毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。
今週は、「子育て中のヘルパーさん、手取りを教えて」という話題を紹介します。
給与、勤務時間…。介護業界の労働条件は?
仕事を探す際、多くの人が重要視するのは仕事内容だが、それと同じぐらい大切なのが労働条件。
どれだけやりがいがあっても、仕事が超ハードだったり、時給や給料、賞与がものすごく安かったりすれば、長続きしないのは言うまでもない。
介護業界で働いている人たちは、どんな条件で働いているのだろうか?
都内で広く介護事業を展開する会社で、登録ヘルパーとして働いているオオタさんに聞いてみた。
登録ヘルパーとして働くオオタさんの給与事情は?
登録ヘルパーとは、訪問介護事業所に
働きたい曜日や時間を登録して、仕事を紹介してもらう訪問介護の働き方の1つ。
実務者研修修了の資格を持つオオタさんはシングルマザーでもある30代の女性。
現在働いている会社での、登録ヘルパーとしての業務や給与について、こう語る。
「訪問ヘルパーの仕事には
生活援助業務と身体介護業務がありますが、ウチの会社の時給は、生活援助業務だけでも周囲の事業所と比べると300円ほど高いです。
しかも、土・日・祝日のシフトは時給15%アップ、年末年始には50%もアップします。
私は今の会社に登録した時、すでに資格を持っていましたが、周りのスタッフには資格も経験も無いまま登録した人もいます。なんと、初任者研修や実務者研修の費用はすべて会社負担なんです。登録したヘルパーは無料で受講させてくれます。正社員への登用制度もあります」
ボーナスや手当が充実!登録ヘルパーの職場を選んだワケ
小さな子供を育てながら仕事をしているオオタさん。
働ける時間は限られているが、生活を手助けしてくれる手当も色々用意されていることが、転職先として選んだ決め手だったという。
「ウチの会社では、
登録ヘルパーにも年1回ボーナスが支給されます。
出勤日数や貢献度でボーナスの額が決まるようで、細かい算出方法はわかりませんが、私の場合、昨年は1.5か月分ぐらい頂きました。
事業所への通勤時も利用者さん宅への訪問時も
交通費は全額支給されますし、子供が小学校に入るまでは月5000円の
子育て手当が支給されます。
定期検診やインフルエンザの予防接種は無料ですし、会社都合で就労時間が減った場合でも、ある程度まで給与が保障されます。
一定の労働時間に達することが条件ですが、社会保険も完備されていることも安心できるので、今の会社に登録しようと思いましたね」
登録ヘルパーの月収は?
かなり好待遇な会社であるようだが、登録ヘルパーとして働くオオタさんの気になる手取りはいくらなのだろうか?
『給与明細は見せられないが、だいたいの額で良ければ』という条件で教えてもらえた。
「今は、週5日のシフトで、1日およそ5軒のお宅を訪問しています。
諸々の手当を含めて、額面で20万円台の半ば。手取りで20万円といったところですね。
日曜日や祝日は子供を保育園にあずけられないので、シフトを入れていませんが、
手当がつく土曜日にフルに働くことで、何とか今の収入をキープしています」
いずれは介護福祉士の資格を取り、正社員になってフルタイムで働くことで、給与アップを狙っているというオオタさん。
小さな子供を育てながら逞しく働くオオタさんには会社も期待しており、すでに“パートなのに幹部候補”なのだとか。
自分が希望した曜日や時間帯に働けることが、登録ヘルパーのメリット。
小さな子供がいたり、親の介護があったりと、何らかの理由で働ける時間が限られている人にとって、オオタさんのような働き方は1つの参考になりそうだ。