在宅介護の中心になるデイサービスの職員にとって、家での生活とデイサービスでの生活をどうつなげていくかが、介護の大きなポイントになります。実際に職員や家族はどう考えているのでしょうか。デイサービス職員と利用者家族との連携について2回に分けてお伝えします。
※以下、家=利用者の家族、デ=デイサービス職員
朝のしたくが不十分だと、ほかの利用者さんの迷惑に
勉強会の様子
デ1 デイサービスに来られる利用者さんのご家族、とひとことでいっても、本当にそれぞれ違いがありますね。とても協力的な方もいれば、こんなに無関心でいいのかな、と思うような方まで(笑)。
家1 どういう家族が困るんですか?
デ2 そうですね……。たとえば、お迎えに行ったときに、利用者さんのしたくがぜんぜんできていないとか。そういうご家族はよくいらっしゃいます。
デ3 そう。持ち物も着替えの準備もできてなくて。ヘタすると、まだ寝ていたり(笑)。起こして、したくしているのを待っていると、その後の送迎がどんどん遅れてしまい、あとから乗せる利用者さんに迷惑がかかります。
デ4 お迎えに行ったときに、便失禁されていて。「ああ、ちょうどよかった、デイサービスで替えてもらいましょう」みたいな方もいます(笑)。
デ3 ああ、ありますね。しかたないとはいえ……。あまり状態がひどいとデイサービスに着いたら、すぐに入浴できるよう、電話してスタッフに「お湯張っといて」と手配したり、準備してもらったり。職員全体の仕事のスケジュールも変わってしまうんですよね。
家2 ちょっとした家族の「うっかり」が、職員の方々に多大な迷惑をかけている。案外、気づかなかったりしますね、すみません。
デ1 そう思っていただけるだけで心がなごみます(笑)。
家3 でも、「うっかり」ならまだいいかもしれませんが、「無関心」は困るでしょう?
デ2 本当に家族は利用者さんに関心を持っているのかな、と心配になるご家族もいますね。「自分で着替えられるはず」と家族は言うけれど、何日も同じ服を着ている利用者さんもいて。男性の家族の中には、奥さんの介護をしていても、着替えもオムツ替えもできない方がいますね。
連絡帳は、大事な連携ツール
イメージ写真
デ1 連絡帳も、読んでないなあ、と思う方も。
家3 私は、連絡帳、楽しみなんです。デイサービスでの様子がよくわかりますし、どんなことを書いてくださっているか、帰ってくるとすぐ見てしまう。
デ1 そういう方は、家での様子をしっかり書いてくださるので助かるんです。家でどんなふうに過ごしているか、不調はないかなど、知っておけば、よりよいサービスができます。
家1 デイサービスと家族の連携が、利用者を心地よく、健康にするんですね。
デ4 そうですね。そのために、プロである私たちが、もっと工夫をすべきだと、私は思っています。こちらも、読みたくなるようなことを連絡帳に書く努力をしないと。義務みたいに箇条書きにしないとか、ね(笑)。
デ全員 ホントにそうですね、今日も勉強になりました。
*東京の目黒で行われた勉強会の発言をもとに、編集部がまとめています。なお、発言の内容は、あくまで参加者の個人的な見解です。ご了承ください。
次回も「デイサービスと家族との連携」をテーマにしたディスカッションをお伝えします。