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2014年08月27日

カラダの個性を知りたい!5 | 「介護求人ナビ 介護転職お役立ち情報」

●カラダのどの部分もとまらない動きができているときは、とても楽に気持ちよく感じます。その感覚をぜひ味わってください!

こんにちは、身体術研究者の甲野陽紀です。今回は二人の女性(Morimotoさん、Shokoさん)にモデル役をお願いし、わたしの自己分析も加えてみました。ひとつの動作にも人それぞれのアプローチがあるということを、実感していただけると思いますよ!

動きの特徴は?

AMorimotoさんの場合
しゃがむとカカトが床から離れてしまう人も多いのですが、Morimotoさんの場合は、足裏は床をしっかりとらえています。この姿勢から、後ろに傾くこともなく、座布団を抱えにいくことができるのは、足首にやわらかさがあるからだと思います。逆に、かたさが感じられるのがヒジの動きです。ヒジがのびきっているので、肩を使ってもちあげようとする動きが見てとれます。







BShokoさんの場合
腰はやや高めの姿勢ですが、ヒザと鼠蹊(そけい)部はやわらかく動いているのでしょう、腰高姿勢としゃがみこみ姿勢のちょうど中間ぐらいの腰の高さから、アプローチしています。局所的に力がはいっているような様子がなく、肩から指先にかけても自然な力の入り具合になっているように見えるのは、ヒジにゆとりがあるからだと思います。







CHarunori先生の自己分析
しゃがみこみ姿勢からのアプローチは、Morimotoさんと同じです。違いは、腰を完全に落とし切らず、足首•ヒザ•鼠蹊部の動きが使える状態を保ったまま、座布団を抱えにいっているところでしょうか。関節部のゆとりは、カラダのつながりを保ち、立ち上がりの始動を楽にしてくれるのです。ヒジの感じはShokoさんに似ていますが、ヒジにゆとりがあると、もちあげていくときの対応力があがりますから、ここもチェックしておきたいポイントです。




個性を生かしつつ、カラダに負担のない動作をするなら?

Morimotoさんの場合
何かをもちあげる動作のとき、滑らかで自然に見える動きにはある特徴があります。それは「指(手首)→肘→肩」という順に動きがつながっていくということ。そのつながり方が狂うと、どこかぎくしゃくして見える動きになってしまいます。

Morimotoさんの“ぎくしゃくポイント”は、「肩があがって」見えるところですが、これはヒジがロックされているから。ロックされているヒジのかわりに肩が動いて座布団をもちあげにいっているので、少し無理な動き方になっているのです。

しゃがみこむときに、下半身の各関節をすべて曲げきってしまう動きになっていることも、肩をあげてしまう要因になっているようです。関節を曲げ切ると、カラダ全体のつながりが一時的に切れてしまいますから、カラダとしてはやむを得ず上半身を使って立ち上がろうとする――つまり、そのときもっとも大きく動かしやすい部位である「肩をあげてしまう」ということになるのです。

対応策→まず、しゃがみこむときに、関節を曲げ切らないこと。関節に少し「ゆとり」をもたせておくと楽に立ち上がることができるようになります。もちあげる動作のときは、「手でもつ→ヒシ先を気にかける→ヒジにゆとりをもたせる」という順に注目していくと、ヒジのゆとりを生かすことができるようになると思います。

「ヒジのゆとり」を大切に____Morimotoさん 良い点は、足首、ヒザ、鼠蹊部が連携しながら動くことで、腰の負担を軽くしていること。一方で気になるのは、座布団を抱えるとき、ヒジがのびきって余裕がなくなっていること。ヒジの動きが使えないと、肩に負担がかかってしまう(肩に力がはいると「肩があがって」見える)。肩に力が入るなあと感じたら、ヒジのゆとり感をチェックしてみよう
「ヒジのゆとり」を大切に____Morimotoさん
良い点は、足首、ヒザ、鼠蹊部が連携しながら動くことで、腰の負担を軽くしていること。一方で気になるのは、座布団を抱えるとき、ヒジがのびきって余裕がなくなっていること。ヒジの動きが使えないと、肩に負担がかかってしまう(肩に力がはいると「肩があがって」見える)。肩に力が入るなあと感じたら、ヒジのゆとり感をチェックしてみよう



