◆定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所(パート/ヘルパー) → 居宅介護支援事業所(正職員/ケアマネジャー・管理者)
H・Eさん(女性・38歳)
●定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所(勤務期間:2年/手取り22万円)
●居宅介護支援事業所(勤務期間:3年/手取り19万円/ケアマネ手当あり・管理者手当なし)
介護業界でのその他経験:訪問介護(正職員/ヘルパー/1年半)、特別養護老人ホーム(正職員/介護職/1年半)、急性期病院(契約職員/ケアワーカー/1年)、特別養護老人ホーム(正職員/介護職・ケアマネジャー/6年)、特別養護老人ホーム(正職員/ケアマネジャー/6年)
保有資格:ヘルパー2級(現介護職員初任者研修)、介護福祉士、介護支援専門員(ケアマネジャー)
家族構成:一人暮らし
*H・Eさんの「転職 成功・失敗 体験談」…
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【転職の条件】「成長できるかどうか」を常に考えてきた
一人前になるために、学びがある職場を探して転職
自分は転職で何を条件にしてきたかを考えると、処遇についてはほとんど考えてこなかったように思います。
今の居宅介護支援事業所での給料は、「安い!」と思っていた定期巡回のヘルパーのときより安いですし。
処遇ということでいえば、6年間、正職員で勤めた特別養護老人ホームが一番恵まれていました。給料の点でいっても、今より年収は100万円ぐらい多かったと思います。
思えば、転職したときはいつも、「もっと成長したい」と思っていたように思います。
安定していた特養から定期巡回の訪問介護事業所に転職したのも、「ぬるま湯につかっていては自分はこれ以上伸びない」と考えたから。
定期巡回から今の職場に転職したのも、「ケアマネジャーとして一人前になりたい」という思いからでした。
正職員であるか、給料はいいか、という点は後回しにしてしまい、「もっと学べる職場で働きたい」との思いが強くなってしまうのです。
性分だからそこは仕方がないのですが、それでもやはり今の職場は給料が安すぎると感じています。
管理者としての仕事もプラスして行っているのだから、その分、ちゃんと給料を上げてほしいと交渉するつもりです。
働き始めてから給料の交渉をすることにならないように、転職するとき最初にきちんと処遇の話はしたほうがよかったと、少し反省しています。
給料や役職より「今やるべきこと」を重視した
給料だけでなく、役職や休みの多さなどもあまり気にせず転職してきた気がします。
資格を持っていても、フロアリーダーや管理者などに自分からなるつもりはなく、純粋に「よい介護とは」「よいケアプランとは」と考えてしまう。
でも、あとから不満が出てしまうかもしれないので、やはり条件面もきちんと面接のときに確認したほうがいいですよね。
満足いく転職のためには、最低限、年金や保険はあるのか、有休休暇はあるのか、残業代は出るのかなども確かめたほうがいいと思います。
一人暮らしをしていくためには、家賃や食費、光熱費など含めて、15~16万円くらいかかります。本来であれば、将来のための貯金も含めてこれぐらいほしい、という金額をしっかりと考えて、転職時に提示できるようにしたほうがいいのでしょう。
私は今の給料だとちょっと苦しくて、貯金を切り崩しています。そんなことをしていたら、自分の老後も心配になってしまうので、条件面の確認は必要ですね。
また、事業所の所長の考え方ひとつで、職員の処遇や休み方なども変わってくるので、面接時に所長とよく話をして、意向を確認したほうがいいと思います。
【介護の仕事のやりがい】ケアマネジャーは「人を学ぶ」仕事
キザったらしい言い方ですが、やはり介護の仕事は自分が成長できる仕事だからやっているのだと思います。
介護の仕事では、利用者さんのケアをするために、身体のメカニズムを知り、介護の技術を学び、医療の知識も学びます。そしてその学びには終わりはありません。
精神障害、身体障害、認知症など、さまざまな症状を抱えた高齢者の方たちのケアをし、介護方法について実践で学び、そして足りない部分は知識としても学べるところが奥深いと思っています。
だから、受け身でいるのではなく、アクションしていかなければ。自分からアクションしていくことが結果につながります。
また、ケアマネジャーの仕事は、利用者さん一人ひとりのオーダーメイドのケアプランを作ることです。利用者さん一人ひとりのことをとことん知って、最良のプランを作るわけです。
「人を学ぶ」仕事だと思っています。それが、やりがいにつながっています。
【介護業界での次の目標】コーチングの仕事と兼業で
ケアマネジャーの仕事はやりがいがありますが、介護以外の業界でも、ヘルパーやケアマネとして人と接してきた経験を生かして働きたいと思っています。
少し前から、「コーチング」の仕事をしています。考え方のコンサルティングのようなことです。
人は、何か問題が起きたときに、自分の外側の事象をとらえて、そこに問題があるのだと思おうとします。しかし、多くの問題は自分の行動に結び付いています。
そんな気付きを与えて、思考力によって問題解決をしていこう、という内容です。
研修を受けたので、もう人に教えられる段階に来ています。
ときどき講演の仕事もしていますし、今後はプライベートコーチとしても仕事の機会を増やしていきたいですね。
自分の持てる力を、さまざまな分野で発揮できたらいいな、と思っています。
<三輪 泉(ライター・社会福祉士)>
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●先輩たちの職場選びの失敗事例に学ぼう
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