基本的には、採用かどうか判明していない面接段階での待遇や労働条件についての質問は避けるべきとされています。特に、残業時間や夜勤の頻度などの仕事量を尋ねる内容は注意が必要です。
「残業や夜勤をしたくないのかな」と、仕事への意欲に「?」がつきかねないネガティブな質問だからです。
一方で残業や夜勤は、働き方だけでなく、ライフスタイルにも影響のあることです。仕事に十分な力を発揮するためにも、あらかじめ確認しておくことは大切なこと。聞きづらい内容ですが、きちんと回答をもらって納得したうえで入社や入職をするのが望ましいカタチでしょう。
では、どうすればネガティブな印象を与えずに聞き出せるでしょうか?
まず、どのタイミングで残業や夜勤についての質問を切り出せば良いでしょうか?
介護のように、夜勤シフトや残業がある職場の場合、面接官から「夜勤や残業はできますか?」という質問が出ることもあります。
まずは、会社側からの質問を待ってみましょう。
こちらから質問するならば、面接の最終盤に行われる「逆質問」のときが絶好のタイミングです。
ただし、「待ってました!」とばかりに、いきなり残業時間や夜勤の頻度について質問するのはNG。
そうしないと、「この応募者の1番の関心事は、残業や夜勤についてなのか」とマイナスのイメージを与えてしまいかねません。
そこで、逆質問用に、残業や夜勤以外にいくつかの質問を用意しておきましょう。
ポイントは、面接を通して仕事への前向きな姿勢や熱意をしっかりとアピールしておくことです。残業や夜勤の質問を取りあげるまでに、働く意欲や熱意が十分に伝わっていれば、ネガティブな質問という印象にはならないでしょう。
面接官に悪印象を与えずに残業や夜勤の量を聞き出すには、直接的な表現を避けるのがコツ。
「残業は多いですか?」や「夜勤シフトはどのくらいの頻度ですか?」などと、ズバリ聞くのはNGです。
たとえば、「平均の残業時間」や「夜勤頻度の1カ月の目安」といったように、「平均」や「目安」という言葉をつけるとソフトな印象になります。
「前職では」と、前職での残業時間や夜勤をどれくらいこなしていたかを最初に述べるのもコツのひとつ。あくまでも、「実際に応募先で働くことをイメージしたいので、参考までに聞いておきたい」という姿勢を印象づけることがポイントです。
以下の例文を参考にしてください。
●前職では、1カ月に○○回ほどの夜勤をこなしました。こちらの施設においては、夜勤頻度はどれくらいの目安になっていますか?
●御社では、平均の残業時間はどれくらいか教えていただけないでしょうか?
●以前働いていた施設では、○時間程度の残業をしていました。参考までに御施設では平均でどのくらいの残業が発生するのか教えていただけますでしょうか?
●私が介護の仕事に就くことに夫も理解があり、私も家庭との両立を図りながら、残業や夜勤のシフトをできる限りこなしたいと考えています。差し支えなければ、こちらの施設のシフト体制や残業、夜勤の量について教えていただけますでしょうか?
残業時間や夜勤の頻度について質問をするのであれば、面接官からの返答に対して、どうリアクションするかも想定しておいた方がいいでしょう。
ノーリアクションだったり、「そうですか」だけで終わりにしてしまうのはNG。会社が提示した残業や夜勤の量に対して不満があると受け取られるかもしれません。
「わかりました。ぜひ戦力となれるよう頑張りたいと思います」など、前向きなコメントをすると良いでしょう。
しかし、できもしないことを軽々しく肯定してしまうのも後のトラブルの元です。
面接官が提示した残業量や夜勤の頻度に対して交渉したいというのであれば、できる限り応募先企業の要望に添うよう対応したいという意志を伝えつつ、自分の希望を伝えて交渉可能かどうか尋ねるのがベター。
その際は、自分本位と取られないように、残業や夜勤ができない理由もしっかり伝えることが大切です。
たとえば「親の介護をしているため月○回以上の夜勤は難しいのですが、残業については対応可能です」とか「子育てが一段落する○月からならば夜勤も対応できます」など、対応可能な範囲や見通しについて説明するのもポイントです。
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