◆介護老人保健施設(正職員/介護福祉士) → デイサービス(正職員/介護福祉士)
R・Jさん(男性・31歳)
●介護老人保健施設(勤務期間:8年/月収手取り25万円/ボーナスあり、残業約50時間)
●デイサービス(勤務期間:2年/月収手取り22万円/ボーナスあり、残業なし)
介護業界以外でのその他経験:ガソリンスタンド非常勤スタッフ
保有資格:ヘルパー2級(現・介護職員初任者研修)、介護福祉士
家族構成:妻
*R・Jさんの「転職 成功・失敗 体験談」…
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【仕事探しの視点】施設内でのキャリアアップより、広い視野を持ちたい
大きな組織の中で昇進するより自分自身を磨ける環境が欲しい
8年間お世話になった介護老人保健施設(老健)は、組織が大きく、経営的にも安心できるところでした。
また、母体となる法人は病院を経営していて、僕が所属していた老健だけでなく、訪問看護、居宅介護支援事業所、地域包括支援センターの運営から理髪サービスまで、なんでもありました。
最初の7年間は、この大きな組織の中で、自分がどう泳いでいくのかだけを考えていました。
しかし、外部研修などで熱くて優秀な人たちに出会うと、組織の中だけに目を向けているのがもったいなく思えてきました。
それと同時に、どんな組織でも通用できる介護の専門職としてのスキルと経験を身につけたいとつくづく思うようになりました。
「社内でのキャリアアップより、人間力をアップさせる環境に身を置きたい。」
組織が大きい老健から、デイサービスへ転職したのは、それが理由でした。
自分の横にいるスタッフをライバルだと思って小競り合いを繰り返すより、自分を磨ける環境が欲しかったのです。
もちろん、組織の中でも自分は磨けますが、広い視野で自分自身や自分の介護観を見つめ直したいと思い、むしろ小さめの組織で自由がきくところがいいと考えました。
尊敬できるトップと本音で話し合えるところで働きたい
僕が転職した法人は、僕を介護業界に引き入れてくれ、デイサービスに転職してからは未熟な自分に悩んでいた僕を、管理者として成長させようとしてくれた恩人が立ち上げた会社です。
いつも自分を応援し、サポートしてくれている。そういう人のもとで働けることは、非常に幸運です。
以前の職場は、気性の激しい理事長に、みんなが戦々恐々として、本音が言えませんでした。
トップを信頼できることの大切さを今は十分に感じています。
【処遇の比較】月給だけじゃない!余裕のある職場環境も大切
以前の老健は手取り24~25万円、現在のデイサービスは手取り21~22万円で、額面だけ見ると、「老健の方が処遇が良かった」と思ってしまいがちです。
でも、以前は50時間程度の残業が毎月ありました。
そう思うと、今のデイサービスの方がかえって給料はいいくらいだと思います。
以前働いていた老健では、業務量が多すぎて定時に仕事が終わらず残業が増えても、労働時間を減らすための業務改善もなく、業務改善を提案する人もいませんでした。
でも、今のデイサービスでは、僕が率先して、スタッフ全員の業務が効率的に進むような職場環境を作っています。現在では、ほぼ毎日定時で家に帰ることができます。
今は、たっぷりある自由時間を、自分の勉強や家庭での時間に使うことができる。どちらに余裕があるかは一目瞭然です。
単純に数字の比較だけで処遇の良さを考えなくてよかったと思いました。
【職場環境の改善】管理者との役割分担を考えたら関係も好転
施設の業務改善の最初の一歩は、役割分担
事務処理や営業が苦手な管理者の方を「なんとかしてほしい」と社長から言われて入社しましたが、現スタッフも含め、大きく体制を変えようとすると反感が大きいことがわかりました。
そんな中、役割分担をはっきりさせる方針をかためました。
パソコンが苦手な管理者の方には利用者のケア中心の業務を担当してもらい、彼女の分も含めて、パソコンを使った事務処理は自分が担当するようにしたのです。
