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2015年03月19日

ケアプランにあるサービスは、同じ法人のものばかり…これって問題? | 「介護求人ナビ 介護転職お役立ち情報」

20150319_12015年2月、2014年に実施されたサービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)についての調査結果が発表されました。

それによると、半数の自治体がサ高住の運営に課題を感じているとのこと。自治体が課題と感じているのは、サ高住に併設している介護事業所を利用することを入居の条件にしていたり、必要以上に介護サービスを提供して介護報酬を得ようとしたりする事業者がある点です。

サ高住に限らず、住宅型有料老人ホーム、民間マンション等、集合住宅に併設している介護事業所では同じ経営母体のサービスが使われやすいといわれています。

もっと言えば、集合住宅に併設していなくても、居宅介護支援事業所に複数の介護サービス事業所を併設して運営している複合型事業所では、同じ経営母体のサービスが使われやすいことが指摘されています。

必要以上に同じ法人のサービスばかりが使われるのは問題だとされ、居宅介護支援の介護報酬では、2011年度から訪問介護、通所介護、福祉用具貸与のサービスについて、正当な理由なく90%以上同じ法人をケアプランに組み込んでいると介護報酬が月200単位の減算になる、「特定事業所集中減算」が設定されています。

しかし、この減算要件では不十分だったのでしょうか。今回の制度改正で、2015年度から要件がより厳しくなることが決まりました。居宅介護支援の給付管理の対象となるすべてのサービスを対象とし、ケアプランに組み込まれている各サービスについて、80%以上が同一法人の場合に減算されることになるのです。


自法人のサービス中心のケアプランにせざるを得ない理由は

20150319_3一部の介護サービス事業者の中には、どれだけ自法人のサービスをケアプランに組み込んでいるかを、ケアマネジャーの昇給や昇進の指標の一つにしているところもあります。

このため、ケアマネジャーは不本意ながらも、法人の意向に従って自法人のサービスばかりを組み込まなくてはならない場合もあるのが実態です。

こうしたことからよく聞かれるのが、居宅介護支援事業所に他のサービスを併設させない「独立型」にすべきだという意見です。


しかし、現状の居宅介護支援の介護報酬は、残念ながら独立型で安定して運営していける水準ではありません。独立型で運営しているケアマネジャーは、常に赤字転落の不安を感じながら運営しているケースが多いと言います。また、表向きだけ独立型として運営し、実態としては系列法人とするといった抜け道が可能だという指摘もあり、なかなか実現が難しい状況です。


業界内で自浄作用を働かせて不適切運営の事業者を締め出す

ケアプランは、本来、様々な支援の中から利用者に最適な介護サービスやインフォーマルサービスなどを組み合わせて作るものです。

とはいえ、一つの事業者が複数サービスを併設することで、情報共有がスムーズであったり、各サービスの得意・不得意分野をケアマネジャーが把握したうえで適切に利用者のニーズとのマッチングができたりするなど、実は併設のメリットも少なくありません。

問題は、一部の事業者が倫理に反する運営していること。そのために、併設事業所みなが色眼鏡で見られてしまうのは残念なことです。居宅介護支援に限らず、これまでも一部のサービス事業者の不適切な運営が明らかになると、それを取り締まる意味で制度が改正され、制度運用の柔軟性が失われてきました。

国としては、一律に網をかけて取り締まるしか方法がないからです。利用者を柔軟に支援していけるようにするには、国が動く前に、不適切な運営をしている事業者を閉め出せるような業界内の仕組みが必要なのかもしれません。

<文:宮下公美子>

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