毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。
今週は、「転職活動の要!施設見学会でのチェックポイント」という話題について紹介します。
介護施設への転職では職場見学も重要!
インターネットの求人サイトが普及したことにより、求職者が得られる情報は以前に比べて飛躍的に増えたが、インターネットから得られる情報には限界があるのもこれまた事実。職場の雰囲気を自分の目で見て確かめることも大切だ。
介護業界の良いところの1つは、職場の見学会を行っている事業所が多いこと。
見学会ではどのような点をチェックすれば良いのだろう。
40代の女性・オオノさんが働いている介護付き有料老人ホームは、転職・就職希望者がいれば、希望に応じて随時、見学会を開催している。オオノさんがいう。
「ウチの施設は数年前まで転職・就職希望者向けの見学会は行っていませんでした。
スタッフの負担が大きいこともありますが、一番の理由は、入居者の方々がスタッフ以外の人の目にさらされることを避けるためでした。
入居者のためを思って見学会は行っていなかったのですが、ある日、施設に設置している『ご意見箱』に
『施設見学会をしていないのは、やましい点があるからでは?』という主旨の投書が入居者のご家族の方から寄せられたんです。
そこで方針を180度転換し、積極的に見学会を行うようになりました」
当然のことだが、入居者と家族には見学会が行われることを伝え、見学会参加者にも事前に案内用紙を渡し、入居者が負担に感じないような注意を払っているという。
“見学される側”として施設見学会の企画や進行を担当しているというオオノさん。
見学会の参加希望者からの質問に答えたり、見学会経由で就職したスタッフと話しているうちに、大事なチェックポイントに気付いたそうだ。
ポイント1『質問に答えてもらえるか』
「施設によっては、見学者が来る時だけ、普段とは違うことをする施設もあるようです。以前、別の施設で働いていたスタッフは、『見学会の時だけ着るキレイなユニフォームがあった』『見学会の時だけ来るスタッフがいた』と言っていました。
けれどもそんな“ウソ”は、就職すればすぐにバレますよね。
だから、
疑問に思ったことは率直に質問するのが一番です。
『いつもそんなにキレイな服で働いているんですか?』『スタッフはいつもこんなにいっぱいいるんですか?』と、単刀直入に聞けば良いと思います。
見学者の質問に対して『上司に確認します』など、言い淀むようなことがあるようなら、風通しの悪い職場であることが懸念されます。」
ポイント2『見学会が流れ作業になっていないか』
さらに、見学会でのスタッフの動きについてオオノさんはこう語る。
「見学会を早く打ち切ろうとするパターンも多いようです。もちろんスケジュール通りにことを進めるのは大切なことですが、
見学会の一番の目的は、施設の良さを知ってもらうこと。見学会を通して施設の理念を理解した上で働いてもらえるのが、転職希望者にとっても施設にとってもメリットだと思っています。
施設の特徴について丁寧に説明をしてくれたり、見学者の質問にも真剣に答えてくれる施設の方が、就職後もスタッフを大切にしてくれるから安心ですよね。
見学会が流れ作業のように感じたとすれば、要注意だと思います」
施設見学会では、気になることは何でも質問を!
オオノさんは、「
気になったら、何でもどんどん聞けば良いんですよ。そのための見学会なんですから」と、アドバイスしている。
気になる施設があれば、まずは見学会の有無をチェック。
さらに見学会では気になることをどんどん質問すれば、きっと自分に合った長く働ける職場を見つけることができそうだ。