◆介護付き有料老人ホーム(正社員) → 看護小規模多機能型居宅介護(正社員/介護福祉士)
M・Tさん(女性・29歳)
●介護付き有料老人ホーム(正社員)(勤務期間:1年半/ボーナスあり)
●看護小規模多機能型居宅介護(正社員)(勤務期間:3年/介護福祉士手当・ボーナスあり)
介護業界以外でのその他経験:IT企業財務担当(勤務期間:2年)
保有資格:介護福祉士
家族構成:一人暮らし
*M・Tさんの「転職 成功・失敗 体験談」…
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【看護小規模多機能型居宅介護の職員として】社会的意義のある仕事だと実感
介護度の高い人たちを、心を込めて支援する「看多機」
看護小規模多機能型居宅介護は、病状の重い方でも在宅で暮らすことを可能にするための介護サービスです。
最期まで家で暮らしたいというご本人の思いをしっかりと支えます。
また、特別養護老人ホームや介護老人保健施設に入居したくてもなかなか入れない人たちが、在宅で入居待ちしているときに利用する場としても有用だとも言われています。
病状の重い高齢者を自宅で介護している家族は、介護の負担が大きく、体力的・気力的に大変だと思います。
そんな家族のレスパイト(息抜きや休息)のためにも、訪問だけでなく、デイ、ショートステイを利用できる看護小規模多機能型居宅介護は「とても助かっている」と言っていただけます。
感謝してもらえること、社会的な意義が大きいことが、私たち介護職の喜びにもなっています。
介護職の健康も考えてくれる施設に感謝
以前の介護現場では、夜勤が多くて体を壊したので、今の職場ではデイサービスの職員として働いています。
泊まりの担当にならないので、原則月曜日から金曜日までの日中の勤務です。
これも、管理者の方の配慮で、長く働けるように考えてくれています。
【1日の仕事の流れ】日勤のデイの介護職としての仕事内容
利用者さんをお迎えに行き、デイサービスで過ごしてもらったあと、自宅にお送りしてご家族に託すまでが私たちの仕事です。
事業所に戻ってから事務処理や報告書類の作成をすることになるのですが、平日はだいたい定時に帰れるので、助かっています。
1日のスケジュールは、おおむね以下のような感じです。
8:00すぎ 事業所からすぐ近くのアパートに住んでいるので、早めに出社。余裕のある行動を心がけている。
8:30~ 受け入れ準備、職場ミーテイング。
デイサービスは毎日利用する方が変わるので、それぞれの方の近況や注意すべきことを申し送りし、スタッフで共有する。
うちの事業所は、訪問の事務所とデイの場所が少し離れているので、双方の情報共有なども必要。電話で話すことも多い。
9:00~ 送迎車に添乗して利用者さんを事業所にお連れする。うちの場合は、利用者さんを1人ずつ迎えに行って事業所へお連れして、また次の利用者さんを迎えに行く、という繰り返し。全員を乗せて戻るのではないので、送迎に時間がかかるけれど、病状の重い方が多いので、負担を少しでも少なくする配慮。
10:30~11:00 お迎えが終了。入浴担当のときはすぐに入浴介助に入る。全員が個浴なので、ていねいな介助を心がける。
12:00~ 食事介助。口腔ケア、排せつ介助の後はお昼寝をされる方が多いので、その間にノートの記録、事業所の記録などを進める。
14:30~ おやつの準備。
15:30~ 利用者さんをお送りする。朝のお迎えの時と同様に、利用者さん1人ずつを送迎車にお乗せして、添乗。
17:00~18:00 事業所に戻り、掃除や洗濯、記録を済ませる。残業はほとんどなく退社。
【仕事のやりがい】職場環境からも利用者さんからも学べる
介護や医療、生活援助などさまざまな能力が磨かれる実感
デイサービスは、利用者さんの生活の場なので、専門職として介護を担うほか、料理、洗濯、掃除などももちろん行います。
これもまた、私にとってはとても貴重な勉強です。
料理は苦手でしたが、利用者さんや他のスタッフにも教えていただきながら、かなり腕を上げました。
もちろん、介護のスキル、医療の知識もアップしたと思いますし、ここにいるとさまざまな能力が磨かれていく実感があります。
「仕事が楽しい」と、心から言えることが、私の誇りです。
人生の先輩としての利用者さんから学ぶことも多い
うちの看護小規模多機能型居宅介護の利用者さんの要介護度は、平均で4.5以上。
病状の重い方が多く、中には発語のない方もいらっしゃいますが、少しお元気な方もいらして、たくさんの貴重なお話をしてくださいます。
最近のお話は忘れてしまっても、戦前の日本のことなどは、認知症の方でもとてもよくご存じで、懐かしいお話を伺うと、心なごみます。
また、戦争の最前線で特攻隊だった、という男性利用者さんのお話などはとても貴重です。こんなお話が聴けるなんて、なかなかないことだと思っています。
気さくに話してくれる女性利用者の方には、若い頃のお話、結婚してからのこと、ご主人を亡くされてからのこと……。
女性としての大先輩のお話は、今後私が生きていく上でとても参考になり、ありがたく思います。
【改善してほしい点】代休制度と職員の昼食時間
充実した職場で働けてとても幸せなのですが、少しだけ難点があります。
デイサービスの事業所は週末には閉めているので、基本的には月~金の出勤ですが、利用者さんに小さなトラブルがあったとき、また、ご家族の都合などで、土日に訪問介護をすることもあります。
そのとき、休日出勤で手当てはつくのですが、代休はありません。
週に6日間働くと、月曜から少し疲れが残っていることがあり、「代休が欲しいなあ」と思ってしまいます。
また、職員の昼食の時間は設定されていなくて、利用者さんの昼食時間に一緒に食べることになっています。
でも、食事介助しながら自分も食べるのはとても難しくて。
結局、5分~10分で昼食をかき込むことになってしまい、その後の休憩もなしです。
昼食の時間が取れないことだけは、改善してほしいな、と思っています。
実際、これが原因で辞めてしまう人もいるので、何とかしてもらえたらと思うのですが。
それもこれも、人手不足に問題があります。
どの業界でも人材は足りていないようですが、介護職は本当に厳しいですね。
職員が1人辞めてしまうと、ますます落ち着いた昼食の時間は取れなくなります。
根本的な問題として、介護職の人手不足をどうにかしてほしいと思います。
最終回の次回は、転職を決めたときのポイントや、介護の仕事のやりがい、将来に向けての展望などを語っていただきます。
<三輪 泉(ライター・社会福祉士)>
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