3年に1回、改定される介護保険と介護報酬。
次回改定は2024年度です。
2024年度の介護報酬改定に向けた、介護事業所への調査結果が厚生労働省介護給付費分科会で報告・発表されました。
今回、論点となっているのは、
(1)介護医療院の実態の把握と移行に関する課題
(2)LIFE活用状況と訪問サービス・居宅サービスでのLIFE利用
(3)書類作成のデジタル化による作業負担軽減
(4)福祉用具貸与価格の適正化
です。今回は、(1)(2)(3)の論点の調査結果について、詳しく見ていきます。
介護サービスを受けつつ、長期的な療養・治療が必要な高齢者のために創設された『介護医療院』。2024年3月には、介護療養型医療施設は介護医療院へ移行することとされています。
今回の調査では、すでに介護医療院として開設された施設のほか、介護療養型医療施設や利用者(退所者・退院患者)への調査も行われました。
介護医療院からの回答では、介護療養型医療施設(療養機能強化型A)からの移行が最も多く35.3%。強化型AとB、病院と診療を合わせると、介護療養型医療施設から移行した介護医療院が最も多く64.5%を占めていました。
介護医療院への移行にあたり、既存の建物を利用した事業所が約半数。生活の場とするために、家具やパーテーション等を購入した事業者が約8割となっています。
なお、「自院には介護医療院にふさわしい患者が多い」という回答が約7割だったことから、医療と介護のシームレスなサービス提供が望まれていることがわかります。
科学的介護情報システム「LIFE」の活用状況について、ヒアリング調査の結果が公表されました。
LIFEを登録している事業所の約3割が、利用者さんへのアセスメント方法やアセスメント頻度が統一されたと回答。
介護ソフトや記録からのLIFEへのインポート機能に関するヒアリングでは、介護ソフトを導入していない・介護ソフトがLIFEに対応していないなどの課題が挙げられました。
今後、LIFEを活用したケアマネジャーや多職種との情報共有に活用できそうであるとの意見からも、利用者さんの状態を把握し、介護に関わるスタッフみんなが同じ目線を持つために有効な手段になるのではないかと思われます。
介護業界で度々話題になる、紙ベースの書類の多さ。
利用者さんへの説明や介護記録、事業所運営に関する手続きなどの書類作成における負担軽減のための現場への調査が実施されました。
利用者さんに説明したり計画書へ同意を取ったりする際に、メールやタブレットと言ったICT機器を活用している事業所は、すべてのサービス形態でなんと2.5%以下という結果に。
調査でわかった理由は、「対応できる機器がない」「利用者さんがメールやタブレットが使えない」が多数を占めていました。
利用者さんから同意を得る際には署名が必要であり、電子署名に対応したソフトやシステムが少ないことなどが課題として挙げられています。その一方で、法人がソフトを導入すれば活用したいという介護現場からの意見も見られます。
また、介護報酬請求に関する書類については、「パソコン作成の書類を紙に出力して保存」という事業所が約6割。
紙での保存には物理的なスペースも必要で、確認にも時間がかかってしまいます。
法人全体で電子記録サービスなど便利なサービスの上手な活用を進めることで、現場での負担は軽減できるのではないでしょうか。
参考
介護保険最新情報Vol.1085「令和3年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和3年度調査)の結果について(最終版・情報提供)」(令和4年6月24日)
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