◆デイサービス(パート/介護職) → 介護付き有料老人ホーム(パート/ケアマネジャー)
W・Rさん(女性・45歳)
●デイサービス(勤務期間:9年/給料:時給+処遇改善加算)
●介護付き有料老人ホーム(勤務期間:1カ月/給料:時給+資格手当)
保有資格:ヘルパー2級(現介護職員初任者研修)、介護福祉士、介護支援専門員(ケアマネジャー)
家族構成:夫、長男(高校1年生)
*W・Rさんの「転職 成功・失敗 体験談」…1回目、
2回目、
3回目、
4回目(最終回)はこちら
【介護の仕事をするきっかけ】介護職になるとは考えてもいなかった
地域センターの窓口業務に応募
長男が小さい頃は、家にこもってひとりで育児に向き合うのがつらくて、よく地域センターにでかけました。
3階に幼児向けのプレイルームがあるので、そこで絵本を読んだりおもちゃで遊ばせたり。ほかの子どもたちもいるので息子も楽しいようで、毎日のようにお弁当持参で通っていたのです。
息子が小学生になったので、そろそろ働きたいと思っていた時に通っていた地域センターで「窓口業務のパート募集」のような張り紙をみつけ、ここなら慣れているしいいな、と思って電話で問い合わせました。
後日、1階の会議室に案内され面談となりました。
「あなたのような方なら」と言われてうれしくて
1階はデイサービスです。
「なぜ、3階の窓口業務を希望しているのに、デイサービス?」と思う間もなく、「介護の仕事は人手が足りません。あなたのような方ならぜひここで働いてほしい。お話を聞くほどに、向いていると思えるのです」と言われました。
そんなはずでは……と思ったけれど、まんざらでもなかった。「あなたのような方なら」なんて言われて、うれしかったのです。
考えてみたら、結婚して退職したあとに職業訓練所でヘルパー2級(現介護職員初任者研修)を取得していたんです。その話をしたら、さらに前のめりになって誘われて。
信用金庫をやめて8年も専業主婦をしていた私でも、必要とされている。それがうれしくて、「私でよかったら」と思わず答えていました。
「週に2回でもよい」「午前中だけでも」と、小学生を抱える母親の心情を理解してくれたので、最初はごく短時間、週に2回だけ働きました。
未経験だったので、ちょっとコワい年配の先輩や看護師さんに怒られたりもしましたが、そのうち仕事にも慣れてきましたし、長く続けていたら、そういう人もだんだんやめていったりして。
職場に求められるまま丸1日の勤務になり、週4回の勤務になり、気づいたら9年も働き続けていました。
介護の仕事で地域に貢献したかった
はじめは介護の仕事をしたいと思って応募したわけではありません。ですが、職場に不満はまったくありませんでした。
まず、家から5分ほどで歩いていける場所が気に入っていました。私としては、地域で働きたい。自分が住んでいる地域で働けば、地域に貢献できるし、いずれ自分が年齢を重ねたときも、安心していられます。
だから、「正職員に」と言われてもやんわりと拒んできました。正職員になったら転勤もあるし、地域密着にこだわることもできなくなります。
「ずっと同じところにいたら、人間関係が煮詰まらない?」と言われますが、私はあまり人間関係に悩まないほうです。
人と接しているのが好き。利用者さんと過ごす時間は、仕事でもあり、癒しの時間でもありました。
【転職のきっかけ】冗談半分だった転職が現実に
ひょんなことから転職へ
ケアマネジャーの資格を取得したので、仲間たちがお祝いをしてくれることになりました。
その飲み会のときに、ノリで求人サイトに登録したんです。デイサービスではケアマネの仕事はないので、「ケアマネの資格を生かせる職場がパートでもあるのかな?」なんて、冗談半分に。
それをすっかり忘れていたのですが、1年もたった頃に、いきなり電話があったんです。「転職をお考えですか?」って。
驚きました。「そんな気はまったくありません。遊び半分で登録してごめんなさい」とお断りしました。
けれど、電話をかけてきた方がとてもお話上手で、「もし、あなたが今の職場とは別に、理想の勤務条件があるとしたらどんな感じですか? 参考のために聞きたくて」と。
私は考えて、「家から歩くか自転車で行けるところ、週4回パート勤務、ペーパードライバーOK、ケアマネの資格を生かせるけど未経験でも働けるところ」と言いました。
こんな虫のいい話はあるわけがない、と思いながら、断るつもりで話したのですが、「ありますよ、その職場!」と。びっくりしました。
すぐに、3件ほどを紹介してくれました。
ほかの2つはちょっと遠かったので、そのうちの1件だけを見に行くことにしました。もし本当に、私の理想の条件で働ける職場があるのなら見学だけでもしてみたい、と興味を持ったのです。
行ってみると、なかなか雰囲気のいい介護付き有料老人ホーム。
そこは企業が運営しているからか、接遇マナーがしっかりしていて利用者さんに対しての言葉使いがとてもていねいです。面接に来た私に対しても、礼儀正しく対応してくださいました。
施設長の理念に感動し、自然と転職することに
けれど面接をすると、「週5日で来月から勤務できる人」というのが先方の条件でした。私は週4日が希望で、万が一働くとしても翌々月からでないと無理です。
まだ今の職場に退職の意思も伝えていないことも正直にお話しました。
ところが、適性検査をやることになり、心理テストまでやることになって。
最後に施設長さんとお話しすると、しっかり私を見て言うのです。
「入居者さんの幸せのために、スタッフがいきいきと、誇りを持って働く職場にしたい」と。
その言葉に落ちてしまいました。
希望の条件には合わないので断るつもりでいたのに、「ここで働きたい!」という気持ちがムクムクと沸いてきて。
1週間後に、「ほかに数名の応募の方がいらっしゃいましたが、弊社はぜひWさんに来ていただきたいのです」と電話をいただいたときには、また「私でよければ」という言葉が口をつきました。
そのような経緯で、デイサービスから介護付き有料老人ホームへ転職することになったのです。
次回は、勤務条件や給与について詳しく聞きます。
<三輪 泉(ライター・社会福祉士)>
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