転職回数が多いと、履歴書の職歴欄に書ききれなくなるケースも考えられます。「だったら、全部書かなくてもいいのでは」と思うかもしれませんが、履歴書には正社員としての職歴をすべて記載するのが原則。
勝手に省略すると、悪くすれば経歴詐称を疑われることもあるので注意が必要です。また、スペースが足りなくなったからといって、履歴書を2枚にするのもNGです。
「となると、どうすれば…?」と悩みますよね。
そこで今回は、職歴が履歴書に書ききれない場合の正しい解決方法をご紹介します。ご自分に合ったベストな対処法を選んでください。
職歴が履歴書に書ききれないときは、こう解決!
●行数の節約で解決!
履歴書の職歴欄に書ききれないときの解決法の基本は、あたりまえのようですが、行数を節約すること。
複数行になる項目を1行にまとめるといった工夫が求められます。
ではどの部分をどう節約したらいいのでしょうか。
以下の2つの対処法を参考にしてみてください。
《解決方法1》学歴を省略する
職歴欄は学歴と職歴の両方を書くスペースです。
職歴が書ききれない場合は、まず
学歴を省略するところから始めましょう。
中学校卒業から記載するのが一般的とされますが、義務教育の学歴は省略しても構わないので、転職の場合は高等学校卒業からの記載でOKです。
《解決方法2》1行に1社を記入する
在籍した企業ごとに、入社年月と退職年月を2行に分けて書くのが一般的ですが、転職が多いときは、
入社と退職を1行にまとめます。
入社年月と会社名のあとに、括弧書きで退職の年月と退職理由を記載すればOK。この方法ならば、職歴ごとに1行ずつ減るので、トータルでまとまった行数が節約できます。
▼一般的な書き方:これだと1社につき2行使ってしまう
▼これで解決!
《解決方法3》パートやアルバイトの職歴をまとめる
職歴の中にパートや派遣の職歴がある場合は、正社員の職歴とは別にまとめて書く方法もあります。また、アルバイトの職歴については職歴から省いてもOKです。
<記入例>
・平成○○年~平成△△年の間に、介護施設でパートの介護スタッフとして3社に勤務
・平成○○年~平成△△年の間に、短期アルバイトで主に飲食業の会社5社に勤務
《解決方法4》「現在に至る」と「以上」を1行に
履歴書作成時点で在職中の場合、最後に「現在に至る」と記し、次の行に「以上」と書くのが一般的ですが、それを1行にまとめます。「あと1行あれば収まるのに……」という場合に使える解決法です。「在籍中」を使えばさらに1行減らせます。
▼一般的な書き方:これだと「現在に至る」と「以上」で2行必要
▼これで解決!
(例1)
(例2)
●職歴欄の多い履歴書で解決!
履歴書には、サイズや形式の違いでさまざまなフォーマットの種類があり、履歴書そのものを見直すことも解決法のひとつです。
《解決方法5》職歴欄の広い履歴書を選ぶ
自分に合った履歴書を使っていますか?社会人経験が長い人、転職回数が多い人は、職歴欄が広いものを探してみてください。転職者向けに作られたものを選ぶのもオススメです。
《解決方法6》パソコンで履歴書を作成・編集
市販の履歴書用紙ではなく、自分で編集が可能なExcelやWord形式の履歴書テンプレートを利用するのも解決法のひとつ。インターネットからダウンロードしたのち、パソコンで必要な行数に調整しましょう。職歴欄を増やすと全体のバランスが悪くなることもあるので注意してください。
●別紙を利用して解決!
解決方法1~6を試しても、それでもスペースが足りない場合は、履歴書の職歴を省略することになります。
ただ、単に省略するだけではもちろんNG。そこで、履歴書と職務経歴書を連動させ、書ききれなかった職歴を職務経歴書に記載してカバーします。
《解決方法7》職務経歴書で詳しく記載
履歴書の職歴欄は、直近の職歴、あるいは応募先業種に関連した職歴を優先し、一部の職歴を抜粋して記載します。それ以外は、業種や仕事内容ごとに括って1~2行でまとめ、「詳細は職務経歴書をご参照ください」と書き添えます。
これで、職歴を一部省略していること、職務経歴書でそれをカバーしていることをきちんと伝えることができます。
職務経歴書には、履歴書に書ききれなかった分も含め、すべての職歴を詳しく記載してください。
<記入例>
平成○○年○月 □□□株式会社 入社(平成△△年○月 一身上の都合により退社)
平成△△年○月 ■■■株式会社 入社(平成▲▲年○月 一身上の都合により退社)
平成▲▲年○月 株式会社□□□ 入社
現在に至る
※平成●●年まで○○年間、アパレル業界で、大手アパレルメーカー2社、セレクトショップやファッション通販サイトなど小売企業3社に在籍。
詳細は職務経歴書をご参照ください。
職歴の数によっては、職務経歴書の活用案も効果的
職歴が多く、履歴書には書ききれない場合の解決法をご紹介してきました。どの方法を選ぶかは、職歴の数にもよると思います。
数行だけあふれるような場合なら、行数節約の方法で対処できるでしょう。ただ、行数の節約にこだわるあまり、見やすさ、わかりやすさを二の次にしないことが大切です。
一方、職歴がかなり多く、数行の節約では収まりきらないという人は、職歴欄に無理に詰め込むよりも、履歴書と職務経歴書をセットとして考えた方が良いでしょう。その場合は、自由なスタイルで記入できる職務経歴書を使って、いかにアピールできるかがポイントになります。時系列で並べるか、キャリアでまとめるかといった記載のスタイルも含めて慎重に検討してください。
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