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介護職への転職インタビュー:議員私設秘書から介護職へ

介護職への転職インタビュー:議員私設秘書から介護職へ

大学卒業後、アルバイトでいくつかの仕事を経験した後に議員の私設秘書を3年間務めたOさん。どんなきっかけでこれまでの経歴と全く関係のない介護業界へ転職し、介護職として働くことにしたのでしょうか。そのいきさつを伺います。

お話を伺った相談員さん

Oさん(40代後半・男性)
議員秘書(私設秘書)として、ドライバーなどの業務をしていたOさん。介護職になったのは、議員の祝賀会の場での紹介がきっかけでした。デイサービスの立ち上げから介護職をスタート。現在はケアマネジャーなど様々な現場で活躍しています。

 

前職:議員私設秘書
・勤続年数 3年
・雇用形態 正社員
・給料 約24万円/月(ボーナスなし)
・勤務日・勤務時間は議員の業務による(おおむね7時30分~18時、残業月40~50時間)
現職:居宅介護支援事業所のケアマネジャー、介護職員初任者研修講師、学童保育指導員 
・勤続年数 2年
・雇用形態 フリーランス
・給料 約25万円/月
・勤務日・勤務時間 不定期

 

現在の仕事・業務

■今、どんな仕事をしていますか?

 

法人の業務委託契約でケアマネジャーをしています。担当している利用者さんは15人です。

ケアマネジャーの仕事を中心に、業務委託契約をしている法人が運営する学童保育で週1回、プログラミングや科学実験の講師として働き、その他3か所の法人で介護職員初任者研修の講師もやっています。フリーランスとして働いていて、法人とは有期雇用契約となっています。

■介護業界でのご経験は?

 

最初はデイサービスの立ち上げをする職員として介護業界に入りました。別の法人に転職してケアハウス、特別養護老人ホームで介護職を5年以上経験しています。このふたつの法人では正職員でした。

介護業界に転職したきっかけ

■以前はどんな仕事をしていましたか?

 

大学を卒業してアルバイトでさまざまな仕事を経験した後、議員秘書(私設秘書)として3年間働いていました。主にドライバー業務が中心で、議員のスケジュールにより、1日中運転したり、出張のため駅までお送りしたり、その日によって業務の形や時間はバラバラでした。

選挙期間は非常に忙しかったです。公設秘書の人もいたので、互いに時間を融通し合い、業務を分担していました。

■介護職に転職したきっかけは?

 

議員秘書は、議員が落選したら仕事がなくなります。自分が議員になりたくて修行のつもりで勤務するのならよいのですが、そういうつもりはなかったので、不安定な身分では将来にも不安があると思い、いつかは転職したいと思っていました。

そんな中、議員の祝勝会に参加していたとき、その場にいた青年会議所の若い経営者の方と知り合い、あとから「知り合いがデイサービスを立ち上げたいというので、手伝ってあげてくれないか」と連絡をもらったんです。

介護業界にはまったく縁がなかったので驚きましたが、立ち上げから参加できるのはおもしろそうだと思い、紹介された経営者の方と二人三脚で、デイサービスの立ち上げをすることになりました。

■デイサービスでの業務を教えてください

 

管理者として、デイサービス全体の運営、職員のシフト管理や教育、利用者獲得のための営業をするほか、介護の実務、送迎などすべての業務に関わりました。

お泊まりデイもありましたので、勤務は早番、日勤、遅番、夜勤の4パターンがありましたが、日勤の場合は以下のとおりです。

<1日のスケジュール>
9:00 出勤 請求業務、入所の書類関係など事務仕事をしつつ、現場業務も行う。
13:00~14:00 昼休み。事務作業をしながら昼食を取ることが多い。
14:00~16:00 事務作業
16:00 この時間に帰宅する利用者さんの送迎。送迎後は事務作業や現場業務を行う。
19:00 夕食を食べて帰る利用者さんの送迎
20:00 業務終了

転職前に不安だったこと

■介護職としての仕事に不安はありませんでしたか?

 

やったことがない仕事ですから、経験がないことに不安はありました。また、管理者になることが決まっていたので、介護の実務以外にも、ちゃんと黒字で運営していけるのかという不安もありました

ただ、高齢者と関わることそのものにはそれほど不安はありませんでした。小さい頃から祖父母と暮らしていたことが大きかったかもしれません。

この仕事をしようと決めて議員に伝えたときに、「合っていると思うよ、介護の仕事を紹介しようと思っていたんだ」と言われました。そんな言葉も後押しになりました。

介護業界に転職するために準備したこと

■転職する前に準備したことはありますか?

 

デイサービスの開設準備をしているときに東日本大震災が起こり、すぐに立ち上げるのが難しくなったので、しばらくの間、他のデイサービスに研修に行かせてもらったんです。5~6カ所のデイサービスで介護職として働かせていただき、実務を身に付けられたのが良かったと思います。

デイサービスでの研修では施設ごとの違いを実際に見ることができ、最適な運営をするにはどうしたらいいかの大きなヒントにもなりました。その頃にヘルパー2級も取得し、学びと現場を合致させながら技術を身につけることができたのも、収穫だったと思います

介護職に転職してよかったこと・大変なこと

■介護職に転職してよかったことは何ですか?

 

議員秘書のように、「議員が落選したら仕事がなくなる」という不安定さがなくなりました。

■介護職に転職して大変だと思ったことは何ですか?

 

新設のデイサービスだったので、ケアマネジャーさんに「どんな方でも引き受けます」と伝えたところ、介護度が高い方や大声で怒鳴る方など、いわゆる困難ケースの方がたくさん来られ、スタッフが大変な思いをしました。

けれどチームワークはよかったので、「みんなでがんばっていこう」と協力しあって乗り越えました。結果的によい環境を作ることができたと思います。

介護の仕事に役立つスキル

■これまでの経験やスキルで転職後に役立ったものはありますか?

 

議員秘書時代、ドライバーをしていたので、利用者さんを安全に送迎する技術には自信がありましたね。

また、事務作業においても管理者として正式な文章を送ったり、電話でていねいな受け答えをするなど、議員秘書として学んだ対応の仕方が役立ったと思います。

今後の目標

■今後の目標や、やりたいことはありますか?

 

当初のデイサービスは少人数のスタッフで泊まりもやっていたため、激務で身体を壊しました。もう少し余裕を持って納得のできる介護をしたいと思い、ケアハウスや特別養護老人ホームなどを運営する法人に転職しています。転職後に介護職として働きながら、特別養護老人ホームの施設長を経験させてもらい、介護福祉士とケアマネジャーの資格を取得しました。

そして、より自分らしく介護に関わりたいという思いで、2年前からフリーランスとして働き始めました。現在は、教育業界大手の法人が運営する介護部門に、業務委託の形で関わっています。

ケアマネジャーとして働くほか、介護職員初任者研修の講師、教育部門の学童保育での講師、ホームページ作成など、さらに広くさまざまなことができる今の環境が気に入っています。

今後も、時代に即した新しいケアの形を考えながら、広い視野で介護に関わっていきたいと思っています。

取材・文:三輪 泉

社会福祉士、介護職員初任者研修、福祉住環境コーディネーター2級。
約30年前よりファッションや芸能、子育て、教育などを中心にライターとして活動。2012年、親の介護を機に社会福祉士国家資格を取得し、高齢者介護・医療・健康分野でのライターとしても活躍中。
現在は、法定成年後見人として支援が必要な方の財産管理や身上監護も行う。
介護、医療、教育、子育てなどのテーマを中心にWEB雑誌・書籍などの記事執筆を多数担当。

 

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