◆デイサービス(正社員/介護職) → 訪問介護・介護タクシー・ケアマネジャー(正社員)
U・Tさん(男性・43歳)
●デイサービス(勤務期間:4年)
●訪問介護・介護タクシー・ケアマネジャー(勤務期間:9年)
介護タクシー・ケアマネジャー兼務(給与:基本給与+資格手当〔介護福祉士1万5000円、ケアマネジャー4万円〕)
保有資格:ヘルパー2級(現介護職員初任者研修)、介護福祉士、介護支援専門員、普通自動車二種免許
家族構成:妻
*U・Tさんの「転職 成功・失敗 体験談」…1回目、
2回目、
3回目、
4回目(最終回)はこちら
【介護職になったきっかけ】営業が肌に合わないと感じて
営業職をあきらめて、海外移住を決断
大学の経営学部を卒業し、生活雑貨メーカーの営業職になりました。
街で人気の雑貨を、大手雑貨ショップや量販店に取り扱ってもらうような担当。女性から見れば楽しいと思うのでしょうが、自分には肌に合わないと感じました。
「こんなものが必要なのか」と思うようなものも大量に売らなくてはならず、自分の意に反したことをするのが苦痛でした。
その後、別の会社の営業職もしましたが、そもそも「売り込む」という行為自体が苦手だとしみじみ思い、営業という仕事に見切りをつけて、タイへ。タイ語を覚えて、今までと全く違う仕事をしたいと思いました。
1年間語学を勉強した後、タイの機械メーカーに就職したのですが、専門用語が飛び交う中で、1年勉強しただけの語学では仕事にならないと感じて、挫折。
考えた末に、日本に帰ってきました。
人に喜ばれる仕事が向いているかも
帰国後、就職、アルバイトと生活をつないできましたが、興味のない仕事をする日々に疑問を持って……。
かといって、もう営業の仕事はしたくない。向いていないのに、また無理をしても辞める羽目になる。
そのときに頭をよぎったのが福祉職でした。誇大なトーク営業をすることと、対極にあるような気がして。
こういう仕事なら自分に向いているのでは、と思うようになりました。
ハローワークに登録し、ヘルパー2級(現・介護職員初任者研修に相当)の講習に通いはじめました。
このとき、売ってもうけるより、高齢者に接し、心身の状態をよりよくする手助けをするほうが、社会的にも意義があると感じたのです。それに、講習も楽しい。
講習を受けに来ている人たちも、なによりも「人に喜ばれること」を求めていると感じ、自分も同じだな、と自覚しました。
明るい雰囲気のデイサービスに決めた
ヘルパー2級の講習が終わると、ハローワークの求人を見て自分で2つの事業所を選びました。
ひとつは障害者のための作業所。そしてもうひとつが、デイサービスを運営する会社でした。
最初に作業所に面接に行ったのですが、そこは雰囲気が合わなかったですね。
面接してくれた施設長は、福祉への思いは熱いけれど、なんというか、雰囲気が暗い。
ハンディキャップのある人たちをもっと幸せにしようというよりも、現状を受け止めて静かに生活させようという感じでした。
もうひとつの候補だったデイサービスは、一転してとても明るい雰囲気。
利用者さんを楽しませることを生き甲斐にしているような職員たちの空気が、気持ち良い。
スタッフ同士のやりとりを見ていても明るくいい感じで、ここは働きやすそうだと思いました。
大学を出て8年。30歳で介護職になりました。
【はじめての介護職】働きやすくて仕事も楽しい
人間関係がとてもよい
そのデイサービスは、介護の仕事を覚えたい、と思う自分にはピッタリの職場でした。
30歳ではじめて介護職になった自分を快く受け入れ、先輩も同僚も丁寧に仕事を教えてくれました。
ヘルパー2級の講習を受けているときに、「介護の現場には、よくお局様のような先輩女性職員がいて、ハバをきかせている」などという話を聞いていました。
けれど、このデイサービスにはそういう人がいません。
施設長の人柄のよさが、全体を引っ張っているなと感じました。
仕事自体も自分に合っていて、高齢者の方と接し、楽しんでいただくこと自体が楽しい。
いい仕事に就いたと思いました。仕事上で嫌だと思うことはほとんどなかったですね。
【転職のきっかけ】キャリアアップが難しく、将来が不安
小さな事業所で、異動もできない
しかし、ここは小さな事業所で、デイサービス以外の事業をしていません。
この先もここで正社員として働き続けたとしても、キャリアアップできないことが大きな問題でした。
入社するときは、そんなことは考えなかった。
しかし3年経った頃に、先々のことが気になるようになってきました。
大手企業が運営しているなら、本部組織への異動もありますが、ここではそういうキャリアパスもない。
しかも、このデイサービスはすごく忙しい。分刻みのスケジュールで、残業も多い。
残業代が出なかったので、給料の点でも、年齢を重ねるごとに不満や不安が出てきました。
人が足りなくて、運営自体も綱渡り。ここにずっといることは問題だとだんだん思うようになり、インターネットの転職サイトなどを見るようになりました。
複合的に介護の事業を展開している法人を選んだ
インターネットや転職雑誌などで求人情報を見るようになり、だんだん「転職したほうがいいかな?」が「転職しよう!」に変わってきました。
その際は、小さな1事業所しかないような法人ではなく、介護を中心にいくつかの事業所を展開するようなところがいいと思いました。
キャリアパスがないところは、男としてもしんどい。このときはまだ独身で、結婚も視野に入れなければならなかったですしね。
また、30歳を過ぎて、体力的にもだんだん衰えてきているのを感じたので、夜勤は避けたいと思いました。
それなので、老人ホームでないところがいい、と思いました。
ヘルパー2級以外の資格はまだ持っていなかったので、デイサービス以外なら訪問介護事業所へ就職するのがいいかかもしれない。
いくつか求人情報を見て、さまざまな業種の事業所を運営している法人に興味を持ちました。
そこは訪問マッサージなどのほか、訪問介護事業所、居宅介護支援事業所、介護タクシーも運営。
キャリアアップも含めて、さまざまな可能性があります。
さっそく面接を受けに行き、採用をいただきました。
次回は、転職後の職場の様子やキャリアプランなどについて詳しく聞きます。
<三輪 泉(ライター・社会福祉士)>
*U・Tさんの「転職 成功・失敗 体験談」…1回目、
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