仕事の幅が広がる資格をご紹介！
難病患者等ホームヘルパーの資格を活かせる就職先、仕事内容とは？
資格取得の方法や試験・研修の内容は？
難病患者等ホームヘルパーの資格について解説します！
難病患者等ホームヘルパーとは、難病を患い、自宅で療養している方の生活を支え、適切な介護サービスを提供するヘルパーの公的資格です。難病に関する専門的な知識と技術を養成する研修を受講し修了した人だけが、難病患者等ホームヘルパーを名乗ることができます。
難病患者等ホームヘルパーは、一般のホームヘルパーに必要な介護の知識や技術に加え、疾患の特性や支援のあり方を理解したうえで患者の生活介助や身体介護にあたり、利用者の多様化するニーズに対応します。また、利用者のQOL（生活の質）を向上させるため、自立と社会参加を促したり、患者や家族を心理的にサポートするのも大事な仕事です。
難病患者等ホームヘルパーは、養成研修を通して、難病に関する医学的知識のほか、患者や家族の心理や直面する課題、対応する福祉制度や心理的な援助方法などを学びます。
それにより、難病患者の方たちへの理解を深め、ヘルパーとして適切な介護サービスが提供できるようになります。難病患者が社会で自立して生活するのを助け、その家族の支えにもなる難病患者等ホームヘルパーは、介護職としてのやりがいも大きくなるでしょう。
難病患者等ホームヘルパーが活躍する職場は、難病患者の方を対象とした介護サービスを行っている訪問介護事業所です。
難病と指定される疾患にはいろいろな種類があり、当然ながら対応には難しさがあります。疾患の特徴や援助の仕方についての知識を持った難病患者等ホームヘルパーは、訪問介護事業所でも重宝されます。
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難病患者等ホームヘルパー養成研修には、「入門課程」「基礎課程Ⅰ」「基礎課程Ⅱ」の3種類があり、保有している資格によって受講可能な講座が異なります。
■入門課程の対象者
・介護福祉士
・平成25年末までにホームヘルパー3級課程研修を修了した者
■基礎課程Ⅰの対象者
・介護職員初任者研修修了者または履修中の者
・介護福祉士
・平成25年末までにホームヘルパー2級課程研修を修了した者
■基礎課程Ⅱの対象者
・介護福祉士実務者研修の修了者または履修中の者
・介護福祉士
・平成25年末までに介護職員基礎研修もしくはホームヘルパー1級課程研修を修了した者
難病患者等ホームヘルパー養成研修の概要について紹介します。
■研修日程
都道府県や各市町村が指定する事業者により随時開催されています。年間の開催回数や日程、受講できる課程の種類は各地域により異なりますので、各自治体のホームページを確認してください。
■申込方法
各自治体が定めた「難病患者等ホームヘルパー養成研修受講申込書」に記載し、指定の期間内に各送付先へ申し込みます。課程ごとに申込書や送付先が異なる場合もあるので注意しましょう。
■受講料
無料～1万円程度です。
難病患者等ホームヘルパー養成研修は都道府県や各地方自治体の指定機関で実施されています。実施スケジュールや詳細は、各自治体のホームページなどで確認してください。一例として、東京都の2021年度研修スケジュールを掲載します。
■東京都 2021年度「難病患者等ホームヘルパー養成研修」
| 開催日 | 課程 | 定員 | 研修会場 |
|---|---|---|---|
| 4月25日 | 基礎課程Ⅰ | 30名 | 未来ケアカレッジ北千住校 |
| 6月27日 | 基礎課程Ⅰ | 30名 | 未来ケアカレッジ新宿校 |
| 7月25日 | 基礎課程Ⅰ | 30名 | 未来ケアカレッジ町田校 |
| 8月28日 | 基礎課程Ⅰ | 30名 | 未来ケアカレッジ北千住校 |
| 10月31日 | 基礎課程Ⅰ | 30名 | 未来ケアカレッジ新宿校 |
| 12月4日 | 基礎課程Ⅰ | 30名 | 未来ケアカレッジ町田校 |
| 12月19日 | 基礎課程Ⅰ | 30名 | 未来ケアカレッジ北千住校 |
| 2月27日 | 基礎課程Ⅰ | 30名 | 未来ケアカレッジ新宿校 |
| 3月26日 | 基礎課程Ⅰ | 30名 | 未来ケアカレッジ町田校 |
■研修内容
入門講座・基礎課程Ⅰ・基礎課程Ⅱの3つの課程ごとに研修カリキュラムが用意されています。研修は5～8時間程度の講義で、1日で修了できます。
■カリキュラム内容（参考：兵庫県）
＜入門課程＞
１．難病の保健・医療・福祉制度
・難病の保健・医療・福祉の背景と動向
・難病の保健・医療・福祉の制度とサービスの種類、内容、役割の理解
２．難病の基礎知識
・難病についての正しい概念
・パーキンソン病、全身性エリテマトーデス等患者数の多い疾患
３．患者の心理と家族の理解
・難病患者の生活行動と心理
・難病患者の人間関係及び患者とのコミュニケーション
・難病患者への心理学的援助の実際
・難病患者の家族ストレス
・難病患者の家族とのコミュニケーションと援助
＜基礎課程Ⅰ＞
１．難病の保健・医療・福祉制度
・難病の保健・医療・福祉の背景と動向
・難病の保健・医療・福祉の制度とサービスの種類、内容、役割の理解
２．難病の基礎知識
・難病についての正しい概念
・パーキンソン病、全身性エリテマトーデス等患者数の多い疾患
３．患者の心理と家族の理解
・難病患者の生活行動と心理
・難病患者の人間関係及び患者とのコミュニケーション
・難病患者への心理学的援助の実際
・難病患者の家族ストレス
・難病患者の家族とのコミュニケーションと援助
＜基礎課程Ⅱ＞
１．難病の保健・医療・福祉制度
・難病の保健・医療・福祉制度とサービスの詳細な把握
２．難病の基礎知識
・難病各疾患及び難病に関する保健の知識
３．難病患者の心理学的援助法
・心理学的リハビリテーションの効果的な援助方法の概要把握と、その基本視点の難病ホームヘルプサービスへの活用
４．難病に関する介護の事例検討
・市町村の保健部門及び保健所の難病関連事務の学習
・難病のケースで関わることの多い異職種や他のサービスとの連携、調整等の事例検討
■修了試験
研修（各課程）終了後、当日に修了証書が交付されます。研修後の試験はありません。
そのため研修を受けた人は全員が修了証書を受け取ることができます。その修了証書が資格証となります。
一般的に訪問介護事業所で働くヘルパーは、介護職員初任者研修などの資格を取得し、介護の知識や技術を身につけて働いています。その資格で多くの利用者を介護することができますが、在宅での援助を必要としている人は、高齢者だけに限りません。難病と呼ばれる病を患い、さまざまな支援を必要とする在宅療養者の方もいます。
難病患者等ホームヘルパーの資格を取得すれば、難病に関する知識や、難病患者の方への対応方法を身につけることができます。ヘルパーとしての活躍の場を広げられるのはもちろん、質の高い介護を提供できることで、介護職としてのやりがいも大きくなるでしょう。もちろん転職の際も、専門性をアピールできるので有利になります。
難病患者等ホームヘルパーは、取得が難しい資格ではありません。研修を1日受講するだけで修了できますから、ヘルパーとしてのスキルアップをめざす人はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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