そうすると、「申し訳ない」と思ってくれたのか、少しずつパソコンの使い方も覚え、利用者管理には僕が提案したタブレット端末を積極的に使ってくれるようになりました。
それがきっかけとなり、管理者としての自覚がわいたのか、居宅介護支援事業所への営業も管理者の方が担当してくれるようになったのです。
管理者として、スタッフの苦手分野をカバーしあう体制をつくる
また、管理者だけでなく、スタッフの多くも、自分の考えをまとめて周囲に表現をするのが苦手なので、ちょっと注意をすると、すぐケンカ腰になってしまいます。
これではいけないと思い、社長を交えて、「今、職場で困っていること」を静かに伝えてもらう形にしました。
そうすると、「自分はパソコンが苦手で、事務処理が苦痛だ」「不得意な分野の担当になると、早く終わらせることしか考えられなくなる」など、自分の欠点を言ってくれるようになりました。
それぞれが苦手な点や欠点を自覚してくれれば、手を差し伸べることもできる。
苦手な部分はこんな方法でカバーしよう、だれかが肩代わりしよう、と提案できるようになりました。
いずれにしても、スタッフの話によく耳を傾けるという、リーダーとしての基本をもう一度自分に問い直しています。
【介護の仕事と資格】キャリアアップか?他分野との連携か?
介護の資格には今はあまり注目していない
6年前に介護福祉士の資格を取得して以来、介護職としての資格は取っていません。
通常なら、介護職のキャリアを生かしてケアマネジャーの資格を取るか、福祉全体に目を向けて社会福祉士の資格を取るか、どちらかを考える人が多いと思います。
でも、僕は、介護以外のことを介護の現場に活かせないか、ということに興味を抱いています。
ヒーリング音楽で多少の収入を得ている
今は、人が心地よくなれる音や、素直に自分を語れるようなBGMについて研究していて、そうしたセミナーにでかけています。自分でも家で打ち込みをしながら曲を作っています。
これも、残業がなく、自分の時間を自由に使えることのメリットです。
実は、この「心理に影響を与える音楽」の分野では、ちょっとした収入も得ています。
ヨガスタジオやエステサロンをやっている知り合いから、お店のBGMとなる楽曲の提供を頼まれ、わずかですがギャランティをいただいているのです。
【転職後の次の目標】介護+αを考えて実践していきたい
今は、自分が興味を持っているヒーリング音楽の分野で、もう少し何か広げていく方法はないか、と模索しているところです。
こういうときには無理に介護関連の資格を得るより、横に視野を広げていくほうがいいのではないかと思っています。
介護の技術の向上だけで満足していない自分がいます。
介護+αで何か新しいことをやりたいという気持ちが強くなってきました。
介護にヒーリングの音楽をプラスすることで、何か介護業界にも道が開けるかもしれない。まだ会社に公表するようなことではないですが、自分なりに少し学んでいきたいと思っています。
今の会社に不満はないですが、「介護職」と言う仕事に刺激を与えるために、何かをしたいと考えています。
【外部の仲間との連携】優秀な外部の介護業界の人たちの力を借りる
以前の職場でも、「この職場の中だけに埋没したくない」という思いで転職しました。今もその思いを抱いています。
ただ、転職という形で自己実現をするのも違うと思っています。
今の会社の自由度の高さを大事にさせてもらって、いろんなものやいろんなコト、人とつながりたい。
実際、僕は外部研修に数多く出席し、いろんな人と知り合いました。
その中には、ファイナンシャルプランナーの資格を取って介護とマネープランを両面から見ている人もいれば、介護と旅行を結び付けている人もいる。
そういう人たちが、どうやって今のポジションを得て来たのか、交流をしながら探っていって、自分なりの新しい介護を見つけていきたいと考えています。
<三輪 泉(ライター・社会福祉士)>
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