◆グループホーム、デイサービス(契約社員/介護職) → デイサービス(契約社員/介護職)→住宅型有料老人ホーム(契約社員/施設長)
M・Oさん(女性・33歳)
●グループホーム、デイサービス(勤務期間:2年)
●デイサービス、住宅型有料老人ホーム(勤務期間:1年/月給手取り約19万円、ボーナス年1回15万円)
保有資格:ヘルパー2級(現介護職員初任者研修)
家族構成:夫、長男(4歳)
*M・Oさんの「転職 成功・失敗 体験談」…
1回目、2回目、
3回目、
4回目(最終回)はこちら
【契約社員でキャリアアップ】入社半年の介護職からホーム長へ
同じ法人のグループホーム、デイサービスを経て、住宅型有料老人ホームに転職しました。
入社してみると、本部はみんな正社員だけれど、現場は契約社員で正社員になることはできないと知って、衝撃を受けました。
契約社員からいずれ正社員になれると聞いていたのに――。
夫は自営業で、毎月の収入に波があります。私も安心して暮らせるような基盤づくりに協力しなければと思っていました。それなのに、あてがはずれてしまいました。
けれど私の場合、前の職場は辞めてしまったし、生活のことを考えると、また一から就職先を探すのも大変です。
何より、今度の職場は家から自転車で10分の距離。保育園の送り迎えにも便利です。とりあえず週5日は通うので、健康保険と厚生年金もあります。
ならば、少し我慢して様子を見ようと思いました。
それに、この法人はそれほど人材がそろっていない。もし私がここでがんばれば、本部に行ける可能性もないわけじゃない、と思ったのです。
そう思って働きはじめてから半年。その期間でホーム長が2人入れ替わり、3人目は私にホーム長の打診がありました。
これからは、とにかく「32歳の若さで、介護福祉士の資格もないホーム長」として、がんばっていかなければならない。それに本部への道も近づいたかもしれない。
必要な衛生関係や防火関係の資格を取得し、私は法人一の若いホーム長になりました。
【住宅型とデイの兼務】デイサービスで雇われたが住宅型有料老人ホームの施設長に
うちの住宅型有料老人ホームでは、有料老人ホームの同系列が経営しているデイサービスが併設され、利用者さんは朝から夕食までデイのお部屋で過ごします。
通常の職員は、どちらかの勤務になりますが、ホーム長は法的にも兼務が許されているので、私は住宅型有料老人ホームのホーム長となり、デイサービスの現職にもときどき入ることになりました。
ホーム長としての仕事が主ですが、デイサービスのスタッフが足りないときなどにヘルプに入ります。
ホーム長の仕事は、スタッフの人事管理や給料の計算や支給準備、本部とのやりとりなど、事務的な作業が多いです。
しかし、スタッフ同士のコミュニケーションを図ること、やりがいを見出してもらうようなやり方を考えることも、大切な仕事です。
ときには、スタッフ同士のトラブルの解決も。お互いの話をよく聞くことが大切なので、相談室などで思うことをすべて吐き出してもらうこともあります。
話すうちに、自身で解決策を見いだせる方も多いので、「とにかく話を聴く」をモットーにしています。
デイサービスでは、生活介護、身体介護だけでなく、利用者さんが活性化して過ごせるよう、レクリエーションを考えて実践するのも大切な仕事です。
私の場合は兼務なので、事務所で事務作業や本部との電話打ち合わせをし、合間を見てデイでの入浴介助や食事の配膳のフォローをしたりと、かなり忙しいです。
ただ、併設のデイサービスなので、利用者さんの送迎は利用さんの自室からデイサービスの数十メートルだけ。
したくに時間がかかったり、「行きたくない」と言う利用者さんもまずいらっしゃらないので、そこは通常のデイサービスの職員よりもラクな点ですね。
【勤務条件の交渉】面接時にお願いした「希望休」が、入社後ムリだと言われた
入社の面談のときは、条件面ではあまりいろいろな希望は出しませんでした。けれど、「希望休」だけは確保したくて、それだけは強くお願いしました。
夫は自営業なので、自宅にいることも多く時間の自由がききますが、月に2~3回ほどは販売業務で朝から夜まで出掛けます。
その日は家事も育児も頼めません。だから、夫の販売業務の日に合わせて、私が休みを取って、家事や育児を一手にしなければならないのです。
そんな事情も話したのに、入社してみたら「希望休は受け付けられない」と言われました。ですがこの条件だけは変えることができません。
これだけは、入社後にエリアマネージャーに交渉しました。「夫の都合に合わせて月に2~3日休ませてもらえないなら、仕事を続けていくことができません」と。
すると、本部で話し合ってくれたのか、承諾してくれました。
どうしてもこれだけは、という条件は、やはりきちんとお話したほうがいいと思います。
最近は、ホーム内も落ち着いてきて、夜勤を手伝うのも月に1回あるかないかで、ほっとしています。子どもがまだ小さいので、一緒にいてあげたいですよね。
【契約社員ホーム長の給与】考えていた給与の最低ラインはクリア
当初、面接のときにお給料のことを聞きました。
考えていたお給料の条件は、日勤中心の勤務で9時から18時ぐらい、それで手取り月給15万円は確保したいと思っていました。
そのラインはクリアしました。だから、給料についてはあまり細かい要求はしませんでした。ホーム長になってからは手当がついたので、それも含めて手取り19万円。
ちょっと安いな、と思いますが、若いしキャリアがないからしょうがないか、と思っています。
【資格の必要性】有料老人ホームのホーム長に資格は不要
ホーム長になるには介護福祉士資格くらいないと、と思っている人は多いですが、有料老人ホームの規定では特に必要ありません。減算になることもないです。
うちの本部も、私が若くて経験が薄いことは気にしていたと思いますが、介護福祉士資格を取得していないことは、それほど問題にしていなかったと思います。
私が介護福祉士資格を取得していないのは、入社当時にまだキャリアが2年しかなかったから。
最近になってようやく資格要件がそろったので、研修を受けながら、資格取得に向かっていこうと思います。
ケアマネジャーなど、その先の資格のことは正直まだ実感がありません。
でも、この業界で70歳ぐらいまで働くつもりでいるので、さまざまな形でキャリアアップを目指していきたいと思います。
次回は、実際の仕事内容について語っていただきます。
<三輪 泉(ライター・社会福祉士)>
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●先輩たちの職場選びの失敗事例に学ぼう
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