生活相談員は利用者やその家族の相談窓口となって悩みを解決する介護職種です。そんな生活相談員の給与は他の職種と比べてどの程度なのか、年収アップの方法も合わせて紹介します。実際のデータをご紹介するのでぜひ最後まで一読ください。
1 【正社員】生活相談員の平均給料
2 【パート・アルバイト】生活相談員の平均給料
3 生活相談員と他の介護従事者との給料比較
4 【サービス種類別】生活相談員の平均給料
5 生活相談員の給料の今後の展望
6 生活相談員の収入を上げる方法3選
7 生活相談員の給与は他の介護職種より高水準!
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、生活相談員・支援相談員の常勤者の平均月給は342,330円、このうち基本給は214,470円です。
介護系の職種の中では、看護職員、介護支援専門員、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士又は機能訓練指導員に続き、4番目に高い給与額です。
また、非常勤の生活相談員・支援相談員の平均月給は306,260円で、うち基本給は233,930円です。
生活相談員の賞与は、平均338,520円です(1月~12月の月平均額=56,420円)。
賞与の有無や賞与額は勤務する施設によっても異なるため、求人を探す際は前年度の賞与実績などもチェックしてみましょう。
生活相談員がもらえる主な手当の内容は、下記の通りです。
【主な手当例】
交通手当・通勤手当・時間外手当・住宅手当・扶養手当・職務手当・資格手当・夜勤手当
生活相談員は日中に相談業務を対応するため、基本的に夜勤はありません。しかし、相談業務とは別に介護スタッフとして現場に入り、業務を兼務する場合は夜勤が発生します。
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、パート・アルバイトの平均月給は、常勤の場合282,310円、非常勤の場合140,210円です(手当等含む)。
時給で見ると、常勤の場合は1,420円、非常勤の場合は1,110円で、常勤で働く生活相談員の方が時給はやや高い傾向にあります。
さらに、常勤者の平均月給は手当等を含めて282,310円と、非常勤者と約140,000円の差があり、平均月給に大きな差が出ます。パートやアルバイトで働く場合は、時給や実労働時間数など労働条件をよく確認しましょう。
職種 | 平均給与額 (正社員) |
平均給与額 (パート・アルバイト) |
生活相談員・支援相談員 |
342,330円 | 140,210円 |
介護職員(保有資格あり※) |
320,540円 | 122,490円 |
介護職員(保有資格なし) |
268,680円 | 111,960円 |
理学療法士、作業療法士、 |
354,770円 | 129,490円 |
介護支援専門員(ケアマネジャー) |
361,770円 | 142,850円 |
事務職員 |
307,960円 | 101,770円 |
調理員 |
260,090円 | 82,430円 |
管理栄養士・栄養士 |
316,320円 | 118,710円 |
(出典:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」)
※保有資格は「介護福祉士」「実務者研修」「介護職員初任者研修」のいずれか
生活相談員は国家資格の名称ではありませんが、「社会福祉士」「精神保健福祉士」「社会福祉主事任用資格」のいずれかの資格を持っていることが基本の要件です。そのため、介護支援専門員(ケアマネジャー)や資格を要する他の介護従事者と同じように、比較的給与が高い水準にあります。
また、資格を保有するほかの介護職員と比較しても、平均給与は高いことがわかります。
サービス種類 | 社会福祉士の平均給与額 (正社員) |
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) | 385,790円 |
介護老人保健施設 | 343,780円 |
訪問介護事業所 | 325,030円 |
通所介護事業所(デイサービス) | 317,130円 |
通所リハビリテーション事業所 | 331,730円 |
特定施設入居者生活介護事業所 (有料老人ホームなど) |
347,810円 |
小規模多機能型居宅介護事業所 | 333,600円 |
認知症対応型共同生活介護事業所 (グループホーム) |
320,030円 |
(出典:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」)
生活相談員の資格要件の一つでもある「社会福祉士」のサービス種類別給与から、サービス種類別の平均給与の傾向を見ていきましょう。「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)や、介護老人保健施設・特定施設入居者生活介護(有料老人ホームなど)の平均給与が高いことがわかります。
介護老人福祉施設は、地方公共団体や社会福祉法人が運営する、要介護高齢者向けの施設です。介護老人保健施設は地方公共団体や医療法人が運営しており、在宅復帰を目指す方が入所しています。訪問介護サービスや通所介護サービスに比べて、このような入所型の施設では介護職との兼務や夜勤が発生するなどの理由から手当が増え、月の給与額全体が増える傾向にあります。
生活相談員の給与は今後も高い水準を保つことが予想されます。国は介護離れを防ぐために介護職員の賃金向上を図り、介護職員処遇改善加算を設けています。加算要件で生活相談員は対象外となっていますが、介護職員を兼務している場合は介護職員処遇改善加算の対象となります。
2019年10月からは、経験・技能のある職員に重点化を図りながら、介護職員の処遇改善を図るために「介護職員等特定処遇改善加算」が新設されました。「介護職員等特定処遇改善加算」では、一定の要件を満たした場合に事業所の判断で、介護職員以外の職種も対象となる場合があります。
介護分野の職種の中では、比較的給与が高い水準にある生活相談員ですが、さらなる収入アップを目指すことも可能です。ここでは生活相談員の収入を上げる3つの方法をご紹介します。
基本的に勤続年数が長くなるにつれて、その施設での働きぶりが評価され、昇給していくことが期待できます。長く同じ施設に勤務することで、上司や同僚から信頼を得ることができ、重要な仕事を任されることも多くなるでしょう。一般的に、できる仕事や負う責任が増えるに従って、給与は上がる傾向にあります。任された仕事に対する実績を積み上げていくことで、さらなる評価にもつながるはずです。
管理職に就くことができれば、役職手当が付くため給与が上がります。
管理職に就くことは大きな責任が伴い、労力もかかります。職員の配置や業務の効率化などのマネジメント業務、協力医療機関や家族、他部署との連携など対外的な業務までこなさなくてはなりません。業務量や責任は増えますが、確実に給与を上げることができ、キャリアアップにもつながるでしょう。
現在の勤務先よりも基本給が高い施設へ転職することも収入を上げるひとつの方法でしょう。転職先を検討する際は、基本給だけを見るのではなく年収で考えることが大切です。
基本給が高くても賞与がなかったり、手当が少なかったりすると、結果的に転職することで収入が下がってしまいます。基本給が上がることを前提に、各種手当や賞与、昇給回数なども見て検討しましょう。
生活相談員の給与は、他の介護職員と比べると高い水準にあります。さらに介護業務を兼務することで介護職員処遇改善手当がついたり、介護支援専門員を取得して資格手当がついたりと給与アップを目指せる職種です。今後も需要が高まる職種なため、さらに給与が上がることが予想できるでしょう。
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