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2024年10月16日

これからの介護保険267 ケアマネの業務範囲の類型案提示

 厚生労働省は9月20日、ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会(座長=田中滋・埼玉県立大学理事長)を開催した。同検討会で議論するテーマの一つがケアマネジャーの業務範囲。ケアマネが「何でも屋」になっている現状から、業務範囲の明確化が求められている。中間整理に向けて、厚労省はケアマネが抱えている業務についての類型案を示し、議論を行った。

業務整理とともに、環境整備や周知が不可欠

 同省が示した類型案は、ケアマネが①本来業務として対応している業務②保険外として対応している業務等③他機関に繋いでいる業務④対応が難しい業務――の4つ。ケアマネの本来業務には、利用者からの相談対応、関係機関との連絡調整、ケアプラン作成を挙げ、緊急搬送時の同乗などは保険外として対応している業務として分類されている。

 他機関に繋いでいる業務では、主な事例と対応例を示している。例えば、預貯金の引き出しや振込などでは市町村、地域包括支援センター、社協と連携し、地域福祉権利擁護事業や成年後見制度の利用へ繋ぐとしている。

 類型案では、本来業務ではない業務について行政や他機関、関係者へ繋いだり、連携を図って対応していくことが念頭に置かれている。単に類型を分けるだけでなく、ケアマネだけでなく他職種、関係機関、利用者・家族への周知や、地域にそうした資源がない場合の対応などが重要になる。

 構成員からは、「関係機関へ引き継いだり、連携すること自体にも負担が発生し、経験も必要。負担軽減の方法やスキルの身につけ方についても議論を深めていくべきだ」(常森裕介・東京経済大学准教授)、「社会資源の整備が不十分な段階で業務整理したものを公表するならば、地域の課題解決を図る仕組みの充実とともに当面の対応策も考えないといけない。代替性がない、緊急性が高いといった場合に、誰か一人ではなくチームで判断する体制など、誰がどう対応するかの判断スキームを並行して作っていく必要がある」(石山麗子・国際医療福祉大学大学院教授)などの意見があがった。

 日本介護支援専門員協会の柴口里則会長は、ケアマネが制度の枠にとどまらない連絡調整も含めた「トータルケアマネジメント」を推進するために、介護保険サービスの枠にとらわれない支援をマネジメントできる環境整備や、地域ケア会議等を活用し、やむを得ず提供している支援の必要性を検討する体制構築などを求めた。

次回、中間整理案を提示

 また類型案では、死後事務の対応例として「高齢者等終身サポート事業者等」が挙げられている。ただ、終身サポート事業者については消費者とのトラブルも指摘されており、政府は今年6月、事業者の適正化を図り安心して利用できるように「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」を公表している。認知症の人と家族の会の花俣ふみ代常任理事は「ガイドラインはできたが、直ちに課題が解決されるわけではない。対応の一例として挙げていることは理解できるが、十分な留意が必要だ」と指摘した。

 同検討会は次回、これまでの意見を踏まえた中間整理案を提示して議論を行う。

表

<シルバー産業新聞 2024年10月10日号>

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