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2022年09月15日

認知症の人と家族の会 認知症家族支援ガイドを作成

認知症の人と家族の会 認知症家族支援ガイドを作成

日本の認知症の人の数は2025年には約700万人と、高齢者の5人に1人が発症すると予測されている。

今年3月、認知症の人と家族の会は「認知症のある生活に備える手引き」を認知症に関わる家族に向けて発行した。

この手引きでは、家族が認知症の診断前から介護が必要になる生活に備えるための知識や事例、相談先などについて紹介している。

9月21日は「世界アルツハイマーデー」。認知症が一般的な病となる中、一様ではない症状について周囲の正しい理解が欠かせない。同手引きの中からポイントを解説する。

体調の変化に気づけるよう規則正しい生活を

認知症は、▽全体の6~7割を占めるアルツハイマー型認知症▽脳血管の障害に続いて発症する血管性認知症▽実在しない人が見えたり、手が震える等の症状が出るレビー小体型認知症▽万引きなど常識から逸脱した行動や、感情の抑制が効かなくなるなどの症状が見られる前頭側頭型認知症――に大きく分けられる。

他にも、頭部の外傷に伴うものやビタミン、ホルモンの不足が認知機能の低下を起こす場合もある。これらに関しては、正しく診断して原因を取り除くことで症状の改善が期待されるため、より早期の受診が必要となる。

物忘れが目立つ、意欲がなくなり怒りやすくなったなどの症状があれば認知症を疑い、早期に医療機関を受診し、必要なサービスを利用したり、家族のつどいなどに相談する。

そのためにもわずかな体調の変化に気づけるように普段から適度な運動、食事、睡眠を取り、規則正しい生活を送ることが大切だ。

症状に応じた関わりを大切に

アルツハイマー病は、物忘れから始まり、次第に時間や人、場所の感覚が低下する。

昔からよく行っていた動作は体に染みこんでいることも多く、歯磨きなどは歯ブラシを渡し、はじめの動作を誘導すると自然にできることもある。

血管性認知症は、原因となった脳血管の障害のため麻痺などの症状と、場所や日時は覚えていないが、人の顔は覚えているなど記憶のまだらな低下が見られる。体を動かす機会や人とのふれあいの時間を持つように働きかける。 レビー小体型認知症に特徴的な幻視は、家には見えていなくても本人にとっては事実であり、見えているものとして対応すると安心感につながる。

前頭側頭型認知症はその人らしさを司る前頭葉と、記憶に関連する側頭葉が委縮する。繰り返しの動作や決めた行為は必ず実施する特徴があり、本人が興味をもつ活動や、繰り返しの多い作業を取り入れることで社会参加の機会を増やすことが出来る。

どの病型も進行とともに、認知症の人自身も不安や動揺を抱えることになる。

家族を含めた介護者が、その気持ちに寄り添い関わりを持つことが大切だ。

もしもの時に備えた人生会議を

多くの場合、認知症の診断を受けた本人と家族は、うつ的になり将来介護が必要になることに絶望する。

重要なのは認知症の診断が介護のはじまりではないことだ。一方で、認知症は進行性の病気でもあり、診断された「いま」が、認知機能が最良のときとなる。

「もしものときのために、自身が望む医療やケアについて前もって考え、家族や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取り組み」をアドバンス・ケアプランニングや人生会議という。日頃から認知症の本人の希望を話し合っておくことが、症状が進んだ時も、その人の望む介護につながる。

「家族の人生も大事」から「家族の人生が大事」へ

認知症の人の家族は、それぞれの役割の中で日々がんばっている。しかし、だれかが犠牲になることで成り立つ「お世話」には無理がある。自分の生活を大事にしながら家族を支える方法は、家族の数だけある。まずは、誰かに相談することが重要だ。

相談することで、悩みに対する助言を受けられたり、支援を受けられる場所が見つかる。市町村の窓口に行くことがためらわれたら、電話相談や家族のつどいに出かけるのもよい方法だ。

家族は認知症の診断に対し、混乱や怒り、拒絶を示す時期がある。

この時期にこそ各種サービスの利用や相談相手を見つけることを通して、認知症に対する正しい知識を持つことが求められる。

困ったときに相談できる場所を知っておく

認知症の人を支える人同士が「自分だけではなかった」と支えあえるピアサポートの場として、認知症家族交流会が各地で開かれている。実際に介護をしている人の話を聞くことが病気への理解を深める一番の近道となる。

実際のサービスの利用に関しては、地域の高齢者を支えるために設置された地域包括支援センターへ相談するとよい。

その他、医療機関や成年後見人制度の利用などの情報についても紹介している。

<シルバー産業新聞 2022年9月10日号>

   

 

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