転職前にスキルアップしたい、資格や研修を受けてから仕事を始めたい、という人のための職業訓練。民間の学校・スクールに通うよりも安価で研修や訓練が受けられますが、さらにお得に職業訓練が受けられる制度を知っていますか?
今回は、職業訓練と転職・就職の際に役立つ「寄宿手当」について、詳しく解説します!
寄宿手当とは、求職者支援制度を使って公共職業訓練を受けるために、扶養している家族と別居して生活する必要がある期間について支給される手当のことです。対象者は職業訓練受講給付金を支給される方に限られます。
ここでいう家族とは、訓練を受ける人によって生計を維持されている同居の親族を指しています。誰でも支給されるというわけではないので、以下に記載する条件をしっかりと確認しておきましょう。
寄宿手当の支給には、職業訓練受講給付金を受け取っていることが前提になります。
また、公的職業訓練を受けるために、扶養家族と別居して、アパートや下宿などで生活する必要がある方が対象になります。さらに、寄宿手当を受ける為には以下の3つの条件のどれかを満たす必要があります。
1.通常の交通機関を利用して通所するための往復所要時間が概ね4時間以上である時
2.交通機関の始発・終電などの便が悪く、通所に著しい障害を与える時
3.訓練を受講する訓練施設の特殊性によって寄宿を余儀なくされる時
例としては、東京に住んでいる方が東北や東海地方にある職業訓練施設で受講する場合などです。職業訓練は受けたいけれど、施設に通うのは遠すぎて現実的ではないと感じている人は、寄宿手当が受け取れる可能性があるため、自身が要件に該当するか確認してみてください。
なお、職業訓練を1回でも欠席すると職業訓練受講給付金は支給されなくなり、同時に寄宿手当も受給できないので、注意が必要です。
「ハロートレーニング」とも言われる公的職業訓練は、就職や就業に役立つ技能を習得することができる公的な制度です。原則として無料で利用できます。簡単に言うと、ハローワークが運営・主催している、基本的に無料で職業の訓練や学習ができるスクールのようなものです。
民間のスクールなどで取得できる資格やスキルもありますが、それを無料で学んで取得できる、就職にとても有利になる制度です。ぜひ職業訓練で興味のある仕事の基本的なスキルや資格を身につけてみてください。
寄宿手当の支給額は月額10,700円です。
この金額は定額となっており、扶養になっている家族の人数や、受講する訓練施設までの距離によって増減などはありません。
ただし、月の途中から訓練が始まったり訓練が終了したりする場合や、寄宿していない日や用事があって家に帰った日がある場合などは、寄宿手当を支給する条件に当てはまらないので、日数分だけ減額されて支給となります。
あくまで寄宿に費用を支出した日数のみ、寄宿手当が支給されます。
寄宿手当は、職業訓練受講給付金や通所手当と同時に支給されます。支給はハローワークで申請した銀行口座に対して振り込みが行われる形式です。
これらの手当の支給を受けるためには、支給単位期間(通常は1ヶ月)毎にハローワークに行き、職業相談を受けた上で申請をする必要があります。
ハローワークに支給申請を行い、承認されてから、実際に支給されるまでに1週間〜10日程度かかるとされています。どのタイミングで受給になるのか、いつハローワークに行くのかなどのスケジュールをしっかり管理しておきましょう。
寄宿手当の手続き方法について解説します。手続きに必要な書類や手続きの流れなども紹介するので参考にしてください。
寄宿手当の申請に必要な書類は次の3つです。
・公共職業訓練等受講届
・公共職業訓練等通所届
・公共職業訓練等受講証明書
上記の書類はハローワークで交付されるものですので、無くさないように注意が必要です。また、職業訓練受講給付金の給付のときにマイナンバーを確認されるため、マイナンバーカードを発行しておくといいでしょう。もしマイナンバーカードを持っていない場合は、マイナンバー通知書や、住民票でも確認することができます。
また、印鑑や振り込み用の通帳も用意しておきましょう。
ハローワークで手続きするときに書類や持ち物に不備があると、正しく受給することができない場合があります。ハローワーク用のかばんなどを用意し、荷物や書類をまとめておくとミスが減りますので、心配な方は試してみてください。
寄宿手当受給までの流れを簡単に説明します。
それぞれのステップで注意事項や提出する書類について触れますので、参考にしてみてください。
ステップ1:ハローワークにて求職申し込みを行う
求職者支援制度の説明をされますので、しっかりと説明を聞き、もらった書類は保管しておきましょう。
ステップ2:職業訓練のコースを選ぶ
ハローワークで職業相談を受けつつ、自分が希望する訓練のコースを選びます。
このときに、受講申込書などの書類を受け取ります。
ステップ3:ハローワークで職業訓練の受講申込を行う
「職業訓練受講給付金」の受給に必要な書類を貼付して事前審査の手続きをします。「公共職業訓練受講届」「公共職業訓練通所届」「受給資格者証」も合わせてハローワークに提出が必要です。
ステップ4:訓練の実施機関による選考を受ける
後日、訓練の実施機関から合否通知が届きます。ここで合格になると職業訓練を受講することができるようになります。
ステップ5:「就職支援計画書」の交付を受ける
訓練開始日の前日までにハローワークに行き、就職支援計画書の交付を受けます。
就職支援計画書が、「支援指示」というものになります。支援指示を受ける前に寄宿を開始しても、寄宿手当をもらえないので注意して下さい。支援指示をもらってから寄宿を開始しましょう。
ステップ6:月に一度のハローワーク指定来所日に来所し、職業相談を受ける
この手続きを行わないと「職業訓練受講給付金」をもらうことができなくなってしまいます。
寄宿手当を受給するまでの手続きを紹介しました。職業訓練に申し込みをする段階で寄宿が必要であるとわかっているときは、そのことも申告しておくと手続きがスムーズになります。
寄宿手当の対象となる介護系の職業訓練の例を紹介します。
職業訓練では、「介護職員初任者研修」と「介護福祉士実務者研修」を受講することができます。
介護の資格を取得するメリットはとても大きいです。介護の施設や職場はとても多く、常に職員を募集しているため、介護の資格を取得すればどこの地域でも安定して働く事ができます。
民間のスクールで資格を取得することもできますが、職業訓練の方が費用が安くすみます。民間のスクールで資格を取得しようとすると5万円から10万円程度はかかってしまいますが、職業訓練ではテキスト代以外は基本的には無料です。
介護業界で安定して仕事ができることからとても人気で、面接や試験の倍率が高くなることがあります。介護の資格に興味があるけど、職業訓練の施設が遠くて受講を迷っている方は、ぜひ寄宿手当の申請をして資格取得にチャレンジしてみて下さい。
職業訓練を受けることで、就職に有利な資格取得などが実現できます。
寄宿手当の制度を活用すれば、職業訓練受講の負担も軽減。遠方での職業訓練は受けようと計画している人はあまり多くないかもしれませんが、今後の仕事の可能性を広げるため、ぜひ検討してみてください。
手続きや審査などはありますが、職業訓練を受けることができれば就職の可能性の幅が広がるでしょう。自分がこの制度に該当するかどうか判断ができない方は、地域のハローワークに訪問して担当者に相談してみるのがいいかもしれません。職業訓練のときに寄宿手当を使うことを検討される場合は、ぜひ今回の記事を参考にしてみて下さい。
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