■書名:早引き 介護記録の書き方&文例ハンドブック 第2版
■監修:下地 清文
■発行元:ナツメ社
■発行年月:2011年1月1日
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介護記録の書き方にもう悩まない! 場面ごとに記録方法のポイントを解説
介護に携わる者にとって、利用者との関わりなど日々の業務とともに大切なのが「介護の記録を書くこと」だ。
介護記録は、現場での情報をチームで共有し、よりよいケアを行う手がかりともなる。
親族への報告に使われることもあれば、事故やトラブルがおきたときも重要な要素の一つにもなる。そのような大切な仕事である一方、「どう書いたらいいのか」と書き方に悩んだり、ストレスを感じる介護者も多いのではないだろうか。
本書はどのように介護記録を書けばよいのか、書き方と文例集の2本柱で具体的に示しているいわば「介護記録の書き方の指南書」だ。
「介護サービス計画書(ケアプラン)」、利用者と契約を結ぶ際に使う「フェイスシート」、1人の利用者に何が起きたか、ケア内容を時系列に沿って記録する「ケース記録」、その日に起きた出来事を記録する「業務日誌」を4大記録として、それぞれの書き方を紹介している。
「伝わる介護記録」が書けるように、利用者を継続的に見守る特別養護老人ホームなどの入所施設の書式をベースにしているため、どのような職場でも応用ができるという。
「介護記録の書き方のポイント」では、伝わらない表現や利用者を傷つける表現などNG例も挙げ、その改善策についても説明している。
また、生活場面別の文例集がとても豊富だ。食事や入浴、利用者が病気の時、トラブルなど、介護現場における現場でおきた事柄を記録するために観察すべきポイント、よい書き方の例などについて解説している。
例文も多く挙げられているため、そのまま引用することも可能だ。随所に言い換え表現やより詳細な表現、工夫のためのヒントも紹介されており、応用すればあらゆるシチュエーションの記録に応用できる。
<記録をこれからの介護に生かすとは、どういうことでしょうか。それは、記録を根拠にして関わりを変化させて、できなかった利用者が何かをできるようになるということです。または「この人はこれができるのではないか」と目標設定を変えていくことです。(中略)自分の気づきや関わりの記録が、チーム全員の動きを変えるのです。>
付録には、臨場感ある介護記録を書くために役立つテーマ別の表現集や、介護の用語集も収録。本はコンパクトな文庫本サイズなので携帯もしやすく、机の上に置いたり、引き出しの中に入れておいても邪魔になりにくい。いつでも手元において活用したい一冊となっている。
<松原圭子>
監修者プロフィール
下地 清文(しもじ・きよふみ)さん
社会福祉士、介護支援専門員。明治学院大学第二部社会学部卒業。全国社会福祉協議会に入職し、研修事業や施設協議会事務局を担当する。特別養護老人ホーム「あかね苑」の主任相談員、副苑長を経て、現在は東京都福祉サービス第三者評価評価者。