、交通費が時給に含まれることが多く、金銭的に負担を強いられる点に注意が必要です。
契約社員の「5年ルール」って?
契約社員には
5年以上の勤務が続くと、無期労働契約に切り替えられるルールがあります。この『5年ルール』は、
労働者が自ら雇用主に申請した場合のみ適用されるため、自動的に切り替わるわけではない点に気をつけましょう。
なお、労働者から申請があった場合、
雇用主は必ず申請を受理する必要があり、拒否することはできません。
ただし、無期労働契約に切り替えても、正社員になれるというわけではありません。企業によっては、正社員登用制度が設けられており、両者が合意をすれば、正社員への切り替えも可能となります。
まとめ
契約社員には他の雇用形態にはない、契約社員ならではの魅力があります。
正社員のように安定した雇用形態ではないものの、専門性の高い業務を割り当てられるため、自身のスキルや経験を活かしやすいのが特徴です。また、時間の融通がききやすく、フレキシブルな働き方ができるのも魅力的です。
どのような働き方が自分に合っているのかなど、将来的なキャリアを考えながら自分に適した働き方を選ぶといいでしょう。