毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。
今週は、「働きやすい施設の見分け方」という話題について紹介します。
自分にぴったりの転職先を探すヒントは―?
新たな仕事を探す際、頼りになるのが求人広告。
ただ、求職者はついつい労働条件ばかり気にしてしまいがちだが、本当に大切なのは、
「自分がその会社にフィットできるのか」「その会社は本当に自分を必要としているのか」といったことではないだろうか。
仕事探しをする時には、スペースが限られた求人広告の数少ない情報から、少しでも多くの情報を汲み取る必要がある。
自分に合った会社を見つけ出すために、何か良いヒントはないのだろうか?
求人広告のこのフレーズをチェック!
20代の頃、転々と職業を変え、20代の終わりに介護業界に転職。そこでも数回転職を繰り返したフジイさんがいう。
「私がまずチェックするのは、求人広告に一番大きな字で書かれたフレーズです。
例えば『未経験OK・無資格OK』と書かれている施設は、スタッフが足りていないところが多かったです。そうすると、勤務時間などで多少の融通が利くことが期待できますよね。
給与を全面に打ち出しているところや、あまりにも給与が高いところなら、その分、仕事は激務だと想像できます。
福利厚生をアピールしている法人であれば、経営が安定している証拠ですし、託児所や保育所の存在を宣伝文句にしているところはシングルマザーが多く働いているでしょうから、その点で合う・合わないの判断が多少はできるでしょう」
募集している年代で、職場の雰囲気がわかる?!
中には、とりあえず転職してみてイヤだったら辞めるという人もいるようだが、自分の経験だけでなく職場の同僚や利用者さんのためにも、できることなら職場はコロコロと変えたくないもの。
フジイさんの過去の経験では、
「年齢や年代」も重要なキーワードだという。
「ベテランを大募集していた施設は、若者が転職してきてもうまく育てられるスタッフがおらず、新人がどんどん辞めてしまうということが続きました。
労働条件がどれだけ良くても、人材育成が進んでいない施設は要注意ですよね。
一方、『未経験者歓迎』『若い力を募集』などの言葉で若手スタッフを募集している施設は、ベテランスタッフが多くいて、派閥などが出来上がっているパターンが想像できます。
男女のバランスが良く、スタッフの年齢構成が幅広い施設の方が、人間関係に悩まされることは少なかったように感じますね」
一番大切なことは「実際に働く人や利用者の表情」
これらの見解は、あくまでもフジイさんが自身の体験から語ったものだが、いくつもの施設で働いてきたフジイさんだけに説得力はある。
最後にフジイさんはこう語る。
「結局は職場となる施設を見学してみて、利用者の表情を見るのが一番だと思います。利用者が笑顔でなければ、スタッフは笑顔で働くことはできません。
逆に言えば、
スタッフが笑顔で働くことで、初めて利用者の顔に笑顔が生まれると思うんです」
求人広告で選り好みしすぎるのも問題だが、求人広告に書かれたフレーズは、応募者へのメッセージ。
そこから何を汲み取ることができるのか、転職活動はすでにそこから始まっているとも言えそうだ。