毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。今週は、「介護業界 男性スタッフは大人気」という話題について紹介します。
男性が少ない介護現場。でも、本当は男性が活躍できる場が多い
公益財団法人の介護労働安定センターが2019年に発表したデータによると、介護職全体の男女の比率は、女性が72.0%で男性はわずか20.6%。訪問介護員(訪問ヘルパー)については女性が79.3%を占めており、圧倒的に女性が多くなっている。
このような状況のなか、「男性が介護職を目指すのは現実的だろうか?」「仕事はやりにくくないだろうか?」 そんな風に不安に思う男性がいるかもしれない。
介護事業所で十数年働き、自身が訪問ヘルパーとして働く一方、採用の担当も任されているHさん(女性)は、男性ヘルパーについてこう語る。
「男性スタッフは大歓迎ですね。ウチの事業所も、喉から手が出るほど欲しいです。介護の仕事は、いわゆる力仕事ではありません。実際、ウチには70代の女性スタッフもいます。けれども実際には、力があったほうがスムーズにことが運ぶシーンは少なくありません。
利用者の身体を起こしたり、車いすに乗せたり、お風呂に入れたり…、利用者によっては女性スタッフより身長が大きかったり、体重が重い人もいます。そういった人のお世話をするには、やはり力はあるに越したことはありません。利用者がつまずいたり、転んだりしそうになった時など、咄嗟の瞬間に身体を支えるには、男性の力があった方がいいケースも多いんです。」
男性スタッフの方が離職率は低い?
「決して、『腕力がなければ、介護の仕事はできない』というわけではありませんが…」と、強調するHさん。「男性スタッフが欲しい」もう1つの理由も語ってくれた。
「ウチの施設では、男性スタッフの方が離職率が低いんですよね。その理由を考えてみると、やっぱり男性の方が、“家計を支える仕事”として捉えてるっていう印象はあります。
なんやかんや言っても、女性には『結婚する』『夫や男性に養ってもらう』という道があるじゃないですか。その点、男性は『嫌でも自分で稼がなきゃいけない』という感覚があるんじゃないでしょうか。不平や不満が無いわけじゃないでしょうが、男性スタッフの方が、『仕事というのは辛くて当たり前』『お金を頂いているからには、きちんとやるべきことをやる』といった感覚を持っているような気がします。まあ、うちの職場の男性が特別に忍耐強いのかもしれませんけど(笑)」
そしてHさんは冗談交じりにこう付け加える。
「女性ばっかりの職場ですから、若い男性スタッフは職員からも利用者からもモテモテですよ。ただ、50代や60代の女性ばっかりですけど(笑)」
Hさんの下で働く男性スタッフの中には、利用者や職員からバレンタインデーにチョコレートを10個以上もらったという人もいるのだそう。ルール上は、利用者からの贈り物は受け取らない決まりになっているが、Hさんは「受け取らないほうが失礼だから」と、チョコを受け取るよう指示したそうだ。
貴重な存在である男性介護職。今後、もっと増えていくことに期待したい。
公開日:2016/7/18
最終更新日:2019/9/17
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