2016年05月20日

『完全図解介護予防リハビリ体操大全集』 | 「介護求人ナビ　介護転職お役立ち情報」

■書名：完全図解介護予防リハビリ体操大全集
■著者・編集：大田仁史（著）、三好春樹（編集）
■発行元：講談社
■発行年月：2010年10月28日

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目的や症状に応じた体操がすぐわかる！　要介護状態を防ぐ体操を343種類掲載

加齢に伴い、筋力が低下して関節を動かしにくくなるなど、運動機能に障害を抱える高齢者は少なくない。筋力が低下すると、歩行の際に物につまずきやすくなり、転倒する原因にもなる。また、脳卒中やパーキンソン病などで、体が自由に動かせない後遺症を抱える高齢者もいる。
これらの理由で体を動かすことが減り、閉じこもりや寝たきりになってしまう高齢者も多いという。

「このような高齢者に総じて言えることは、体を上手に動かすことを知らないのです」と著者の大田仁史さんはいう。
大田さんはリハビリ医療・介護の第一人者として知られており、これまでも多くの高齢者を対象としたリハビリテーションに携わってきた経験を持つ。たとえ、病気や老化による障害があっても、最低限の筋力があれば体の動かし方を工夫するだけで質の高い生活を送ることができるのだという。

本書は、大田さんがこれまで発表してきたリハビリ体操を体系化したもの。
体を動かさないままでいると、運動能力が衰えてしまう高齢者や、脳卒中などで片麻痺の後遺症に苦しむ人に向けて考案した体操を、全部で343種類掲載している。

体操は「寝て行う」「床で行う」「椅子で行う」「立って行う」の種類別に紹介されている。横になっていることが楽な人から、しっかりと体を動かすことができる人まで、どのような運動能力の人でも対応できるのがうれしい。

各ページは、動作ごとにイラストを使って解説しているので非常にわかりやすい内容だ。また、間違えやすい動作の指摘や介護者が介助すべきポイントも押さえられているので、経験が浅い人でも安心できる。

また、「寝返りを打てない」「自力で車いすに乗れる」「膝立ちで歩けない」など、体の各部位の運動能力をチェックすることで、その動作をできない原因を分析できるようにもなっている。
たとえば、「杖を使っても歩けない原因」として、「患側（かんそく）の脚の筋力が不足している」「大腿四頭筋が弱い」などが挙げられている。そしてチャートをたどっていけば、その状態を改善する体操を探すことができるという仕組みとなっている。

その他、高齢者が要介護状態にならないようにすることを目的とした「介護・疾病予防体操」も掲載。
「食事中にむせる」人には、誤嚥予防体操を。「物忘れが多い」人には、認知症予防体操といったように、さまざまな症状に応じた体操を提案している。

＜「介護予防リハビリ体操」は高齢者でも負担なく出来る体操を通じて、介護状態になるのを防ぐことを目的にしています。同時にこの体操には、たとえ介護を受ける状態になっても、介護を受けることが困難な状態にならない、させないような狙いが込められています＞

本書は、体操だけではなく、筋肉や骨格、関節についての解説や、高齢者に多い病気について、用語集といった資料も掲載。また、体操をしているときに突然倒れたときの対処法なども紹介されている。「介護予防リハビリ体操」を取り入れたい介護スタッフに取って、かゆいところに手が届く一冊であると言えるだろう。

著者プロフィール

大田仁史（おおた・ひとし）さん
東京医科歯科大学医学部卒業。伊豆逓信病院リハビリテーションセンター長、同病院副院長を経て、医療専門職を養成する日本で初の県立大学付属病院（茨城県）を立ち上げた。現在、茨城県立医療大学名誉教授、茨城県立健康プラザ管理者。

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