令和2年(2020年)から、所得税に関するルールが変わり、給与所得がある従業員が年末調整で提出する書類にも変更がありました。記入箇所が増えているので、注意が必要です。
今回は、年末調整で記入箇所が増えた『基礎控除申告書』での迷いやすいポイントと記入方法、計算例をまとめました!
※この記事では、年末調整の用紙に書かれている用語を二重カギカッコ『 』で、その他注意が必要な点をカギカッコ「 」で記しています。
令和2年(2020年)年末調整は記入する用紙が増えた!
令和2年(2020年)の年末調整から、『給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書』の提出が必要になりました。
この用紙には、その年1年間の「合計所得金額」と、「所得金額に応じた控除額」を記入します。
これまでは所得金額に関わらず控除額が一律だったため、この用紙は必要ありませんでした。令和2年(2020年)から所得金額により控除額が決められることになったため、年末調整をするそれぞれの人が、所得と控除額を記入することになっています。
『収入金額』の計算の仕方
参考:国税庁ホームページ「令和2年分基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書」
『給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書』の『収入金額』欄には、
1年間の収入の合計を記入します。
年末調整の用紙を提出する時点で、11月・12月分の給与すべてが支払われていない人が多いかと思いますが、
概算での見積額を記入することになっています。給与明細などを見て、1年間の合計金額を計算しましょう。
給与明細から収入を計算するときには、「総支給額」(いわゆる「額面」での金額)を計算します。
参考記事:
知っておきたい『手取り』と『額面給与』
『収入金額』に交通費は入る?
「基礎控除」とは、所得税を支払った収入のうち一部を控除する(減額する)もの。
もともと非課税の交通費や通勤手当は、基礎控除申告書の『収入金額』には当てはまりません。
『所得金額』の計算の仕方
自分の給与額から『収入金額』を計算したら、次は『所得金額』を計算します。
『給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書』裏面に表が記載されているので、その通りに計算します。
参考:国税庁ホームページ「令和2年分基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書」
《計算例》収入金額が305万円の場合
表の「1,800,000円以上 3,599,999円以下」の欄の式に当てはめて計算します。
(1)3,050,000÷4=762,500 ですが、「千円未満切り捨て」なので
762,000
(2)762,000×2.8-80,000=
2,053,600 ←これが『所得金額』です
『区分I』と『基礎控除の額』
『所得金額』を計算したら、用紙に記載されている判定に沿って区分A・B・Cのいずれかと、基礎控除の額を記載します。
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