履歴書には、「本人希望欄」があります。フリースペースでそれなりの大きさがあるので、どうやってこのスペースを埋めたらいいかと悩みますよね。
そこで、本人希望欄の適切で好印象な書き方についてご紹介します。
特に記すべき理由がないときは、基本的には「なし」でOKです。
理由があれこれある人は「採用しにくい」と思われますし、「注文が多く、採用後もこの人はわがままで大変かもしれない」と思われがちです。
とはいえ、履歴書において何も書かない・空白のままで提出するのはよくありません。
特にないなら、「特にない」という意思表示をすることが大事です。
そこで、特に希望がないときは一番上の行に
と書きましょう。
たとえば、介護の現場職と事務職を募集しているときなどは、「貴社の規定に従います。」と書いてしまうと、事務職に回されてしまうかもしれません。
このときは、介護職を希望するのだ、ということを示しておきます。
ただ、あれこれ理由をつけない、細かいことは言わないことです。
そもそも、事務職と介護職とは採用する人は別、と法人は考えているはず。
募集の種別だけを書けばよいでしょう。
介護職が事務に長けていないのは、法人側も承知の上です。介護事務の経験があり、事務職でもよい、ということであれば、その旨を記しますが、通常は短く「介護職を希望します。」でよいです。
また、本人希望欄で役職や給料などの条件を伝えることは、一般的には避けるべきと言われます。
書類選考から面接に進んだところで、役職や給料の話は出ます。そこで口頭で伝え、相談・交渉するほうが、スムーズです。
前職でリーダー職であったことは、職歴の部分で記述します。
本人希望欄には「どうしてもこの希望が通らなければ就職できない」ということのみを書きます。
「リーダー職希望」「年収500万円以上」と書いて、書類選考で落ちてもいい、と思うのなら話は別ですが、少しでも採用されたいと思うのであれば、文字にして書くのは避けましょう。
前職場でリーダーであっても、最初からリーダーとして採用するかどうかは、新しい職場のポジションの求め方や人員配置の都合によっても違います。
役職がない形で入職しても、優秀であればすぐにリーダー格になることは多いものです。
「貴社の規定に従います。」が好印象だといっても、規定に従えない理由のある人もいます。その場合は、希望を書きましょう。
本来、本人希望欄は、そのためにあるわけです。
「希望」は、法人側が見ても「もっともだ」と思う内容にします。
・家族の介護をしているため
・保育園に通う幼児の迎えの時間が決められているため
・体調や障害などの関係で、医師から禁止されている事項があり、それを避けるため
などの理由があれば、記載しておきましょう。
例文は以下のとおりです。
勤務に関しての希望があると、もしかしたら不採用かもしれません。
しかし、「採用されたとしても、この条件抜きでは勤務できない」となることは、きちんと書きましょう。
「貴社の規定に従います。」と言っておいて、実際に従えないのなら、採用後に辞職、と言うことにもなりかねません。
介護業界は慢性的に人手不足で、ある程度の勤務条件があっても、働いてもらいたい、と思っている法人は多いです。
昼間の時間帯だけでもカバーしてほしい、勤務時間や勤務日が限られていたとしても採用したい、という意向も強いです。
また、腰痛や持病に関しては、大事にしながら長く働いてほしい、と思っている法人がほとんどです。
特に非常勤の場合は、勤務地や勤務時間、制限などの条件を伝え、正職員が働けない時間をカバーする、という位置づけで勤務することはごく一般的ですから、どうしても、という条件については最初から書いておきましょう。
ただし、希望の書き方については、気配りが必要です。
介護や保育園の送迎、腰痛は事実です。
けれど、あなたができない分、だれかがカバーしてくれることは忘れてはなりません。
これらは、他の職員も希望したいことですね。
だれもが家庭と仕事を両立させて働きたいですし、介護職は大なり小なり腰痛があり、それをなんとかカバーしながら仕事をしている人が多いです。
この表現では、採用担当者も、採用後の現場のほかの職員もカチンときます。
特に、面接のときは、肩代わりをしてくれる他の職員に対する感謝の気持ち、いつか介護や育児、持病から解放されたら、その分しっかりと働きたいという意欲をにじませることが必要ですし、履歴書に書くときも、その気持ちを持って希望欄を書くようにします。
このほか、本人希望欄に書いたほうがよい内容としては、法人からの連絡時間や入社可能日の希望があります。
現在、仕事に就いている場合は、仕事中に転職の問い合わせなどには応じられないので、連絡可能な時間帯や連絡手段について記載しましょう。
また、今の仕事を辞めて就職する場合は、引き継ぎなどの必要があります。
企業側も組織条の都合や受け入れのための準備があるので、確実に勤務が始められる日を記載しておきましょう。
できるだけ「簡潔に書く」ことを忘れないでください。
連絡可能時間をあまりに細かく記載したり、連絡できる時間がほんの少ししかないとなると、「そちらの条件に細かく合わせるなんて」と思われることもあります。
かといって、あいまいにし、いつ連絡しても電話に出ない、となると採用担当がイライラしてしまいます。
上記のようにメールへの連絡も加えておきましょう。
また、就業可能日は理想的には内定から1カ月、せいぜい2カ月までが一般的です。
それより遅くなる場合は、しっかりとした話し合いが必要になり、場合によっては求人側の希望に合致せず、今回は見合わせる、となる場合もあります。
かといって、すぐに就業できないのに「すぐできます!」と言って実現しないのは、もっと困ります。
内定したら、現職の上司に伝え、退職日をしっかりと相談しましょう。
「本人希望欄」は本人の希望を記述する欄ですが、自分の希望を出すからには、相手の都合もセットで考える、ということ。
その点をしっかりと含んで書くことが、大切です。
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