Shokoさんの場合
連続写真を見ると、ヒジの角度を変えながら座布団の位置を調整していることがわかります。これは、ヒジのゆとりを生かした動きができているということ。ヒジの動きが生きていると、手と連携しながら、ものの質感や重さの変化に対応していくことができます。
一方で、腰に頼る動き方でもあるので、重いものをもちあげるときには、ヒジや肩に負担がかかって動きが悪くなり、腰に大きな負担がかかることも考えられます。

対応策→「足首」の動きをもう少し使えるようになると、もっと楽に動作ができるようになるのではと思います。動作を始める前にカカト先からの足踏みをしてみるのも効果があると思います。重さのあるものをもつときは、ヒシ先から動くようにして、ヒジの伸縮力を保つことを心がけるとよいと思います。

足首の動きを引き出せばより楽な動きに____Shokoさん ヒジに適度なゆとりがあるので、上体に余分な力がはいらず、無理のない動きになっている。下肢も柔軟に動いているが、ヒザや鼠蹊部にくらべると、足首の動きがもう一息。そのため、やや腰高姿勢になってしまい、座布団をもちあげる動作の後半には腰に頼る動きになってしまう。足首をやわらかく使うことを心がけていくと、もっと腰に負担の少ない動きが引き出されてくるはず
足首の動きを引き出せばより楽な動きに____Shokoさん
ヒジに適度なゆとりがあるので、上体に余分な力がはいらず、無理のない動きになっている。下肢も柔軟に動いているが、ヒザや鼠蹊部にくらべると、足首の動きがもう一息。そのため、やや腰高姿勢になってしまい、座布団をもちあげる動作の後半には腰に頼る動きになってしまう。足首をやわらかく使うことを心がけていくと、もっと腰に負担の少ない動きが引き出されてくるはず



最後に、今回の持ち上げる動作のひとつの目標の形として、私の動きについても触れておきます。

Harunori先生の自己分析

カラダ全体がつながった動きがいつでも安定してできるように____Harunori先生の自己分析 理想は、カラダ全体がひとつにつながりながら、動いていくこと。その動きができているときには、動作の終了地点である立ち姿勢になったときに、指先から足首に至る各部位の動きも自然に止まる感覚になる
カラダ全体がつながった動きがいつでも安定してできるように____Harunori先生の自己分析
理想は、カラダ全体がひとつにつながりながら、動いていくこと。その動きができているときには、動作の終了地点である立ち姿勢になったときに、指先から足首に至る各部位の動きも自然に止まる感覚になる

今回で「からだの個性」分析は終了。次回はこれまでの総まとめをお届けします!




◆ Profile ◆
甲野陽紀(こうの•はるのり)
プロフィール
身体技法研究家。東京•多摩市生まれ。高校卒業後、「古武術介護」の提案者としても知られる武術研究家の父、甲野善紀氏の補佐役として各地の講習会などに同行する中で、ささいな動きの違いから感覚がさまざまに変わっていくカラダの不思議さ、奥深さを改めて実感し、特定の方法やジャンルによらない独自の視点からの身体技法の研究を始める。見る、触れる、曲げる、といった、わたしたちが日々、何気なく行っている動作からカラダを見つめ直すことで新しい感覚が生まれていく“発見の体験”は、多くの方の共感を呼び、全国各地の講習会、講演会などで活躍中。スポーツや武術、音楽、医療、介護、運動嫌いの方のための身体講座まで、講座のテーマは幅広く開かれており、ファン層も多彩。都内では、朝日カルチャーセンター新宿•湘南、よみうりカルチャー自由が丘などで定期的に講習会を開催している。日々のくわしい活動はオフィシャルウエブサイトへ。
http://hkhp.p2.bindsite.jp/index.html

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