介護に携わる仕事として、目にすることが多い介護士と介護福祉士。名前が似ていることもあり、両者の違いはよくわからないという方も多いかもしれません。この記事では介護士と介護福祉士の違いについて徹底解説!必要な資格や給与や仕事内容の違いのほか、介護士から介護福祉士になるメリットについて詳しく解説します。
目次
1 介護士とは介護士とは、介護施設における高齢者や障害者の方々の日常生活のサポートを行う職種の総称です。着替えや入浴などの直接的な介助や、調理や洗濯などといった間接的な支援はもちろん、レクリエーションの提供や話し相手としての精神的ケアも行います。
資格の有無にかかわらず、介護の仕事に従事している方の総称として呼ばれるケースが多いです。
介護福祉士とは、「社会福祉士及び介護福祉士法」に基づいた介護分野で唯一の国家資格の保有者を指します。精神上・身体上の理由により、食事や入浴などの日常生活を営むことに支障がある方に対して介護を行います。
また、介護に従事する職員に対し、介助方法などの指導を行うことも役割の一つです。
つまり、「介護士」の総称のなかに「介護福祉士」が含まれているイメージです。
介護士と介護福祉士は介護業務を行うという点では同じですが、大きな違いの一つが資格の有無です。ここからは、資格の観点から介護士と介護福祉士の違いを解説します。
介護士は資格の有無に関係なく、介護業界で働く人のことを指す、いわば総称のようなものです。そのため資格のない状態でも介護士になれますが、自身のスキルアップのためには資格取得がおすすめです。
介護士に人気の高い資格として、「介護職員初任者研修」と「介護福祉士実務者研修 」の2つが挙げられます。
介護職員初任者研修とは介護職として働く上で基礎となる知識や技術を習得する研修です。無資格者は介護福祉士の指導・指示の下であれば身体介護できるのですが、訪問介護では身体介護ができません。
介護職員初任者研修に、合格することで訪問介護での身体介護が可能となり 、介護職としての仕事の幅を広げられます。
一方、介護福祉士実務者研修とは介護職員初任者研修の上位に位置付けられる資格です。幅広い利用者さんへ向けた介護提供能力と、医療的ケアの知識が習得できます。
なお、学んだ知識を現場で行うには喀痰吸引等研修など実務研修を行う必要があります。
介護福祉士は介護分野における唯一の国家資格です。資格を取得するには既定の受験資格を得て、介護福祉士国家試験に合格する必要があります。
つまり介護福祉士は、介護福祉国家試験に合格した方のみが名乗れるのです。
同じ職場で介護に携わるお仕事をされていても、保有している資格によって、給与や待遇に差があるのが一般的です。
ここからは、介護士と介護福祉士の給料面での違いについて解説します。
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護士の平均給料は常勤で317,540円とされています。前年のデータと比較すると16,550円のプラスとなっており、上昇傾向にあると言えます。
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」の保有資格別の平均給与額によると、介護福祉士の給料は331,690円とされています。前年のデータと比較すると介護士と同等程度の16,890円のプラスとなっています。
介護士全体の給料と比較すると、介護福祉士の資格保有者は14,150円給料が高いという結果です。つまり、国家資格保有者である介護福祉士は、多くの介護士より給料が高いという違いがあります。
介護に携わる業務をしていても保有している資格によって、担える業務内容に違いがあります。ここからは、介護士と介護福祉士の仕事内容における違いについて解説します。
介護士は、先ほど説明した介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修 を修了しているかによって、業務内容が大きく異なります。
無資格の場合、介護福祉士の指示がなければは掃除や洗濯などの「生活援助」やレク準備や備品管理などの「事務作業」などしかできませんが 、介護職員初任者研修を受講すると介護福祉士の指示がなくても入浴や食事などの介助を行う「身体介護」も可能となります。
また、実務者研修ではより応用的な技術や知識を学べるので、介護業務における幅を広げたいという方は積極的に研修に参加するべきと言えるでしょう。
介護福祉士は、介護にまつわる高い技術や知識を有すると認められる資格です。
介護の現場で活躍することはもちろん、同じ職場で働く介護士等のスタッフをまとめるリーダーや指導者としての業務や、施設の管理職を担う傾向があります。
さらに現場で行う介護業務の他にも、看護師やリハビリ職などのさまざまな職種と施設利用者の介護レベルや健康状態について検討したり、介護方針について計画を立てたりする役割もあります。
また、介護士の育成などの介護施設における経営的な視点から、マネジメント業務に携わることもあるでしょう。
介護サービスは成長産業であると言われており、介護士や介護福祉士の需要は今後ますます拡大していくでしょう。
ここからは、介護士と介護福祉士になるための方法の違いについて解説します。
介護施設などに採用されることで、介護士として働けます。未経験から仕事を始める方や異業種から転職をする方も多く、資格のない状態でも業務が可能です。
高齢化社会が進む日本において介護業界は人手不足といわれているため、介護士になるのは難しくないでしょう。
介護福祉士として働くためには、国家資格の取得が必須となります。介護福祉士の資格を取得する方法は、以下の3つです。
受験資格を得たうえで受験できる、資格試験は1年で1回実施されています。
試験では第1次の筆記試験と第2次の実技試験が行われますが、養成施設ルート・実務経験ルート・福祉高校ルートで受験資格を満たした場合は、いずれも実技試験が免除となります。
介護士は未経験からでもなれますが、介護士から介護福祉士になるには実務経験や知識・技能の習得が必要となります。
介護福祉士になるメリットは下記のように数多くあるので、介護職として働くうえではぜひ取得したい資格と言えるでしょう。
ここからは、介護福祉士になるメリットについて詳しく解説します。
介護福祉士になるための勉強の際、日々介護の現場で実践している介護業務についての幅広い知識を学びなおせます。
そのなかで、利用者さんに介護を提供する際に「なぜこのサービスが提供されるのか」という根拠となる部分への理解がより深まります。
また、利用者さんにとって必要な介護サービスを見直し、より利用者さんに寄り添う介護の提供ができるようになるでしょう。
介護福祉士として勤務する場合、職場のリーダーの立場になることが多いです。
業務に介護士への指導が含まれるため、経験を重ねてキャリアアップすることで管理職の立場を狙えるでしょう。
さらに、介護福祉士として実務経験を積むことで、サービス提供責任者やケアマネジャーといった職種を目指せます。
また、介護福祉士の資格を持っていることで、就職や転職をする際のアピールポイントにもなります。
介護福祉士の資格を持っていることは高度な介護技術や知識を持っている証明となり、さまざまな介護施設での活躍が期待されるでしょう。
介護福祉士としての実務経験があれば、人事担当者から即戦力になると判断され、就職や転職に有利になります。
介護福祉士の資格を取得していると、一般的な介護士より高い給料をもらえる可能性が高いです。
実際に令和4年度における介護士全体の給料は317,540円であるのに対し、介護福祉士の給料は331,690円となっています。
つまり、資格未取得の介護士が介護福祉士の資格を取得すると給料が上がる可能性が高いです。
介護士とは介護仕事に携わる人の総称で、そのなかでも介護福祉士国家試験に合格した方を介護福祉士と呼びます。介護福祉士国家試験に合格するためには、介護業務についての幅広い知識や技術を学ぶ必要があります。
しかし、介護福祉士として働くことができれば活躍の幅を広げられ、キャリアアップや給与のアップを見込めるでしょう。
介護福祉士資格を取得することでその他にも多くのメリットがあるので、介護業界で長く働きたいという方には、取得することをおすすめします。
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